北大博士課程を一年飛び級で修了し、地元の民間企業へUターン就職した。故郷で腰を落ち着けて暮らそうと思っていたが、やりたかった仕事ができなかったことや、会社事業の将来性などを鑑みて、在職一年半で転職を決意した。
新卒就活では現職にしか応募せず、一打数一安打の打率十割でイチロー超えを果たした。転職活動も簡単に終えられると思っていたら、これがちっとも簡単ではなく、12社受けて9社も落とされた。打率が二割五分まで落ちたのだ。落とされすぎて、最後の方はもはや落ちても何も感じない無敵の人になった。どうもありがとうございます。
この記事では、転職活動で9社落ちて3社内定した話を受けた順に語っていく。転職活動のリアルが詰まっており、スーパーの魚売り場ぐらい生々しさ全開でお送りする。これから転職活動に挑む方はもちろん、転職の検討を加速中の方にもピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただきたい。
かめそれでは早速始めましょう!
①国立研究所:業績不足
現職からの転職を考えたキッカケは、就活時に研究職を希望していたにもかかわらず、いざ入社すると量産開発部門に配属されたからである。
私より研究業績のある方が研究部門に配属されたのならまだ納得できる。技研配属者の名前をネットで調べてみたら、そもそも皆さん修士卒で、論文ゼロ報の方もおられた。査読付き筆頭論文を六報記した私を差し置いて、なぜこの方々が研究所に行けるのか。
というか、研究したいですと言って採用してもらったのに、なぜ量産対応をさせられるのか。寿司屋に行ってわんこそばを食わされるようなもんだぞ。配属に対するモヤモヤが募りに募って、転職を決意した。
研究をやりたくて転職を決めた以上、確実に研究できる所に行きたい。研究所に行けば、さすがに研究をさせてもらえるのではないか。野球場に行ったら野球観戦ができるように、研究所なら研究に携われるだろう。ということで、国立研究所(国研)の求人を眺めた。国研には女性枠が跋扈していて、応募できそうな求人が限られていたなか、男でも応募できそうなポジションを見つけて応募した。
残念ながら、書類選考でリジェクトされた。正規職に就くには業績不足だったらしい。
研究者の公募には、博士課程修了後にポスドクとして多くの業績を積んできた猛者が集まる。企業に入ってから特許も論文も出せず、学会発表歴もない私は、実績不足も甚だしいわけである。国研からはポスドク応募への切り換えを打診されたが、いつ契約を切られるか分からない非常勤に就くのもしんどいので、辞退させていただいた。
②③自動車関連メーカーT社・D社:カレーは飲み物
他の国研に応募しようか考えた。検討のすえ、おそらくどの国研を受けても業績不足で落とされると思い、やめておいた。国研がダメなら、次は企業である。
私は電池材料分野で博士号を取った。一社目でも電池系業務をあてがってもらい、仕事とのミスマッチから転職を決めた。次の会社でも電池に携わりたい。電池を愛し、電池から愛されている、かどうかは知らんけど、電池が好きなので電池の仕事を続けたい。電池関連の研究ができるのは、電池メーカーと自動車メーカーである。
近年、自動車メーカーはEV化を見据えて電動化事業へ本格投資しており、電池研究の規模は電池メーカー以上だと聞く。学生時代も日系自動車会社が記した電池材料の論文によくヒットした。どうせ働くなら、充実した設備のもとで働きたい。充放電装置が何千とあり、壊れてもすぐ直してもらえ、失敗を許容してくれる包容力のある彼氏、じゃなかった企業で働きたい。
一社目では設備面で苦しい思いをした。論文購読料までカットされる有様で、研究者としての魂まで削られた。あれほど情けない思いをせずに済む場所へ行けたら、と心から願った。
自動車大手のT社には電池研究ポジションがあった。自動車への適用を前提としつつも、より良い電池材料を探索して様々なモビリティーへの搭載まで見据えているらしい。学会発表や論文出版の機会があるらしく、年収と福利厚生も素晴らしい。こんなの応募するしかないやん。書類を揃え、送信した。
T社と同時並行で、自動車部品のD社も受けた。D社にも電池材料研究ポジションがあり、国研へよく出入りしているらしいことから、本格的な仕事ができるのではないかと期待した。D社の求人もT社に勝るとも劣らない待遇が示されており、T社かD社のどちらかに引っ掛かればいいなと期待して応募した。
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T社からは3日で不採用を食らった。書類選考すら通らなかった。
T社からのメールには、ただいま募集していないポジションですのでと記されていた。募集中なのに募集中じゃないってことがあるのか。カレーを指さして「飲み物です」と言っているようなものではないか。カレーを飲み物だという人も居るかもしれないけど、私にはどっからどう見ても飲み物に見えるぞ。見えるんかい。
T社に続けてD社にも落ちた。落ちたというか、連絡がこなくて、落ちたかどうかも分からなかった。いわゆるサイレントお祈りというヤツである。一ヶ月待っても連絡がこず、私の成功をどれほど真剣に祈ってくれているのだろうかと逆に好印象を持った。
D社は転職者思いのエクセレントカンパニーである。せめて連絡ぐらいしてよと思ったけれども。











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