材料メーカーの最終面接を控えていた頃、想定問答集を作って対策を行いました。聞かれそうな質問を並べて、自分ならどう答えるかを一問一答形式で書き出していたのです。面接官は三人を想定し、それぞれ違う角度から突っ込んでくる設計にしました。
本記事に挙げた質問はどの面接でも聞かれる定番のものばかりなので、これから最終面接を迎える方は、質問リストとしてご自由にお使いください。なお、面接官の人数も質問の流れも架空のセットアップであり、実在する企業の採用プロセスとは一切関係ありません。対策が功を奏したのか、結果的に内定をいただけたので、供養も兼ねて公開します。
かめそれでは早速始めましょう!
志望動機



札幌デンドライト株式会社のかめです。本日はよろしくお願いいたします



よろしくお願いします。今日はざっくばらんに、色々とお聞かせいただければと思います
まずは自己紹介を一分程度でお願いできますか?



かしこまりました
改めまして、かめと申します。幼少期から高校まで広島で過ごしたのち、大学から札幌に移り住みました。学部から博士まで北海道大学に八年間在籍し、日本学術振興会特別研究員DC1を経て、博士課程を一年飛び級修了して現在の会社に職を得ました



研究室では電気化学の基礎研究に取り組みました。模擬電池を作成して充放電させ、電池反応に伴い電解液中を移動するリチウムイオンの挙動が、電極表面でのリチウム析出形態にどう影響するか調査してきました。ラボでの研究成果は、複数報の査読付き英語論文として出版しています
現職では、業務用リチウムイオン電池の評価・設計業務を担当しています。日々電池を評価して性能の限界を見極め、電池特性を制御にどう織り込むか、様々な部署と協働しながら検討しています



ありがとうございます。広島から北海道というのは、また思い切って移動されましたね



そうですね、おかげで、暑さにも寒さにも対応できるタフさを手に入れました



それは頼もしい^ ^
では本題に入りましょう。弊社への志望動機を聞かせてください



電池を材料の観点からより良いものにしたいからです



材料の観点、といいますと?



現職では、業務用電池の劣化要因を電気化学的に分析し、その知見を制御モデルや製品側の設計判断へ落とし込んでおります。ただ、電池の仕様はサプライヤーさんが決める領域であるため、完成品メーカーに勤める我々の仕事は、仕様の固まった電池をいかに上手に使うか考えること、つまり運用の最適化が中心になります



そうか~、電池の中身は、もう決まったものとして受け入れるしかないわけですね



おっしゃる通りです
電池の評価に携われば携われるほど、電池の性能や寿命を決めているのは電池材料だなと感じられてきました。もちろん、電池を完璧に使いこなせれば100%の性能を引き出せますけれども、100%の壁は超えられません。100%はあくまで100%ですから



自動車にせよ、ドローンにせよ、フォークリフトにせよ、電動製品の性能を決めているのは電池です。だからこそ、材料の改善こそが電池性能を根本から押し上げ、製品全体の完成度にも良い影響を及ぼすと考えております。それならばと、素材の側から電池を良くする仕事がしたいと考えるようになりました



なるほどねぇ
先ほどお話されていたように、博士課程でも電池の研究をやられていたんですよね



はい。金属リチウム負極をターゲットに、リチウム析出挙動と電解液中のリチウムイオン輸送の相関性を研究していました。学生時代には国立研究所でも研究を行い、最先端の解析機器を用いて研究を進め、電池反応を化学メカニズムの観点から考察してきました



基礎研究と業務用電池実務の、両方をやってこられたと



おっしゃる通りです
御社の求人は、基礎研究で培った原理原則に基づく理解と、電池設計・評価業務で養った製品視点の両方を活かせると感じました。御社では、次世代電池材料の実用化に貢献したいと考えています。電池内部で起きる現象を深く理解したうえで、その知見を電池部材に織り込み、今までにない革新的な電池を作っていきたいです
転職動機



では、転職を考えたきっかけを教えてください



一言で言えば、設備です。現職には電池研究に必要な設備が揃っておらず、導入も計画されていません。このまま現職にとどまった場合、材料を研究できる見込みは薄いと判断し、転職を考え始めました



率直にお聞きしますが、それは入社する前に分かりそうなものでは?



新卒の就職面接では、今回と同じように電池研究開発のポジションを希望し、その領域で採用されています。面接後には工場見学をさせていただき、上長から「これから色々な設備が導入される」といった話も伺い、ここなら自分のやりたいことができそうだと確信して内定を受諾しました



では、入社までの間に何が変わったんですか?



事業環境です



詳しくお聞かせください



はい
外的要因で入社先の業績が悪化し、新規研究開発投資が大幅削減されました。私が配属される予定の電池事業領域まで縮小対象になったようで、入社する頃には、内定受諾前とは環境が様変わりしていました。さらに申し上げると、研究領域で採用されたと思っていたところ、配属先は量産開発部門でした



それは、お気の毒というか、
そこまでは読めないですよねぇ…



読めませんでした。念には念を入れ、入社先の決算短信まで精読すべきだったのかもしれません。また、次に就職活動をする機会があれば、事業基盤が盤石で、かつ確実に電池材料を研究できる企業に行こうと考えました









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