【総力特集】8年通った卒業生が語り尽くす、北海道大学の魅力100選

目次

61. 秋のイチョウ並木が息をのむほど美しい

北大と聞いてイチョウ並木を思い浮かべる人は多いはずです。北13条門から続くイチョウ並木は、秋になると黄金色のトンネルに変貌します。初めてアレを眺めたとき、何て美しいんだ…とハッとさせられました。

イチョウ並木は、毎年10月下旬から11月上旬にかけてが見頃。この時期の北大構内は、カメラを構えた人であふれかえります。在学生も例外ではなく、去年も撮ったのにまた今年も撮ってしまう現象が繰り返される。スマートフォンのカメラロールがイチョウ並木で圧迫されていくのは、北大生の避けられない運命です。私も在学中に1GBぐらいは写真を撮らせてもらいました。

なお、イチョウが散った後の地面は、銀杏の香りに包まれます。率直に言って臭いです。鼻をつままないと通れないほど臭い。冬になると銀杏の上から雪が積もり、銀杏を天然培養してしまいます。じっくりコトコト3か月ほど、実の奥の方まで発酵させる。雪どけを迎えると、とんでもなく臭い銀杏が「こんにちは~」とあいさつしてきて、やりきれない気持ちになります。あれだけは本当に勘弁してほしいですね。

62. 北大の象徴、ポプラ並木

©2022-2026 Hokkaido Tourism Organization

北大のシンボルと言えば、ポプラ並木も欠かせません。2004年の台風で大きな被害を受けましたが、その後植え直しが進み、今も並木道として健在です。

正直に言うと、イチョウ並木に比べると、ポプラ並木はいささか地味。観光パンフレットでは華々しく紹介されるものの、実際に行ってみると「思ったよりたいしたことないじゃん」とガッカリする人も少なくない。実際、友人を案内するとき、イチョウ並木では「すごい!」と歓声が上がるのに、ポプラ並木では「ふーん」で終わることが多く、ガイドとしてはなかなか切ないものがあります。ポプラ並木の良さを伝えるには、ソムリエ並みの語彙力が求められるのかもしれません。

私も在学中はポプラ並木よりイチョウ並木派でした。ただ、卒業後にポプラ並木の写真を見ると、妙に胸が締めつけられるんですよね。在学中はさほど気にしていなかった景色が、離れてから急に愛おしくなります。

63. 金葉祭でイチョウ並木がライトアップされる

©2001 – 2026 Venture Republic Inc

毎年秋には金葉祭(こんようさい)が開催され、イチョウ並木がライトアップされます。昼間でも十分すぎるほど美しい並木が、夜はさらに別次元の輝きを見せてくれるのです。

「学祭の余興でしょ」くらいの気持ちで見に行ったのに、実際に足を運んでみると、美しすぎて声が出ませんでした。黄金色のイチョウが夜空に浮かび上がる光景は、映画のワンシーンにも見えます。

金葉祭には屋台も出るし、温かい飲み物片手にライトアップを堪能できます。デートスポットとしても申し分ないのですが、私は毎年ひとりで行っていました。カップルの群れの中で一人、イチョウに目をそらして現実逃避したのも懐かしい思い出です。

64. ひと冬で約5メートルの雪が降る

札幌はひと冬に雪が約5メートル積もります。人間3人を縦に積んだぐらいの量の雪が、毎年ドカドカ降っているのです。

最初の冬はとにかく驚きの連続でした。朝起きたら自転車が雪に埋もれて消えている。玄関の前に雪の壁がそびえている。歩道と車道の区別がつかない。今まで雪は年に数回ちらつく程度だった人間の脳では、処理が追いつきません。

人間の適応力はすごいもので、2年目にはだいぶ慣れてきます。3年目には「今日は20センチか、楽な日だな」とか言い出す。感覚が完全に狂ってきます。人口200万の都市でここまでの降雪を体験できるのは、世界的に見てもかなり珍しいそうです。貴重な経験だと思って楽しむのが吉。雪かきは…何年住んでもしんどいままでした。

65. 冬は室内が暖かい

「北海道の冬は寒いでしょう?」と聞かれることが多いのですが、室内に関して言えば本州より暖かいです。北海道の建物は断熱性能が高く、暖房がガンガンに効いている。真冬でもTシャツ一枚で過ごしている住人がゴロゴロいます。

外はマイナス10度でも、部屋の中は25度。暑すぎてアイスクリームを食べる道民までいらっしゃる。私はさすがにアイスまでは食べませんでしたが、食べたくなる気持ちも分かりました。

北海道の冬は、外は極寒でも、中は常夏。北海道の冬に慣れると、本州の冬の方が身に堪えるようになるでしょう。卒業して本州に戻った最初の冬、建物に入ってもなかなか体が温まらず、北海道の室内のほうがよっぽど暖かかったなと何度つぶやいたかわかりません。

