研究力向上に直結する学習アプローチ【盤石な知的基盤の築き方】

「研究を進めるための勉強って何なのだろう?」
「勉強をどう研究成果に結びつけたらいいのだろう?」

この記事では、こうしたお悩みを解決できます。

北大と国研で研究している化学系大学院生かめ (D2) です。趣味は勉強。大学入学以来、毎日二時間以上の勉強を日課に取り組んできました。研究室配属後、勉強の質を変え、研究に役立つような形での勉強を継続しています。そのおかげか、学振DC1内定やトップジャーナルへの掲載、博士課程早期修了目前といった成果を出してこられました。

高校・学部までに必要な勉強と研究室配属後に必要な勉強は少々異なります。量ではありません。「質」が異なります。学部まではテストで点を取るための勉強だったのが、研究室配属後は研究を進捗させるための勉強が求められてくるのです。

この記事では、勉強は勉強でも研究室配属後に必要な勉強について解説します。研究を進めるための勉強法でお困りの方にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

図解本と専門書の効果的活用

深い専門知識は研究活動の要です。これなしでは実験計画も立案できません。文献調査も困難です。ゼミでの議論にも参加できないでしょう。

まずは図解本から始めましょう。図解本は分野の全体像を把握するのに最適です。視覚的な説明で複雑な概念も理解しやすいのです。概要を理解したら専門書に進みます。専門書は一冊を徹底的に読み込むことが重要です。

英語の専門書は特に重要な学習材料となります。多くの方が英語に苦手意識を持っているかもしれません。しかし、実は英語の専門書の方が理解しやすい場合が多いのです。説明が論理的で図表も充実しており、さらには最新の研究成果も反映されていでしょう。各章末の演習問題も実践的。英語の専門用語の正確な使用法も同時に学ぶことができます。

最新動向の把握と研究戦略の構築

専門知識の基盤が整ったら、いよいよ論文読解に取り組みます。論文は最新の研究成果の宝庫ですが、その内容を鵜呑みにすることなく、常に批判的な視点を持って読まねばなりません。

論文の読み方には効率的な手順があります。まずはアブストラクトと結論に目を通し、研究の概要を把握します。その後、実験方法を確認して手法の妥当性を検討する。最後に結果と考察を精読して論理の飛躍がないかを注意深く確認。問題がなければ、本文を何度も読み込んで己の血肉とするのです。

論文を読むのは、研究手法の習得が目的の一つ。実験のセットアップや新しい測定技術、データの解析方法など、自身の研究にも応用できる要素に特に注目して読み進めていきましょう。また、研究トレンドの把握も欠かせません。いま注目されているテーマや将来有望な研究領域を見極め、自身の研究の位置づけを明確にできるでしょう。さらに、競合研究室の動向分析も必須です。似たようなテーマに取り組む研究室の進捗状況を把握し、研究の重複を避けながら独自性を打ち出す戦略を立てていく必要があるでしょう。

言語運用能力の強化

言語力は研究者にとって命綱。思考を深め、アイデアを整理し、成果を発信するための重要なツールです。言語運用能力の絶え間ない強化が研究活動の質を大きく左右すると言っても過言ではありません。

英語、英語とうるさい世の中。外国語よりもまずは日本語力の向上から取り組むのをオススメします。母国語の十分な力がなければ、外国語をどれだけ学んでも無駄です。物事を考える基礎のなる日本語力を強化してから英語を学びましょう。日本語力の強化には、昭和以前の美しい日本語が記された純文学作品が理想的。私は夏目漱石の前期三部作が好きでした。語彙力を大幅拡充できたほか、「三四郎」で青年の成長を、「それから」で人間の葛藤を、「門」では深い人生の洞察を学べたのです。

日本語力をしっかりと鍛えてからようやく英語力の強化に着手します。スピーキング力を鍛えるには瞬間英作文。英文読解には論文を読み込みましょう。リスニングはYouTubeを使ってタダで行ってください。毎日15分程度の継続的な練習が着実な成果につながるでしょう。

