動画隆盛期でもブログを選ぶ。言葉を紡ぎ続ける4つの理由

北大と国研で研究している化学系大学院生かめ (D2) です。学部三年次の2019年4月からブログ発信を始め、2025年でブロガー七年生になりました。これほど長く続けられた趣味もさほど多くはありません。大抵のことは一か月もたずに辞めてしまいます。ブログは妙に自分の性に合っていたらしい。続けるのが全く苦でないどころか、時間があればブログの編集作業にかじりついているほどです。

一時期、配信媒体をブログではなくYouTubeに切り替えようかなと考えていたことが。YouTuberのあまりの儲かりっぷりを見て羨ましく思ったのです。また、今は文字よりも動画の時代。テキストベースの媒体よりもムービーの方がより好まれます。事実、ブログ市場規模の伸びが頭打ちになっているのです。おそらくはもう、規模的には動画市場の方が大きいのではないでしょうか。今後、生成AIの発達により、WEB上での文章発信の価値が目減りしてしまうかもしれません。自分はそれを承知でブログ発信をしています。

この記事では、私がなぜ頑なにブログでの情報発信にこだわるか解説します。私のブログ運営に関心をお寄せの方にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

かめ

それでは早速始めていきましょう

目次

自分の思い描いていたイメージをうまく言語化できた快感を味わいたいから

自分は文章が大好きです。人の書いた文章を読むのも好きだし、自分で文章を書いていくのも好き。ひょっとしたら活字が好きなのかも。月に必ず十冊は本を読むほど本が好きだから。本を一日読まなかったら落ち着きません。一週間も読まなければ頭が変になります。身体が活字を求めてやまないのです。私の心の平穏は、活字を大量摂取でかろうじて保たれている感じ。

読むのと書くのとではどちらが好きか。おそらくは書く方が好きでしょう。ブログはもちろん、研究でも仕事でも、頭の中で考えていることを整理するために思考回路を文字起こしする。記す前は朧気だった思考がライティングにより明瞭になってくる。自分の思い描いていたイメージをスッキリ言語化できた瞬間が最高。「そうそう、コレコレ!コレが言いたかったの!」と首がもげて転がっていきそうなほど激しく頷きます。ブロガーとして日々文筆していると、記事を書くたびに最低一度は上記の【言語化できた快感】を味わえます。頭をひねって物事を考え、絞り出した語彙の結晶が思考回路の触媒として私を恍惚とさせてくれるのです。

YouTubeでは動作や表情で言語化を怠れる場面があるのかもしれません。ただ、言葉だけが武器のブログではそうは参りません。どのような局面でも言語化しなければ読者に何も伝えられませんから。我々ブロガーは言語化する絶え間ない努力を求められています。このことを苦しいと思う方もいらっしゃるでしょう。私にとってはちっとも苦しくはありません。言いたいことをスッキリ言え表せぬもどかしさはある。それを苦しいと思わず、自らに課せられた試練なのだと受容し、乗り越えた末の快感を味わうために来る日も来る日も文章を記しています。

情報をより短時間で、ストレス少なく伝えられるから

NHKのアナウンサーが原稿を朗読するスピードは分速300ワードと言われています。3000文字話そうとするなら約10分間を要するわけです。10分の動画を1.25倍速で見れば8分。1.5倍速で見るなら7分弱。2倍速でも5分はかかります。動画だと複雑な内容の理解度は増す一方、長い長い視聴時間がかかってタイムパフォーマンスに陰りが出るでしょう。

日本人が文章を読みほぐす速度は分速1000ワードだと言われています。読書慣れしている方や速読の訓練を積んだ人間だと分速2000~3000ワード読める。標準的日本人が3000文字のブログを読むのにかかる時間は3分。読むのが早い方が読んだら1.5~2分で読み終えられてしまう。そう、動画よりもブログの方が情報をより短時間で伝えられるのです。一つの情報を知るために要する時間はテキストベースのブログの方が短くて済む。情報発信者の一人として、ユーザーさんには「時間を大切に使っていただきたい」との思いがあります。動画よりもブログの方がユーザーさんの時間消費量を抑えられる以上、発信の舞台へブログを選ぶのは当然なのかもしれません。

さらに、動画とは違い、ブログでは自分の理解速度に合わせて読み進める速さに強弱をつけられます。ユーザー側は、クリエイター側の設定した進行ペースに追随する必要がありません。重要そうではない所は読み飛ばす選択肢も。重要そうで複雑な箇所はじっくりと精読、あるいは何度も読み直して理解を試みることができる。自分にピッタリな進行速度へと調整可能なおかげでストレスフリーに情報収集可能。YouTubeや動画教材を見てイライラしがちな自分でも他人のブログを読むときは楽しいです (*≧∀≦*)

