こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大化学系大学院生のかめ(D1)です。6年前に北大に入り、数々の挫折や苦しみを経て今日まで生き長らえてきました。
この記事では、大学時代に私が取り組んできた沢山の試みの中で特に(やっておいてよかった!)と思えるものを5つご紹介します。
- これから大学生活を始める学部新1年生の方
- 大学生活に慣れてきた学部2~3年次の方
- 卒業を間近に控えた学部4年生の方
など、あらゆる大学生にピッタリな内容なのでぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
それでは早速始めましょう!
大学生の間に必ずやっておくべきこと5選
大学生の間にやっておくべきなのは以下の5つになります⇩
- 大学の勉強に全力で取り組むこと
- 膨大な量の本を読むこと
- 日本語力を磨くこと
- 何か一つ、4年間やり通すこと
- 親と和解し、自分の内面を掘り下げること
以下で一つずつ解説します。
大学の勉強に全力で取り組め。『勉強する側』として豊かな人生を生きて欲しい
一つ目にやっておくべきなのは『大学でのお勉強』です。教養科目/専門科目の別を問わず、履修する全ての科目に全身全霊で取り組んで下さい。このように書くと読者さんから
大学に入ってまで勉強しなくちゃいけないの…?
と嘆きの声が聞こえてきそう。そう言いたい気持ちはよく分かる。私だって大学時代に先輩から「勉強を頑張れ」と言われていたら嫌な気持ちになっていたはず。でも本来、大学って勉強する所なんです。部活やサークルにうつつを抜かす場所ではなく、エリートが通って日々勉強・研究して知的フロンティアを広げる研究機関なのです。
学生の責務は第一に勉強。国公立大学は年間54万円もの授業料を支払い4年間在籍するわけですが、54万円払って遊びに行くなんてお金の使い方を間違えています。何も「遊ぶな」とは言いません。勉強に余裕があったら遊べばいい。遊ぶのも仕事の一つです。生身の人間を教材とすれば処世術を勉強できますから。ただし優先順位を間違えぬように。学業を怠らず、余った時間で思う存分はっちゃけてください(*≧∀≦*)
学部生の勉強の到達点は【所属学部・学科に関連する諸知識を習得していること】になります。経済学部なら経済学全般、工学部の化学系なら化学系の基礎知識全般など、パッと話題をふられた時に(あっ、○○のことを言っているのね)と連想できることを目安にしましょう。流石に専門的な深い議論は大学院博士課程まで行かなきゃ難しいはず。でも基礎知識ぐらいなら学部生レベルでも十分習得可能だと思います。余裕があれば専門分野関連の時事ネタにも詳しくなっておきたい所。私の場合、リチウム系蓄電池について研究しているので、自身の研究に関する知識のほかに①最近のEV市場の動静や②今後の日本や世界の電池研究の潮流、それに③他の電池の基礎知識(太陽電池や燃料電池など)について情報収集しています。
こうして一生懸命勉強していれば、大学卒業時の就活で「勉強を頑張ってきました!」と勉強でガクチカを語れます。私自身、就活のガクチカに『勉強』を使って企業から内定をもぎ取りました。また、大学生のうちに勉強習慣が根付いていれば、企業人/起業人になった後でも自発的に勉強していけるでしょう。勉強する人としない人との間には少しずつ知的格差が広がっていき、それはやがて絶望的なほど巨大な差として両者を完全に隔てるのです。自分の周りをよく見てみると、学部生活4年間だけでも勉強した人としなかった人とでかなり格差が広がっています。何というか、目の輝きや姿勢など、何から何まで全く違っているんですね。このように、大学で勉強することは豊かな人生を送る上で非常に役立つことと存じます。この記事をご覧の皆さんはぜひ『勉強する側』になっていただき、混迷を極める現代社会を軽やかに、そして楽しく生きて行ってもらいたいです。
本を読め。本の似合う学生になれ。全集を読め。偉人と魂をぶつけ合え
二つ目にやっておくべきは『膨大な量の読書』です。学生時代に一冊でも多く本を読んでおいて下さい。大学生活では使い方に困るほど膨大な時間が用意されているでしょう。「いったい何に使おうか?」ともし迷ったなら読書に充てることをオススメします。読書をすることで知識や思考力、日本語のセンスを磨けるのです。口を開けてYouTubeをボーっと見るより100倍も実りある時間を過ごせます。最初は何から読み始めても構わない。漫画でもいいし小説でもいいし、雑誌でも問題ありません。まずは読書習慣をつけて下さい。少しずつ読む本の難易度を上げていけば挫折せずステップアップできます。
大学生は
- 大学生の間に読んでおかないと意味がない本
- 娑婆(企業)に出たら読めなさそうな本
これら2つの観点から本を選ぶべし。
