世は大転職時代である。猫も杓子も転職、転職とけたたましく動き回っている。一社に長く勤める時代が終わり、会社を渡り歩きながらキャリアアップを試みる方が増えてきた。
北大博士課程を修了し、地元広島の民間企業にUターン就職した。やりたいこと×地元の二軸で企業を選び、満足して就活を終えた。企業に入ってみると、やりたかったことはできず、地元生活は映画の続編を見ているようで楽しめなかった。おまけに地方ということで年収が低い。何が楽しくてこんなところで働いているのか分からなくなり、嫌になった。
会社員二年目の6月から転職活動を開始した。やりたいこと×給与×事業の安定性の三軸で、場所を問わず企業選びを行った。十二社受けて三社に内定し、最も条件に沿った企業を入社先に選んだ。
転職活動では、一部、転職エージェントの手を借りた。転職先の企業にも転職エージェント経由でエントリーしている。エージェントさんには、書類添削をはじめ、面接対策や条件交渉など多方面でお世話になった。
エージェントとやりとりする中で、口を酸っぱくして「面接でこれは絶対に言ったらダメですからね!」と何度も伝えられていた事柄がある。これらをやったら落ちてしまうから、やらないよう気を付けてくれと。転職者と採用側は、面接時点で友達以上恋人未満の微妙な関係のため、信頼関係醸成に向けて色々なアドバイスをしていただいた。
この記事では、転職面接で「絶対にやるな」とエージェントから言われたこと3選をご紹介する。転職面接に臨む方や転職検討加速者にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただけると幸いです。
かめそれでは早速始めましょう!
前職批判
皆さんは、ポジティブな人とネガティブな人とだったら、どちらのタイプと一緒に居たいと思うだろうか。松岡修造か太宰治のどちらを選ぶかといった話である。私は松岡修造の暑苦しさが苦手なので、まだ太宰治の方がいいかなと一瞬思ったけれども、毎日「恥の多い人生を送ってきました…」と言われるのもそれはそれでしんどいのでやっぱり松岡修造の方がいいと考える。
企業の人事担当者も同じである。太宰治より松岡修造の方が好きなのだ。転職者には企業の活力になってもらいたい。納豆もとい松岡修造のような粘り強さで業務に挑み、潤滑油もとい松岡修造のようなしなやかさで難局を乗り越え、松岡茉優もとい修造のような笑顔で周囲を癒してほしい。どうでもいいんですが、松岡茉優さんって、かわいいですよね。今は満島ひかりさんの方が好みですけど。
企業側が転職者を判断する材料として、書類と面接での応答が挙げられる。前者は簡単に繕える。昨今進化した生成AIを使えば、前向きで有能なスーパーハイパーウルトラ超どんだけ有能会社員を演じられる。後者には素の自分が出る。面接中にAIを使うのは難しいし、普段から抱いている労働観とか思想などが ふとしたとき表情に現れる。
企業は、前職批判を口にする人材を採用したくない。仮に採用したら組織の輪を乱すかもしれないし、転職先で不満を抱いたとき周囲に不満をまき散らされる可能性がある。どんな環境に置かれても周囲の出来事を学びに変えられる修造型人材を求めている。苦しいときに渾身のサービスエースを放ち、それをキッカケに状況打開できる人材が欲しいのだ。そう、松岡修造が欲しいのだ。
転職を考えるのは、現職に何らかの不満を抱いているからである。年収が低いとか、人間関係が悪いとか、何かしらのネガティブ要素に我慢できなくなったからこそ会社を移るのだ。しかし、正直に不満をぶちまけるとメチャメチャ印象が悪いので、思いは胸に秘めつつ言わないでおいた方が無難である。
もちろん、いくら修造の方がいいとはいえど、程度というものがある。暑苦しすぎるのも問題ではあるから、前向きアピールは程々にしておくと安全だろう。
待遇や条件の話がメイン
我々が会社に勤めるのは、何のためだろうか。自己実現とかやり甲斐とか、人には人の乳酸菌で、十人十色・空即是色の理由が思い浮かぶはずだ。
おそらく、100人に尋ねたら1000人がお金のためと答えるだろう。事実、もし明日以降、会社から給与が一円も出なくなったら、100人中10000人は退職する。我々は生活費を稼ぐために働いている。旅行や推し活を楽しむため、仕方がなく会社に行って稼いでいる。私は活字中毒者なので、毎月たくさんの本を買う原資を得るために会社勤めしている。
