こんにちは!札幌と筑波で電池材料研究をしている北大化学系大学院生かめ (D1)です。2017年3月に北大の総合入試理系 (総合理系)・総合科学選抜群へ次席入学し、翌年3月、第一志望だった工学部・応用マテリアル工学コースに移行しました。
この記事では、私がかつて属した総合理系について解説します。
- 総合理系/文系ってなに?
- どんな学部が人気なの?
- 高い移行点を取るにはどうしたらいいの?
こうした疑問を解消できる記事なので是非最後までご覧ください。
それでは早速始めましょう!
総合理系とは?
総合理系とは北大で所属する学部を北大へ入ってから選べる仕組み。東大の理科〇類と仕組みはほとんど同じです。
入試のときは5つの選抜群 (数学重点、物理重点、化学重点、生物重点、総合科学) に分かれて受験生をふるいにかけます。しかし合格後、全ての選抜群は『総合理系』として一つの枠組みに統一されるのです。どの選抜群を選んで入学しようが進路振り分け時にどこへでも行けます。生物重点から理学部物理学科、数学重点から獣医学部への移行も制度上可能。文系学部への配属さえOK (学部の勉強について行けるかは学生のやる気次第!)。文系学生が受けねばならない科目さえ履修してしまえば良い。ただし文系移行枠はごく僅か。私の年だと各文系学部への総合理系からの移行枠は5枠でした。
総合理系から文転しようと思えばできます。ただ、移行枠が限られているので、希望学部に移行できるか否かが運に大きく左右されるのが懸念点です
総合理系の人気学部は?
総合理系の人気学部はズバリ、農学部です。総合理系入学者の大半が入学当初は農学部志望。
私自身、最初は農学部志望でした。北大は札幌農学校にルーツを持つことから農学部は北大の看板学部だし、雄大な大地で農業の勉強をするのはイメージ的にも気持ちが良いから。ただ、前期、後期と時が経つにつれ農学部志望者が減っていきます。人気学部へ移行するには好成績が必要であり、思い通りの成績を取れずに「やっぱ無理そうだな…」と諦める方が続出するため。また、大学で必修の『生物学』へついて行けずに農学部志望を諦める人も。私の場合はコレでした。高校で生物を習っていなかったせいか、覚える量があまりに多くて青息吐息になっていたのです。もしも農学部に入った場合、こうした生物の学習を今後も続けて行くということになります。そんなの絶対耐えられない。という訳で生物の勉強をしなくても済む工学部へと進学しました。
最近のAI技術の勃興に影響されたのか、工学部の情報系学科の人気が急上昇しています。私が一年生だった頃はそこまでの人気はありませんでしたが、ここ2~3年で急に志望者が増えてきて人気を集める学科になったようです。
私がもしも一年生に移行先を何かアドバイスするとしたら、「ブームに流されることなく自分が心を惹かれる学科へ行こうね」と伝えたい。今でこそAIブームだけれども、ブームはバブル。決して長続きしないものです。機械ブームが訪れたと思えば化学のブームがやって来て、そいつらが全て去った時に今度は生物のブームが来る。世の中の摂理は諸行無常。未来永劫栄える分野はどこにも存在しないのですから。”AIブームだから”と情報系を選んだ方は、ブームに終焉が訪れた際、大きな虚無感を覚えるでしょう。勉強内容に興味がないのに情報系を選んでしまえば地獄。逆に、今はブームじゃなかったとしても、自分の興味のある勉強ができる学科に行けば楽しく勉強することが可能。いずれブームがやってきます。その時に良い思いができるよう、学部時代にじっくりと力を蓄えておきましょう^ ^
高い移行点を取るには?
高い移行点を獲得するには
- 好成績を取りやすい講義を履修する
- 面倒でも毎回講義にちゃんと出席する(←できない人が意外と多い!)
- 情報ネットワークを張り巡らして講義の過去問を入手する
この3つを徹底してください。以下で一つずつ解説します。
好成績を取りやすい講義を履修する
当たり前の話、良い成績を取りたければ、”良い成績を取りやすい講義”を選んで受ければ良いのです。必修科目の講師は選べない。当たり外れがかなり激しく、同じ講義名なのに同じ評定を得る労力が倍以上も異なる講義だってある。しかし、選択科目なら選び放題。 初回講義へ試しに出てみて、(この人、何となく厳しそうだなぁ…) と思えば受けなくて構わないのです。自分の興味の赴くままに講義を何気なく選ぶより、AやA+を取りやすいと分かっている先生の講義を選ぶべき。興味のある勉強は家や図書館で自主的にすればOK♪
ちなみに北大は昨年度の全講義の成績分布を公開してくれています [成績分布WEB公開システム]。自分の受けたい講義の成績分布を確認してから履修するようにしましょう!