ブログの方がコンテンツ作りが楽だから

YouTuberってすごいなと常々感じます。記事を作るより動画を作る方が何倍も大変なのですから。

ブロガーの仕事は文章を書くまででおしまい。取材やネタ集めの時間は多少かかるけれども、自身の体験を綴るだけならパソコンを起動した瞬間に仕事へと取り掛かれるでしょう。YouTuberの負担は段違い。台本を作り、原稿を記し、動画を撮影して編集する。ブロガーなら既に仕事が終わっているであろう原稿作成の段階では、コンテンツはまだ欠片も出来ていません。むしろ、そこからが本当のスタート。何時間もかけて動画を撮影し、さらに何時間も費やして編集していく。10分動画を一本作るのに5時間以上もかかるそうです。3000文字のブログ記事を作るのに必要な時間はわずか1~2時間。5時間もあったら記事を2つ書けます。生成AIを使ったら7~8本は書けるかもしれません(使わないけれども)。

動画よりもブログの方がコンテンツ作成は圧倒的に楽。学業や研究、仕事との両立を図るにあたって、コンテンツ作成時間を短く抑えられるブログの方が自分には適していました。会社員YouTuberって本当にすごいですよ。仕事もYouTubeも相当ハードなはず。よくもまぁ両立できるものだなと感心してしまいます。

苦手な音がある方へでも文章でなら伝えられる可能性があるから

自分は特定の音を脳で処理するのが困難な『ミソフォニア』という病気の持ち主。鼻をすする音、痰の絡んだ咳払いの音、歌手の息継ぎの音などが耐えられません。YouTubeでは、トリガー音を発さないクリエイターの動画しか視聴できないのです。ズルズル・スンスン無遠慮に鼻をすすりながら話す人だと分かった瞬間にチャンネルを変える。現代の歌手は息継ぎ音が大きすぎて辛い。息継ぎ音がまだ抑えられている昭和・平成初期の歌しか安心して耳を傾けられない。ミソフォニアは、治療法がまだ発見されておらず、対処療法しか見つかっていない脳障害。自分は今後、この病気と一生闘い続けなければなりません。

当サイト『札幌デンドライト』では、ミソフォニア関連の記事を20本以上収録済み。特定の音に耐えられない自分が大学受験や大学・研究室生活を乗り切った技術について詳説しています。自分がクリエイターとして発信するにあたって、ミソフォニアに関する発信は是が非でも行いたかった。自分と同じくミソフォニアの方を助けてあげたくて仕方がなかったから。私は受験生当時、「ミソフォニア」という言葉すら知りませんでした。ミソフォニアの情報がまだ充実していなかったからです。少しでも情報を充実させるのが自分の使命。ミソフォニアで困っている日本全国の方を助けるために日々情報発信しなければなりません。

私が特定のYouTuberを忌避するように、ミソフォニアの方にも視聴するのが無理なYouTuberがいらっしゃるはず。人の登場する動画を見るのでさえ怖くてたまらない方さえいらっしゃるかも。私が仮にYouTuberとなった場合、音に最大限配慮したコンテンツ作りを心がけます。鼻をすするだなんてあり得ません。咳払いや息継ぎの音は全てカットしてお送りします。ただ、私にとってはなんてことはない音であっても、他のミソフォニアの方にとっては不快極まりない音である可能性が。ミソフォニアの方を助けたくて作った動画でミソフォニアの方を傷つけるだなんて酷すぎる。

その点。ブログならミソフォニアさんでも安心。ブログはテキスト。言葉が脳内で奏でるハーモニーしか聞こえません。相手を音で傷つける要素が皆無。クリエイター側の私は存分に分筆できますし、ユーザー側の皆さんも安心して記事を開けるでしょう。苦手な音がある方にでも自分の想いを伝えられる可能性があるのがブログ。YouTube視聴で疲弊した方の受け皿になれるのは、この媒体をおいて他にはありません。

まとめ

ブログにこだわり続ける理由は明確。それは「言葉を紡ぐ歓び」という、魂の奥底から湧き上がる情熱があるからです。朧気な思考が言語化される瞬間の恍惚感。”そう、これが言いたかったんだ!”という発見の興奮。この知的な快感を求めて、私は今日も文章を書き続けています。

確かに、YouTubeの台頭や生成AIの発展により、文章の価値は変化しているかもしれません。しかし、それは決して価値の低下を意味しないでしょう。むしろ、人間にしか描けない文章だからこそ、より本質的な価値があるのです。読者は自分のペースで理解を深められ、音や映像に煩わされることなく、純粋に「言葉」だけで想いを受け取ることができます。YouTubeは確かに魅力的です。あんなに大金を稼げるならちょっと試してみたくもなります。それでも私は今後もブログを書き続けるでしょう。なぜなら、それが私の魂から紡ぎ出された言葉であり、最も自然で安心な表現手段だからです。

また、ミソフォニアを抱える方々にとって、ブログは安全な避難所となり得ます。私は皆さんの心に、静かに、でも確実に寄り添える場所を作りたいのです。コンテンツ制作の容易さも魅力の一つ。それ以上に、「誰かの役に立ちたい」という想いこそが、私をブロガーとして駆り立てる原動力なのです。

これからも一文字一文字に想いを込めて、ブログを通じた発信を続けていきたいです。来年も、再来年も、当サイト『札幌デンドライト』と末永くお付き合いください。新年、あけましておめでとうございます。

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