ある程度以上の規模の会社だと、家賃補助や子ども手当がある。育休中に所得を保障してくれる太っ腹な企業もある。私が所属していた会社では、広島湾を一望できる超高層タワマン最上階に月1.5万円で住ませてくれた。
転職するにあたって、待遇や条件は非常に重要である。サッカー日本代表の三苫薫選手と同じぐらい大切である。三苫なしでもフォーメーションは組めるが、前線の攻撃力が不足する。事実、2026のW杯では、相手の堅守に攻めあぐねた際のジョーカー的存在がおらず、ベスト32で敗退した。本当に悔しかった。
皆さんは会社員生活に人生がかかっているわけなので、ベスト32で負けるわけにはいかない。当然、少しでも恵まれた給与や福利厚生を求めて企業を選ぶ。
日本代表の三苫レベルに重要な待遇面だが、面接ではあまり言わない方がいいらしい。仕事内容そっちのけで待遇の話をすれば「コイツ、仕事する気あるんかな?」と疑念を持たれる。それに、待遇面は内定獲得後に確認できる。交渉次第でランクアップも可能。面接で話すべき話題かと考えたら、後回しにするのが得策ではないかと思う。
面接では、業務内容を軸に話せば有意義に時間を使える。転職先企業のビジョンや業務構造を伺い、自分に合ったポジションなのかとか、しばらく潰れなさそうか・長く働けそうかとか、企業について理解を深められる時間の使い方を心掛けたい。
長々と話す
テキストベースでのやり取りと違い、セリフは水のように流れていく。マシンガントークでまくし立てられると、少し前に聞いた話を忘れてしまう。しまいには論旨さえグチャグチャになって、「で、結局何が言いたいんだっけ?」と振り出しに戻る。
言いたいことを1とすれば、話が長い人は9ぶんのトッピングを施して10しゃべる。ハンバーグを一枚頼んだら、特大のビッグマックを持って来るイメージである。私はね、ハンバーグが食べたいんですよ。ピクルスなんか要らんから持ってくんな、ちょっと苦手なんやアレ。パティーも要らん、喉が渇く。折角ならマックシェイクのバニラを持ってきてちょうだい。
人事採用側としても、松岡茉優や満島ひかりと話せるなら、いくら長々と話されても結構だろう。これまでの舞台経験とか業界の裏話へ興味深く耳を傾けられる。何の変哲もない、マジシャンのシルクハットから出てくる鳩ぐらい変哲もない我々が長く喋ったところで、面白くもなんともないのである。
話が長い人はどこに行っても敬遠される。話している側は心地よくても、話を聞かされている側は嫌になってくる。まして、論旨が不明瞭ならチョットナニヲイッテイルカワカラナイんですけどと100回ぐらい言いたくなる。
我々日本人は学校でスピーキング訓練を受けてこなかった。授業では教師の話を聞くばかりで、よだれを垂らしながら「やっぱり有村架純の方が可愛いかな…」などと妄想を繰り広げてきた。多くの人は就活で初めてフォーマルな場での話し方を意識するわけだが、新卒就活はポテンシャルを見られるので、話し方が仕上がっておらずとも大目に見てもらえる。だが、転職面接はそうもいかない。ひとりの社会人として立派な振る舞いができるか注視される。
話すのが得意だと思っている人こそ、聞かれたことへ簡潔明瞭に答えるよう意識したい。ハンバーグを頼まれたらハンバーグを持ってくる、ちょっと盛ってもダブルチーズバーガー程度に留めるのが肝心である。何を言いたいのか・何を言うよう求められているのかを常に意識しながら応答するよう気をつけたい。
偉そうに書いている私だが、ある企業の一次面接フィードバックで「話がやや長い」と指摘された。短くするよう心掛けても相手には長く感じられるのだなと、さらに端的に応答するよう意識して面接に挑み、内定をいただいた。
最後に
面接は長くても一時間。一時間でこの人を採りたいと思ってもらうには、持ち時間をどう使うかが重要である。
エージェントが口を酸っぱくして伝えてくれたのは、時間の使い方を間違えるなということだったのではないか。ハンバーグを頼まれたらハンバーグを、松岡修造の三割程度の温度で出すように言ってくれたのだろう。松岡茉優や有村架純に目を奪われず、国民的女優・新垣結衣さんを推し続けろと諭してくれたのである。
これから転職面接に臨む皆さんの健闘を祈り、記事を締めくくります。やっぱガッキーしか勝たん。
















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