こんにちは。札幌と筑波で蓄電池材料研究を行う工学系大学院生のかめ (M2)です。
B4の3月に国際ジャーナルへ筆頭著者として論文を投稿、出版した経験があります。
この記事では、学部生が海外雑誌に論文を出すメリットとデメリットについて解説します。
- 博士進学を視野に入れており、少しでも多く実績を積み重ねていきたい学部3・4年生さん
- 早熟な学生をご指導する大学教員の皆さま方
こうした方々にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧頂きたいと思っています。

それでは早速始めましょう!
メリット:3つ
学部生が論文を執筆するメリットは以下の3つでございます⇩
- 論文に載るレベルがどういうものか、肌感覚で会得できる
- 卒論の執筆がめちゃくちゃ楽になる
- 周囲から将来を嘱望してもらえる
それぞれについて、以下で一つずつ解説します。
”論文に載るレベルの実験結果”というものを早いうちに肌感覚で会得できる


一つ目のメリットは肌感覚に関してです。
論文を一本出してしまえば、今後自分が出した実験データをパッと見た際、



このデータならアレぐらいの雑誌には載るだろうな…
と、自分の今やっている研究のレベルが海外誌の求めるレベルか否かを感覚的に判断できるようになるのです。
ひとたびこの感覚が得られると、論文を次々に出版できます。
- どれぐらい頑張れば論文になるかが分かるので”闇雲に頑張る”ということが無くなりますし、
- (どうやったら高いレベルの成果を出せるだろうか…?)と論文出版前提の思考に変わりますし、
論文を仕上げるまでの障壁がどんどん下がり、みるみるうちに実績を積み上げることができるのです。
投資の世界には”複利”という考え方がございます。
複利とは”長く投資をやればやるほど利益も雪だるま式に増えていく”という概念であり、あのアインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだ強力な武器でございます。
もし学部時代に論文に関する肌感覚を会得できれば、その効果は複利の如く、研究室生活の時間経過に伴いどんどん膨れ上がっていくでしょう。
一本目の論文をB4で出すかM2で出すかで成長速度に天と地ほどの差がつきますので、博士進学を志す方なら学部時代に論文を一本出しておくと、博士課程にてものすごい勢いで成長できると思います。
卒論の執筆が非常に楽


二つ目のメリットは、卒業論文を書くのが超絶楽になることです。
投稿した英語論文を和訳し、ちょっぴり加工して貼り付けるだけで卒論が完成してしまうので、卒論を正味3日ほどで完成させられてしまうのです。
卒論執筆を早く済ませば、余った時間は自由に使えます。
- もっと研究したいなら修士課程へ向けて引き続き研究していけばいいし
- 一年間頑張って疲れたなら数週間ほど帰省して休んでもいいし
大学生活最後の時間を100%自分のものにできるのです。
私の場合、卒論はB4の12月中旬に提出しました。
卒論の提出期限は2月初旬で、12月初旬にはまだ研究室の同期の誰一人として卒論の執筆に取り掛かっていない状況でした。
同級生が卒論でヒーヒー言っている傍ら、自分一人だけ余裕でYouTubeを見るのは非常に心地良かったです笑
まぁ、後述するように英語論文を書き上げるのは超大変だったので結果的に私も苦労したのですが、(みんなより少し早めに春休み気分になれたのは代え難いメリットだったな…)と学部時代を振り返ってみて感じます。
周囲から”将来有望な奴だ”と期待してもらえる


3つ目のメリットは、周囲からめちゃくちゃ期待してもらえることです。
学部時代に学術論文、まして国際誌にて出版する学生などほぼ存在しないため、そうした突き抜けた人材の足を引っ張らず大切にしてくれる研究室なら将来を嘱望してもらえるのです。
今まで”学部生だから”と私をナメていた先生や先輩も、B4の3月に英語の論文を出した途端、態度がガラッと一変しました。
急に扱いが丁重になり、私を「すごいすごい!」とおだて始めたのです笑
なお、絶対に忘れてはならないポイントは、B4で論文を出せるのは自分ではなく”指導教員”が凄いのだという点であります。
まだ右も左も分からない学部時代に論文を出せるのは先生や先輩の指導能力の賜物だし、いくらB3やB4で論文が書けたからと言って調子に乗ったら成長が停止するため、先生や先輩には常に感謝し、やるべきことをコツコツ積み上げていくよう細心の注意を払って下さい。
ここまで学部時代に英語論文を出版するメリットについて解説してきました。
次の章からは、上記のデメリットについて3つ解説していきます。
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