66. チカホのおかげで冬でも快適

札幌駅からすすきの駅まで、地下歩行空間(通称チカホ)で繋がっています。約2キロの地下通路がまるごと暖かく、吹雪の日でも快適に歩ける。冬の札幌を生き抜くうえで、チカホは本当にありがたかった。

地上はマイナス10度で吹雪いているのに、チカホの中はコートを脱ぎたくなるくらい暖かい。地下に潜った瞬間、別世界に入り込んだ気分になります。カフェやショップも並んでいるので、通路というより商店街に近いかもしれません。飲み会のあと、すすきの駅から北12条駅あたりまでチカホ経由で歩いて帰る北大生は結構多いです。地上はツルツルで酔った足には危険すぎますから、地下の暖かい通路で酔いを覚ましながら歩く方がはるかに安全なんですよね。

地上を歩くか地下を歩くかで、冬の札幌は完全に別のゲームになります。地上はサバイバルモード、地下はイージーモード。私はイージーモードしか選びませんでしたが、それを軟弱と呼ぶなら呼んでください。凍傷よりはマシです。

冬のチカホは札幌市民の大動脈で、地上の歩道がツルツルに凍っている日は特に混雑します。みんな考えることは同じで、滑りたくないから地下を歩く。週末、外の天気が悪い日は、チカホだけ朝の渋谷みたいになります。

67. 冬道の歩き方が一生モノのスキルになる

北海道の冬を過ごすと、凍結路面を転ばずに歩く技術が自然と身につきます。足の裏全体で着地し、歩幅を小さくして、重心を低く保つ。通称ペンギン歩き。最初は笑っていたこの歩法が、冬を2回越えた頃にはすっかり体に染みついています。

道外出身の一年生は、毎年冬になると盛大にコケます。ツルツルに光った歩道でスッテンコロリンする新入生を見ると、「ああ、自分もそうだったな」と温かい目で見守ってしまう。先輩としてアドバイスできるのは「足の裏で地面を撫でるように歩け」くらいのものですが、言葉で教わるより体で覚えたほうが早い。つまり、転んで学べ。こうして偉そうに述べている私も、裏で毎年コケていました。

68. 日常の延長でウィンタースポーツが楽しめる

北海道に住んでいると、スキーやスノーボードが「特別なレジャー」から「ちょっと行ってくる」に変わります。札幌市内から車で30分〜1時間ほどで複数のスキー場にアクセスできるので、午前中に滑って午後から研究、なんてスケジュールも物理的には可能です。物理的には。実際にやると午後のラボで全身が重く、ピペットを持つ指がプルプル震えます。教授に「手が震えてるけど大丈夫か」と聞かれたら、「実験で緊張しています」と答えておけばOKです。

北海道のパウダースノーは世界的にも評価が高く、海外からわざわざ滑りに来る人がいるほど。ニセコなんかは外国人スキーヤーだらけで、ゲレンデの会話が英語ばかりという場面も珍しくありません。そんな世界レベルの雪が学生の日帰り圏内にあるだなんて、北大生は恵まれています。

スキー以外にも、スノーシューやワカサギ釣りなど、冬ならではの遊びが豊富に用意されています。長い冬を”寒くてつらい季節”として耐えるよりも、”遊びの宝庫”として楽しんだ方がおトクです。同じ冬でも向き合い方ひとつで見え方がガラッと変わりますから。

69. 星がよく見える

札幌では、街中にいても、夜は星が明るく見えます。冷たく澄んだ空気のおかげで、よく晴れた夜には北斗七星が輪郭を保って浮かび上がってくるのです。実験で遅くなった帰り道、ふと見上げた空に星がびっしり散らばっていて、疲れが一瞬どこかへ飛んだ夜もありました。

郊外へ足を伸ばせば、天の川を肉眼で確認できるレベルになります。星の数が多すぎて、星座を見つけるのが難しい。難しいから、国立天文台の「今日のほしぞら」を参考に星と星を目で結び、星座を作ります。

星を眺めながら”宇宙の広さに比べたら、教授から雷を落とされたのなんて些細なことだ”と自分を慰めたことも何度かあります。些細なわけがないんですけどね。翌朝には普通に落ち込んでいましたから。

70. 四季のコントラストが鮮烈

北海道は四季のコントラストが鮮烈です。春は雪解け、夏は爽やかな風、秋には紅葉、冬の銀世界。どの季節も主張が激しくて、「いま、季節が切り替わったな」と分かります。

私が好きなのは、冬から春になる時期、4月中旬あたりです。長い冬が終わり、雪が溶け、ある日突然気温が跳ね上がる。一斉に花が咲き、芝生が緑に変わり、構内を歩く人の表情が明るくなる。あの多幸感といったらもう、すさまじいものがあります。冬が厳しいぶん、春の喜びが何倍にも膨れ上がるのです。

広島にいた頃は季節の変化をここまで強く意識していませんでした。北海道で暮らしてから、季節に対するアンテナがバキバキに研ぎ澄まされた感覚があります。その一方で、研究の進捗に対するアンテナは一向に育ちませんでした。

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