面倒でも毎回講義にちゃんと出る
せっかく大学生になってまで講義へ出席するのは面倒でしょう。20歳前後は遊びたい盛りだもの、講義へ出るより友達と出かけたりゲームしていたりする方が楽しいですよね。私自身、一年次のころ講義へ出るのが面倒でたまらなかったもの。”隙あらば抜け出しサボってやろう”と常に様子を伺っていたほど。
高い移行点の獲得を目論むのなら、私のようにサボってはいけません。いくら面倒でも毎回講義にきちんと出席しておくのがオススメ。というのも、一年次に受ける講義の大半には【出席点】が設けられているのです。講義に出るだけで点数になる。逆に出なければ点数をもらえない。0.01点を競う総合理系で出席点のロスが致命傷になることも。「あの時講義に出ておきゃよかった…」と後悔しないために全講義へのご出席を!
出席点が全得点のうち5割を占める講義まであります。つまり、全ての回の講義に出るだけで単位GETがほぼ確約される仕組み。北大にはこうしたゆるくて面白い講義が探せば沢山見つかります。興味があれば入学後、シラバスをくまなく調べてみて下さい♪
情報ネットワークを張り巡らして講義の過去問を入手する
高校までのテストとは異なり、大学で受けるテストの成績は自身の情報網の広さで決します。体感として、地頭の良さ:情報網=3:7ぐらいの割合ですかね。とにかく過去問を入手してください。あればあるほど有利ですよ。
学生さんはもしかしたらご両親から聞いたことがあるかもしれません。「大学のテストは過去問とほとんど同じ問題が出題される」と。コレ、本当の話なんです。昨年度の問題が数字を変えたり語句をいじったりされてほぼそのままの形で出てきます。ならば過去に出された試験問題を事前に解いておく方が有利でしょう?試験本番に初めて解くよりよっぽど良い得点が得られます。
もしも過去問が得られない場合、過去問を持つ人と著しい情報格差が生じます。情報格差は得点格差に、そして移行点格差に直結するのです。皆さん、受講している講義の過去問を是が非でも集めて貯めておいて下さい。部活やサークルやバイトの先輩、それかクラスの友達に泣きつきましょう。私の場合、一年次は部活もサークルもバイトにも何一つ手を付けていませんでした。このままでは過去問を入手不可能な態勢だったため、クラスで知り合った友人にお願いして過去問を融通してもらいました。その代わり、私からその友人へ試験の模範解答を無償提供。互いに好成績を獲得でき、一年次の春、二人とも希望学科へ移行できました (*≧∀≦*)
自らが集めた過去問や模範解答は大事に保存しておきましょう。いつか皆さんに後輩ができたとき、過去問を渡して助けてあげられるように
筆者の一年次の成績は?
えっ、「これだけブログで偉そうに言っているお前の成績はどうなんだ、見せてみろ」って?そうですか、そんなにご興味がおありですか (←誰も聞いていない)。分かりました、分かりましたって。そんなに怖い顔をしなくてもいいじゃないですか。
私の一年次に受けた全ての講義の成績を以下に添付します。まずは前期⇩
- 【必修】英語I:A⁻
- 【必修】英語II:A
- 【選必】スペイン語I:B⁺
- 【選必】スペイン語演習:A
- 【選必】英語演習:A
- 【選択】線形代数学I:B
- 【選択】微分積分学I:A
- 【必修】物理学I:A
- 【必修】化学I:A⁺
- 【必修】生物学I:A⁻
- 【必修】自然科学実験:A⁻
- 【必修】情報学I:B⁺
- 【選択】資源と環境:A
- 【選択】生活と化学:A⁻
そして後期⇩
- 【選択】統計学:B⁺
- 【選必】微分積分学II:A⁺
- 【選必】物理学II:A⁺
- 【選必】化学II:B⁺
- 【選択】心理学実験:B
- 【選択】地球未来学:2070年の人類存在環境:B
- 【選択】中国文学の食卓ー食で探る文化の流動:B⁺
- 【選択】こころの進化:A⁺
- 【必修】英語III&英語IV:A (前期のTOEFL-ITP成績による優秀認定)
- 【選必】スペイン語II:A⁻
一年次のGPAは3.77/4.3でした。良い方か/悪い方かと言われたら間違いなく良い方です。上・中・下で喩えてみれば『上の中』ぐらいの成績。私の年では農学部でも工学部の情報系学科でも行けるGPA。医学科と獣医学科以外ならどこへでも移行できました。
あと豆知識を一つ。北大では前期にTOEFL-ITP (トーフル-アイティーピー, 英語の試験)を受けさせられます。TOEFLである点数以上のスコアを獲得出来たら嬉しいご褒美が。後期の英語の講義2単位分を受講しないで済むのです。受けていないのにA、もしくはA+がいただけます。私の場合、良い点数を取れたのでご褒美のAをもらえました。真剣にご褒美を狙いに行く方は、北大合格後も英語の勉強を余念なく行っておいてください♪
最後に
北大の総合理系については以上。皆さんの進路選びや疑問点解消の参考になれば幸いです。
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