ミソフォニアの人の強み4選【天才・高い感受性】

北大化学系大学院生かめ (D2)です。鼻をすする音や咳払いの音など、特定の音を聞くと猛烈な不快感を催す『ミソフォニア (音嫌悪症)』という病気を持っています。

高校時代に発症してから10年以上、ずっとこの病気に苦しめられてきました。音は目に見えないぶん逃げようがなく、生活を振り回され続ける毎日です。他の人と同じような暮らしを営むことができず、もう生きていたくないと何度思ったかわかりません。

この記事では、厄介極まりないミソフォニアの強みに焦点を当ててみます。私と同じくミソフォニアに苦しんでいる方にとって、少しでも前を向くきっかけになればうれしいです。

かめ

それでは早速始めましょう

目次

細かい所によく気付く

ミソフォニアの発作を起こす際、トリガーとなる音の大小はまったく関係ありません。たとえどれだけ小さな音であっても、耳に入ればたちまちアウトです。

音に怯える毎日を過ごさなければならない大変な病気ではありますが、聴覚を中心に感覚が日々研ぎ澄まされていくので、細かいところへの気付きが常人離れして鋭くなります他人が見落とすようなタイピングミスに目が行きますし、世の中の小さな異変やデザイン上の違和感にもすぐ反応する。意識があらゆる方向に向けられているがゆえの感度ですね。

私も、ミソフォニアとの闘病で培われた敏感さが、大学院での研究活動に大いに活きています。実験データの考察、分かりやすいプレゼン資料の作成、学位を巡る指導教員との駆け引きなど、敏感さがプラスに作用する場面は想像以上に多い。

ミソフォニアの症状は当然ながら耐えがたいですし、この病気さえなければと何度思ったか知れません。ただ、病気の捉え方次第で逆用して活かせる部分もあるのです。希望を捨てず、少し見方を変えてみてほしいと思います(難しいけどね)。

音を大切に扱え、綺麗な音に感動できる

音の怖さを身をもって知っているからこそできることがあります。そう、音を大切に扱うことです。むやみやたらに音を発するのではなく、必要なタイミングで必要な種類の音を必要な分だけ出そうと、自然に意識が向きます。

今度、お近くのスーパーマーケットに足を運び、耳を澄ませてみてください。きっと音量全開のBGMがけたたましく流れているでしょう。私はスーパーで品出しのバイトを9か月間やっていましたが、バイトへ行くたびに、もっと静かに音楽を流せば購買意欲を上げられるだろうにと考えていました。ミソフォニアでなかったら、音が人の深層心理に及ぼす影響に気付かないままだったかもしれません。なかなか気付きにくい音の大切さを知れたことは、ミソフォニアがくれた数少ないギフトです。

また、綺麗な音が聞こえたとき、目を閉じてうっとりと聞き惚れることもできます。チェロやヴァイオリンの音色なんてもう最高で、音が細胞の隅々にまで染み込んで、傷ついた身体を修復してくれるような感覚があるのです。 毎日ヘトヘトになるミソフォニアだからこそ、綺麗な音に思いきり感動して、明日への活力を得られるのではないでしょうか。

感受性が極めて高い

嫌な音が聞こえた瞬間、自分の意図とは無関係に激情にかられるのがミソフォニアの特徴です。突然腹が立ったり、深く悲しくなったりする。常人と比べて感情の上下動が著しく大きく、私の場合は歳を重ねるにつれて振れ幅がさらに広がっているように感じます。

普段から否応なしに感情の揺れ動きを経験しているためでしょうか、嫌な音とは無関係な場面でも感情の振れ幅が大きくなります 嬉しい場面では身体から溢れんばかりの興奮に包まれますし、悲しい場面では涙が出るほどの深いショックを味わう。

世界大会で優勝するほど喜んだ1時間後に、長年の恋人から突然フラれたような絶望感を味わうようなもので、正直かなり疲れます。ただ、常人よりも人生がドラマチックになるぶん、ある意味では楽しくて幸せなのかもしれません。まぁ、波のない凪みたいな時間が欲しいのは間違いないんですけど、それが望めない以上は波乱万丈さを楽しむしかありませんよね。

頭がいい

ミソフォニアに苦しんだ有名人として、ダーウィンやカフカ、プルーストなどが挙げられます。いずれも超がつくほどの天才で、ダーウィンは自然科学分野、カフカやプルーストは文芸分野にて燦然と輝く金字塔を打ち立てた人物です。ミソフォニアを患うと、人とは異なる感覚が芽生え、天才レベルの才能が育つのかもしれません

データや論文で裏付けられた話ではなく、あくまで憶測ですが、ミソフォニアの方は常人よりも頭が良い傾向にあります。だって、これだけ毎日強烈な負荷が頭に掛けられているのですから、普通の人より思考回路が発達していてもおかしくないでしょう。

少なくとも私自身は良い方でした。北大へは次席入学しましたし、博士課程は一年飛び級して首席修了しました。

最後に

ミソフォニア(音嫌悪症)の強みを4つ紹介してきました。ミソフォニアは間違いなく辛い病気ですが、強みとして活かせる部分もあります。同じ病気に苦しんでいる方に、この記事が少しでも力になれていたらうれしいです。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • たった今、YouTubeのショート動画を見ていて、小学4年生からずっと苦しんできた事が、ミソフォニアだったと初めて知りました。47年間ずっと1人で悩んできました。
    両親からはキチガイ扱いされ、ある職場では面白半分にからかわれ、気が狂いそうになり、もう鼓膜を破るしかない!と絶望する事もありました。まさか同じ症状の人達が、そんな昔からいたなんて、、、
    この症状に嫌がらせする輩がいるので、絶対にバレないよう我慢に我慢を重ねてきました。人間が大嫌いになりました。ここにコメントすることさえ躊躇しました。
    でも、やっと苦悩を理解して貰えると思いコメントさせて頂きました。
    私のように悩んでいる人が、1人でも多く守られますように。

    • nkさん

      札幌デンドライト管理人のかめです。コメントいただき、ありがとうございます。

      ミソフォニアに何十年も苦しんでこられたのですね。同じ症状に苦しむ者として、nkさんが味わってこられた辛さを思うと胸が痛みます。これほど長く耐えてこられたnkさんには、心からの敬意を感じています。
      私も所属研究室で症状のことを面白おかしくからかわれることがあります。親からは症状を知っているのに、わざと目の前でトリガー音を出され、受験生時代には散々な嫌がらせを受けました(結局、浪人することになってしまいました)。苦しむ人の気持ちを無視して、言葉と音の刃を向けてくる人には辟易とさせられますよね…
      nkさんと同じく、私も「音に優しい社会」になることを願っています。そんな社会を作れるよう、これからも情報発信を続けていきたいと思います。

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