北大博士課程を一年短縮修了した技術開発エンジニアかめです。
大学院修士課程のとき、JASSO第一種奨学金を使って積立投資をしていました。企業就職後から再び積立投資を再開し、月に何万円かを株式投資に費やしています。
積立投資銘柄に選んでいるのは全世界株インデックス。通称「オルカン」と言われているヤツです。オルカンを買うだけで、世界数十か国の主要企業へ分散投資可能。購入はカンタン。証券会社ホームページでオルカン投資信託をクリックするだけ。ものの数ステップで全世界へ投資できるだなんて凄い。
主要インデックス銘柄には、オルカン以外にも、アメリカのS&P500指数があります。日本でのS&P500人気も根強いです。米国株へ投資していらっしゃる方の大半がS&P500投資家。S&P500指数は、どれだけ下がってもその都度上がってきました。その歴史が積立投資家へ安心感をもたらすがゆえの人気でしょう。
私が積立投資を始める際、オルカンとS&P500のいずれを投資対象にしようか考えました。結局、選んだのはオルカン。今のところ、その決断に後悔はありません。今後もオルカンへ投資し続けるつもりです。
この記事では、積立投資対象にS&P500ではなくオルカンを選んだ理由を話します。
- 株式投資に興味がある方
- オルカンとS&P500のどちらにしようか迷っている方
こうした方々にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

それでは早速始めましょう!
株式市場の覇者が歴史的に移り変わってきたから


1900年から2023年までの国別企業時価総額推移を上に示します。
1900年の覇者はイギリスでした。産業革命や奴隷貿易の恩恵を享けて最盛期だったのです。しかし、20世紀初頭からアメリカが台頭し始めます。経済規模の成長や技術革新、ブレトンウッズ体制によるドルの基軸通貨化などで米国が覇権国に。その次にブームが来たのは日本。高度経済成長に支えられてイケイケドンドンで時価総額を伸ばす。ところがバブルが崩壊して、首位の座からアッサリ転がり落ちました。以来、2位以下の順位変動はあれども、一位の座をアメリカが占めてきています。
このように、世界の覇権国は歴史的に移り変わってきています。イギリスの次はアメリカ。アメリカの次は日本。その次はアメリカ。じゃあその次は? こう考えていったとき、将来はアメリカ以外の国が覇者になるのではないかと感じました。候補国となりうるのはチャイナかインドでしょうか。
今後も米国企業が伸びていくのは間違いないでしょう。世界中からお金と優秀な人が集まる風土はそう簡単には失われません。しかし、アメリカ以上に大きく成長する国があるかもしれません。ひょっとするとアメリカが伸び悩む可能性も。ペトロダラー体制の牙城が崩れ、ドルの基軸通貨としての立場が危うくなっていますから。どの国が次の覇者になるかは分かりません。アメリカが覇者であり続ける可能性もある。そうは問屋が卸さない可能性だってある。
果たしてアメリカだけに投資していて良いのでしょうか?米国への投資だけでは、利益を取りこぼしてしまいやしないでしょうか? S&P500へ投資した場合、ハッピーになれるのは米国が成長した場合だけ。オルカンへ投資していれば、どこの国が栄えても利益を享受できるでしょう。オルカン投資者は、米国が成長しても嬉しいです。なぜなら、オルカン構成銘柄の約6割が米国だから。
今後、どの国が大きくなったとしても、オルカンに投資していれば大丈夫。覇権国が移り変わるたびにポートフォリオを組み直す面倒さを回避すべくオルカンを購入しました。
アメリカだけに投資していては分散投資にならないから


株式投資は「分散」が基本。投資銘柄を様々なセクターへ分散しておくことでリスクヘッジとします。ITへ投資するならメーカーにも投資する。安全のために他分野の株も買っておく。分散は国単位でも行うべき。1990年代以降の我が国のように、景気が国単位でどん底まで落ち込んで停滞するケースがありますから。
米国S&P500銘柄は、みな世界中へビジネス展開しています。世界が発展すればするほど米国企業も恩恵を享けられるシステム。しかし、S&P500銘柄の「本社」はアメリカにあるでしょう。株価がアメリカ国内の景気に左右されるのは間違いありません。もしも何らかの要因でアメリカが傾けば、S&P500指数はがた落ちします。分散投資できているように見えて、実はアメリカの情勢へ大きく依存しているのがS&P500投資なのではないでしょうか。
米国が傾くときは世界が傾くとき。S&P500だろうがオルカンだろうが株価は急落しているでしょう。失われた30年の国に住む人間として、”落ち込んだ景気はそう簡単には復活しないのではないか”との懸念を抱いてしまいます。もしも米国へ失われゆく三十年が訪れたら? S&P500投資家だったら、横ばいで推移する指数を涙を流して見守るしかできません。
米国が停滞している間、チャイナやインドが急伸して覇権国になるかもしれません。あるいは、我らがジャパンが不死鳥のごとき復活を果たし、一躍覇権を取り戻す可能性だってあります。米国だけへの投資だと、米国以外の国の成長を完全にはカバーしきられませんよね。株価を米国だけに委ねるのは危険ではないかと感じました。自分は将来的に経済的独立する予定。自立の如何を賭けるなら、たった一か国の趨勢よりも全世界の成長に賭けたかったのです。
最後に
オルカンへ投資すれば、米国が落ちようが栄えようが、必ず利益を得られます。米国一国以外へも投資して、適度に保険をかけつつ世界経済の成長に期待できるのです。自分の感覚だと、S&P500への投資は集中投資になってしまってハイリスク。オルカンならまだマシ。だからオルカンを買いました。
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