正直言って、英文ライティングを学ぶ必要性は限りなく低いです。我々がどれほど英語を頑張って学んだとしても、生成型AIの紡ぎ出す英文の方が明瞭でスッキリとしています。論文執筆では生成AIへガッツリ頼りましょう。一生懸命作った日本語原稿をAIがものの5分で英語化してくれるでしょう。生成型AIの紡いだ文章に問題がないかを見定めるチェック力が必要です。最低限の英文読解力はAI隆盛期の今でも欠かせません。

創造性の育成

創造性は研究の原動力。研究の行き詰まりを打開し、新たな研究テーマを発想し、独創的な視点を生み出すための重要な要素。創造性を育むには、芸術との積極的な対話が効果的です。

クラシック音楽の鑑賞は、特に手軽に始められる実践方法の一つです。高周波音が脳をリラックスさせ、新しい発想が生まれやすい状態を作り出してくれます。YouTubeなどの動画配信サービスを活用すれば、いつでも気軽に取り組むことができるでしょう。美術鑑賞も創造性の育成に大きく貢献します。一つの作品を多角的に観察し、異なる解釈を試みることで、固定概念から解放されて新たな視座を得られるでしょう。定期的に美術館へ足を運んでみて下さい。皆さんにとって大変有意義な時間となるでしょう。

創造的な思考は、日々の訓練の積み重ねから磨かれていきます。異分野の書籍を読むのも良し。展覧会に足を運むのも良い。奮発してコンサートを聴きに行くのもアリでしょう。このように、様々な刺激を積極的に受け入れていく姿勢が研究力向上に欠かせません。

研究視野の拡大

「研究室」は閉じた環境。ここに居続けたらどうしても視野が狭くなりがちに。同じような議論の繰り返しに陥り、新鮮な刺激が少なくなって、研究者としての知的成長が停滞してしまう懸念があります。

そうした状況を打破する貴重な機会が学会発表。後援聴講を通じて最新の研究に触れ、異分野の研究者との交流を通じて新しい視点を得られます。質疑応答では思考力も鍛えられるでしょう。発表準備の過程でプレゼン能力が爆上がりするのです。また、国際学会でのポスター発表やオーラル発表は、世界中の研究者と直接対話できる貴重な機会。そこでの建設的な批判は、自身の研究の質を高める糧となるでしょう。

異分野との協働は、研究の視野を大きく広げる大チャンス。自身の専門とは異なる分野の研究者との対話を通じ、これまでにない斬新な視点や手法に触れられます。たとえば、化学系研究者が物理学者と議論すると、現象の本質的な理解が深まってくるでしょう。また、工学系の研究者との対話からは、研究の実用面での展開が見えてくるかもしれません。

このように、研究者としての視野は、研究室外へと活動の場を広げることで確実に広がっていきます。そこで得られる新しい視点や知見は、自身の研究を革新的な方向へと導く原動力となるはずです。

まとめ

研究を進展させるための勉強は、学部までの勉強とは本質的に異なります。

専門知識の獲得には図解本や専門書が不可欠です。特に英語の専門書は説明が丁寧で理解しやすい傾向にあります。基礎固めの後は論文を読み込みましょう。研究のトレンドや方法論を把握できます。また、競合グループの動向を注視し、研究の方向性を適切に調整するのが肝心です。

言語力も重要な要素。日本語力を磨いた上で、英語力の向上に取り組むことをお勧めします。創造性の涵養には芸術作品の鑑賞が効果的。特にクラシック音楽は手軽に取り組める素材として最適でしょう。そして何より大切なのは、研究室という閉じた環境から積極的に外へ出ること。学会発表や他機関での研究活動を通じ、新たな視座と刺激を得ることができます。

このような多角的なアプローチこそが、研究者としての成長を支える礎となるのです。研究を進捗させる勉強法でお困りの方の参考になれば幸いです。

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