大学院博士課程に進学する3つの理由 その1:自分の大好きな『電池』について、もっと長く&深く研究したいから

こんにちは。札幌と筑波で電池材料研究に勤しむ現役北大院生(M2)のかめです。

修士課程修了後、就職やブランクを経ず、そのまま博士課程へ行く決断を下しました。

これからの3記事では、私が大学院博士課程へ行く3つの理由について、ひと記事でひと理由ずつ話します。

博士への思いの丈を文章で最大限表現してみましたので、

  • 博士進学を迷っているB4/M1
  • 博士進学が決定したM2の同志
  • 既に博士課程在学中のDの先輩方

こうした方々に是非読んで頂きたいと思っています。

かめ

それではさっそく始めましょう!

目次

研究者を目指すに至る原体験

化学が大好きだった中学時代

私は中学時代から化学に惹かれていました。

化学の授業中に先生がふとしてくれた雑談にて”あらゆる化学的現象を式で表せる”と知り、

かめ

えっ、すごい…!化学ってなんて美しい学問なんだ…!

と化学の魅力に憑りつかれたのです。

物理に関しても化学と同様、大いに知的好奇心が刺激されました。

ただ、力学や波動学を何となく無機質に感じてしまい、化学ほど大きな知る喜びを得られなかったというわけです。

高校に上がると授業が本格化し、ますます化学が好きになりました。

体育以外の大抵の授業は面白くなくて宿題を済ます時間に充てていた一方、化学の授業だけは興味を持てたので、教師の話を熱心に聴きつつ、教科書の内容を隅から隅まで暗記していました。

自分なりに考えた結果、(化学のパワーで世に貢献したい)と思いまして、高校三年次に京都大学農学部を受験しました。

残念ながら不合格 (6点差でした)となり、一浪の末に北海道大学総合理系へ合格したのですが、高三&一浪の2年間に及ぶ受験勉強の際も化学が私の息抜きとなり、”化学の新研究”という分厚い参考書をボロボロになるまで読み込んでいました。

電池に強く関心を持った大学時代

北大での最初の一年間、私はたくさんの講義を受講しました。

とはいえ正式に履修したのは2科目 (化学I, 化学II)であり、あとは興味のある講義の部屋の後列に座り、自分が化学のどの分野を極めていくべきか適性を見定める時間といたしました。

たくさんの講義に潜った結果、電池に興味があることが明らかになりました。

というのも、電池は電極同士の組み合わせや電解質との相性などを統合的に調整していかなくてはならず、世間で当たり前に使用されている電池は絶妙に調和がとれたいわば「芸術作品」であり、(凝り性で職人気質な私はそのような”作品”作りに向いているのではないか)と思ったからです。

電池の中でも蓄電池や燃料電池も興味を持ち、そのどちらの研究もできる研究室を探してみました。

そして一年次の3月、進路振り分けの際、その研究室へ行ける学部・学科に進学しました。

希望の研究室へ行くため学部の勉強を必死に頑張り好成績を獲得した結果、三年次の3月に無事、第一志望の研究室へ配属されました。

本当は燃料電池の研究に携わりたかったので、第二希望の蓄電池に関するテーマで頑張っていくこととなり少々気落ちしたものの、

  • コレが自分の運命なのだ
  • きっと神様からの「蓄電池産業に貢献しなさい」というメッセージなのだろう

と自身を納得させ、自分の選んだ道を正解にすべく毎日研究活動に勤しんでいます。

博士課程に進む理由その1:電池についてもっと知りたい/研究したいから

私が博士課程へ進む一つ目の理由は、大学で出会った芸術作品・電池についてもっと研究したいからです。

市販の電池専門書の内容を全て掌握するのはもちろんのこと、自分の手で教科書の続きを書き足したいという野望もあります。

私は研究室でたくさん実験し、”自分で新たな知見を編み出す喜びの味”をたくさん噛みしめてまいりました。

過去の知見を学ぶB3までの勉強もそれなりに楽しく感じられたものの、B4から始まった知識の創造は別次元の喜びを感じられるため、(この楽しい時間をもっと長く過ごしたい、B4~M2の3年間じゃ全然足らない!)と思った結果、博士課程への進学を決意するに至ったのです。

当然ながら、企業へ研究職として入社しても似たような思いを味わえるでしょう。

ただ、就活してみて企業より大学の方が研究に対する自由度が圧倒的に高いことを身をもって感じたし、そもそも自分ではなく会社 (正確には株主)のために頑張れるか正直微妙な所ではあるので、博士課程で研究を最大限楽しみ、それからの進路はD2 or D3になってから考えることに決めました。

これまで電池と三年間付き合ってみて、研究すればするほど分からないことが増え、

かめ

あぁ、自分ってホントになんも知らないんだなぁ…

と己の卑小さに日々気付かされっぱなしです。

博士課程入学後は今まで以上に電池と熱心にデートを重ね、博士号取得時には今より少しでも電池の魅力や面白さを語れればいいなぁと思っています。

自分が世界一詳しい分野を己の手で開拓し、その自信を今後の人生の糧としたい

博士課程での目標のひとつは世界一になることです。

たとえどれだけニッチでも、「自分が世界一詳しいんだぞ!」と胸を張って言える分野を己の手で開拓したいのです。

私は中学時代に馬術競技で国体優勝を経験したものの、そこからジュニアオリンピック→ワールドカップ→オリンピックとステップアップできませんでした。

たった一度しか日本一になれず、世界にはかすりもしなかったため、活躍の場を研究に移し、馬術で叶えられなかった世界一への思いをココで昇華させておきたいのです。

たとえ瞬間的にでも世界一になれれば、”間違いなく自信になる”と確信しています。

私は馬術にせよ大学受験にせよトコトン中途半端で終わってしまった人間のため、このタイミングをラストチャンスとし、世界一になった自信でもって己の生き方を変えてみせます。

私は中学生の時に英語で学年270人中260位を取り、eyeを「イゥイ」と読んでいたほどのアホ学生です。

そんなアホでも覚悟を決めれば世界一になれると、この3年間の博士生活で身をもって証明するつもりです。

自分の基礎研究で日本の電池産業に微力ながら貢献したい

私は博士課程で次世代型蓄電池の基礎研究を行います。

この研究が電池業界の役に立つかは正直よく分からないし、日の目を浴びるタイミングがいつになるかも全く見通しを立てられません。

もしかしたらそれは20年後かもしれないし、ひょっとしたら私の死後かもしれません。

明確に実用化の目途を立てられる応用研究とは対照的に、未来へ産業のタネを蒔く基礎研究は地味で華のない所業なのです。

日本では”役に立つ”を追い求めるがあまり、基礎研究がなおざりにされがちです。

この傾向が続けば日本がどんどん衰退するため、私が人柱として博士課程在学中に必死で研究することにより、微力ながら次世代電池の土台形成に貢献したいのです

強固な基礎がなければその上に応用を積み立てることは全くもって不可能だし、電池産業までChinaやAmericaに先を越されてはいよいよ日本が危なくなります。

私は日本が大好きなので、

  • 我が国の電池産業を少しでも助けるため
  • 日本の俊英たちが少しでも早く次世代蓄電池を開発するのに必要な知見を生み出すため

これからの3年間は死に物狂いで研究に打ち込み、次世代にバトンタッチしたいと思っています。

最後に

私が博士課程へ進学する一つ目の理由は、電池についてもっと知りたいからです。

二つ目の理由は長期留学に挑戦したいからなのですが、それについては次の記事にて書こうと思っています。

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