北大博士課程修了後、地元の民間企業へUターン就職した。地元で専門性を活かして のびのび働きたいと思って入社した。
しかし、研究職を希望していたものの量産開発部署に配属され、納期に追われて息苦しかった。おまけにプライベートまで散々だった。身体は壊すわ、趣味は楽しめなくなるわで、踏んだり蹴ったりの様相である。
せっかく地元に帰ってきたのだから、腰を落ち着けて過ごしたかったが、この会社に居続けたところで希望は見えないと思った。そこで、新卒入社から一年半での転職を決意した。12社受けて3社内定し、今度こそ研究ができる企業で働けるようになった。
転職活動にあたって、転職エージェント経由/非経由の両方で応募した。この記事では、実体験をふまえて、転職エージェントを利用するメリットを記したい。転職活動はエージェントを使うか否かで月とすっぽんぽんぐらい変わってくるため、転職希望者はしっかり検討を加速したうえで利用するかどうかご判断いただきたい。
かめそれでは早速始めましょう!
転職方針の相談相手になってくれる
転職活動は、現職に対して何かしら不満があるからスタートする。年収が低いとか、人間関係が悪いとか、ちゃんと服を着て仕事しなきゃいけないとかいった不満が積もりに積もって始めるものだ。私自身も、やりたかった仕事に携われず、この企業に居続けても携われないと分かったから活動開始した。
転職活動を成功させるには、転職で何を変えたいか意識しておく必要がある。転職は不満解消ツールであって、より良い生活を実現するための道具なのだから。アップグレード後の生活に対するイメージが具体的であればあるほど、転職は成功しやすくなる。
そうはいっても、人間は欲深い生き物であり。アレも欲しい、これも欲しい、もっと欲しい、もっともっと欲しいとブルーハーツを謡い始める。私も欲にまみれた人間であり、仕事内容はもちろん、高年収も手厚い福利厚生も三連単の当たり馬券も欲しかった。軸がブレると、自身が何を求めているか分からなくなる。競馬の当たり馬券が欲しかったのに、株式相場でキオクシアを空売りして大損をこくのだ。
その点、転職エージェントは素晴らしい。求職者がブラしがちな転職の軸を整理してくれる。カウンセリングで話をしながら、我々が何を求めているのかを明瞭にしてくれる。馬券が欲しいと思っていたけれども、実はトイレットペーパーが欲しかっただけなのだとか、意外な事実が浮き彫りになる。
私は、転職エージェントを使い始める前は生成AIのClaudeに人生相談していた。彼女は私の意見を受け止めたうえで、肯定も否定もせず、どちらかというと無慈悲に「あなたの思うようにやったらいいと思うよ」と毒にも薬にもならぬアドバイスをくれた。こういう時に、AIは頼りにならない。
Claudeとの相談を重ね、何がなんだか訳が分からなくなってエージェントの手を借りた。エージェントさんのおかげで転職動機が固まり、今の不満を解消してくれる企業がハッキリと見えてきた。
日程管理や年収交渉をしてくれる
転職エージェントは、転職を最初から最後までサポートしてくれる。転職の軸を固めるところから始まり、職務経歴書や履歴書の添削・応募はもちろん、面接日程決めまでしてもらえる。
転職には、現職と同時並行で行うパターンと、現職を辞めてから転職活動専業で進めるパターンがある。ローランドは俺か俺以外かと言ったそうだが、転職活動もこの二パターンに分けられる。私を含め、多くの方は前者を選ぶ。もちろん、ローランドではなく、ローランドじゃない方を選ぶ。
現職に勤めながら転職活動を行うのは、時間的にも精神的にもタフである。しかし、仮に転職活動がうまくいかなくても、現職に戻れば生活は成り立つ。ローランドの方は、じゃなかった、現職を辞めてから活動する方は、時間にゆとりを持って動ける反面、転職先が決まらなければいずれ生活が成り立たなくなるリスクを秘めている。
転職エージェントは、転職者の負担を和らげてくれる。次に何をすればいいかとか、どうすれば通りやすいかとかいったアドバイスを、転職者一人一人の状況に応じて提供してくれる。迷路の答えを知っているガイドに先導して進むようなもので、我々転職者は彼らの指示に従って行動するだけでいい。
もちろん、エージェントが何でもかんでもやってくれるわけではない。書類を作成するのは転職者だし、面接を受けに行くのも我々である。わんこそばを食べるのは我々で、おかわりを無限に持ってきてくれるのが転職エージェントなのだ。にゃんこそばを期待してエージェントに相談するのは筋違いである。にゃんこそばはにゃんこそば屋で、わんこそばはわんこそば屋で食べるのが美味いのだ。
転職者側は無料で利用できる
転職エージェントの収入源は、人材紹介仲介手数料である。求職者の年収に応じて、所定の割合を転職先企業から受け取っている。手数料の相場は3割と言われていて、年収800万円で転職斡旋を成功させたら240万円が転職エージェント側に入る。
転職エージェントとしても、なるべく高い報酬が欲しい。好条件で斡旋を成功させられれば、エージェント本人の歩合給がポーンと跳ね上がるからだ。したがって、エージェントは、求職者の年収がなるべく高くなるよう交渉してくれる。また求職者がそれだけの給与に値する人材だと証明するため、面接対策まで余念なく行ってくれる。
私自身、お世話になったエージェントさんには、転職先企業へすごく良いアピールをしていただいた。事実に収まる範囲で、美辞麗句を滝のように送ってもらった。ありがとうございます。
相談役になってくれ、書類添削や日程管理、年収交渉までしてくれる転職エージェントだが、利用料はさぞかし高いと思われるかもしれない。果たしていくらかかるのだろうか。
実のところ、無料で利用できる。イギリスに行ったら公衆トイレ一回で£1取られるのに、転職エージェントはどれだけ利用したとてゼロ円である。人材斡旋手数料をたんまりもらっているからこそ、転職者からの集金は不要なのである。
無料で使い放題な以上、しっかり使った方がいい。使って使って使いまくって、ときどき車検に出してまた使うべきである。
最後に
ここまで転職エージェントを利用するメリットを力説してきたが、逆にデメリットはないか調べてみた。
転職エージェントは人材を企業に推薦するわけで、変な人材を企業に紹介するわけにはいかない。エージェント経由で応募するからには、同じ求人に応募する人同士、エージェント側でセレクションにかけられる。エージェント会社内の選考で不合格となって企業に推薦してもらえなくても、直接応募し直したら採用されたという方がいらっしゃるようだ。
また、企業はエージェント経由の求職者を採用するにあたって、所定の人材斡旋料を拠出する。したがって、直接応募してきた人を雇うより採用コストが上がり、内定のハードルがやや高くなるかもしれない。もっとも、企業にとって数百万円など誤差レベルなので、気にしすぎる必要はないのかもしれないが。
以上の論点をふまえ、転職活動ではエージェントを用いるべきだと考える。皆さんも転職活動をする日が訪れたら、積極的かつ勇猛果敢にエージェントをご利用いただきたい。















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