なぜ転職を考えたのか
にゃんそもそもなんで転職しようと思ったの?



博士号を取って就職し、選考で研究職希望の旨を伝えていたにも関わらず、フタを開けてみれば量産開発部署配属だった。私は探究型の思考回路で、狭い対象を深く突き詰めていくのが得意。しかし、仕事では広い守備範囲をスピーディーに処理するよう求められ、何とか適応しようと試みたけれども、難しかった



また、会社自体に余裕がなく、昨今の社会変動の影響で利益率が激減していた。次世代の事業を育てる投資がカットされ、量産開発部門でも研究開発費が削られ、日常業務に支障をきたすようになった
この会社に居続けたところで明るい未来を描くことができず、ストレスがたまる一方だと思い、転職を決意した



そうかぁ~
量産開発の何が合わなかったの?



私は大学院で、ひとつの研究テーマに検討を集中させる探究型の思考回路を培ってきた。仮説を立てて実験し、結果を受けて次どうするか、仮説のどこに欠陥があったかなどを考えてきた。自分主体で問いを打ち立て、自ら解決していく形だね
研究は、やればやるほど課題が見つかる、終わりなき持久系レース。突き詰めればキリがないのを承知のうえで、どこまで突き詰められるか自分を試せる要素に魅力を感じていた



量産開発部門では、問いとは”部署の外側から与えられるもの”だった。誰かが見つけた課題に対して、あらかじめ定められた解決策でもって対処する。そもそもの問いが間違っていると思っても、疑問を発することは許されず、歯車として処理しなければならなかった
課題を創出する主導権が影響力の輪の外にあり、課題解決のスピード(納期)も誰かに定められている。これが窮屈でたまらなかったんだよ



にゃるほどねぇ
じゃあさ、そもそも会社員に向いていないんじゃないかって思ったことはなかった?



あった。会社で過ごす時間が苦痛になるにつれ、そもそも会社員としての適性が無いのでは? との疑念が湧いてきた。同期入社組が何の問題もなく業務を回していて、上司や先輩と楽しそうに仕事の話をしているのを見ていたから、なおさらそう思った



とはいえ、同じ場所で同じ人たちと仕事をするサラリーマンっぽいことは、研究室でもやってきた。博士課程では学振DC1として日本政府から月20万円の給与を貰っていたけれども、学振は残業代も福利厚生もないし、給与面では会社の方がよほど恵まれている
会社員に向いていないかもしれないと思ったとき、私はこう考えた。会社員に向いているか確かめるには、会社員を続ける必要があるって



進次郎?



にゃん
だから、サラリーマン適性がないというより、選ぶ会社を間違えたんだろうな~と考えた。量産開発部署だから苦しいのであって、研究職ならいくらかマシなのでは、と。仮説検証には研究職に就くしかないが、社内異動には入社数年程度のキャリアが必要なことから、社外への転職を決意した



では、転職先を探す際には何を重視したの?



一番重視したのは、探究型の仕事をさせてもらえること。一社目での業務を通じて、自分がどういった思考回路をしているかよく分かった。二社目では、自分の強みを活かせる職種に就きたかった



また、一社目は時代変化の影響で業界全体が縮小傾向にあった。会社の月例ミーティングで出されるグラフも横ばいか右肩下がりなものが多く、先行きの暗さを見せつけられて陰鬱とした。私は右利きなので、余計に腹が立った



は?



にゃあ
どうせ働くなら右肩上がりの成長産業で働いた方が楽しいし、成長性のある企業で働きたいよね。転職活動開始前の段階で、待遇面はそこまで考えていなかった。そもそも一社目では、待遇アップを主張できるほどの業務実績は出せなかったし
とはいえ、将来性のある会社なら利益率も伸びていくだろうから、今よりかは待遇も良くなるのでは? と淡い期待を抱いていたよ










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