まず①の観点では「大学時代にやっておくべき○○個のこと」系の本が当てはまります。書店や図書館でこうした類の本を入手し、どれか一冊を”心の師匠”と崇めて4年間での完全制覇を目指してください。大学生の間に(何をしたらいいか分からない..)と悩みそうな人こそこうしたタイプの本を読むべき。やる事が決まっていたら日々の行動指針に迷いがないし、一つずつ項目を潰していく過程で(また一個クリアしたぞ!)と楽しくなってくるのです。私の場合、大学一年次の6月に北大の北図書館で中谷彰宏さんの「大学時代しなければならない50のこと」を見つけて4年間師匠と仰ぎました。50個の項目を印刷して家の玄関の扉に貼り、クリアするたびチェックマークを付けて(あと○○個だな…)とゲーム形式で遊んでいました。
次に②の観点では古典的な本が当てはまります。昔に書かれ、時代の波に淘汰されず生き残った”ホンモノの作品”をできるだけ多く読んで下さい。世の中には無数の本があり、その全てを読み切るのは絶対に無理。本の氾濫する現代だからこそ、物事の本質を説き時代を問わず愛されてきた古典を手に取り読むべきなのです。私のオススメ書籍は以下の2つ⇩
- 古事記:日本の神話を描いた本。物語を通じて日本の成り立ちや文化に触れられる。
- カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー):宗教、政治、欲望、死など、色々な要素が詰め込まれたロシア文学
日本人として生きる上では日本の起源を知っておくことは非常に重要だと思いますし、カラマーゾフのような総合小説を読めば生き方の本質を掴めたり思考力を高められたりと色々お得なリターンがあります。
自己啓発本などビジネス書については娑婆に出ても読むことができる。いや、ビジネス本は時間のない人向けに随分と噛み砕いて書かれているため、時間のある学生のうちにわざわざ読む必要がない。もしどーしてもビジネス本を読みたいならぜひ”ビジネス書の古典”を読んで下さい。世の中のビジネス書の9割は①思考は現実化する(ナポレオン・ヒル)、②人を動かす(デール・カーネギー)、そして③道は開ける(同じくデール・カーネギー)の焼き直しなので、読むならこれら3冊を読んだ方がコストパフォーマンス良く知識を収拾できます。
時間的余裕があるならば、お気に入りの作家の全作品を全て読んでしまいましょう。大学図書館へ行けば「三島由紀夫全集」や「川端康成全集」など”全集”というカテゴリーの本が置いてあるはず。全集とはその名の通り、作家の全著作を収録した書籍です。全集の完読は体力的にも非常にハードですが、やり切れば脳味噌が2ランクぐらいバージョンアップして新しい自分と出会えます。”全集を読む”ということは、著者の全てを知るということ。作者の魂に触れ、ぶつかり合い、鼓動を感じるということです。初期の作品群は著者の技術が未熟で読みにくいものもあるでしょう。しかし、その未熟さをも腹で受け入れ次々とページをめくりましょう。投げ出したくなってもグッと堪え、一日何ページかでも読み進めていく。するとやがて著者と自分の境界が薄れて梵我一如に達する瞬間が来ます。著者が自分に憑依した途端、今後は読むのを止める方が逆に難しくなってくる。(いつ読み止めようかしら)とキリをつけるのがむしろ困難になるほどであります。必要最小限の睡眠を挟みつつ、一度ついた勢いを殺さぬように完読してしまって下さい。読み終えたあなたには著者の思考回路がインストールされ、著者と似たような表現で喋ったり書いたりしているでしょう。
全集を読みたくなった人にオススメなのが「夏目漱石全集」です。全集の中でも比較的読み切りやすいので取っ掛かりは漱石さんから始められてみては如何でしょう?
日本語力をまず磨け。次に英語、それから第二外国語を
三つ目にやっておくべきなのは『日本語力の徹底強化』。多彩な語彙でもって自在に思い通りの表現ができる日本語力を鍛錬するのが重要です。世間では「学生時代に英語力を伸ばそう!」と盛んに喧伝しております。けれども、日本語すら使いこなせない日本人が外国語を使いこなせるわけがありません。人間の思考回路は基本的に母国語で構築されています。日本人なら日本語、トルコ人ならトルコ語、韓国人なら韓国語で物事を考える仕組みなのです。要するに、母国語の力が低ければ、思考の質も低くなってしまうのです。日本語を疎かにして外国語に挑んだ所で到達点はたかが知れています。このように、母国語の力は他言語でコミュニケーションする際に大きな影響を及ぼすのです。英語力を伸ばしたければまず日本語力を伸ばすべき。上に書いた”大学での勉強”や”膨大な量の読書”によって少しずつ日本語力を高められます。
私としては(大学時代に英語なんてやらなくていいじゃないか)と思っています。中途半端に英語の勉強をやるぐらいなら「英語で話したい話の中身」の方を勉強すべきだと思うからです。英語を話せないなら英語を話せる人を通訳に立ててコミュニケーションを図ればいい。いや、外国人に(日本語を勉強したいっ!)と思わせるぐらい日本を魅力的な国にすればいい。そもそも普段日本で生活するのに英語なんてほぼ使わないのだから英語を話せるようになるわけがない。いや、話せなくたっていいんですよ、海外志向の学生以外は。日本語と英語なんて全然違う言語なのだから、英語を話せないからといって気を揉む必要もなければコンプレックスを抱く必要もありません。Hello!さえ言えたら十分です。あとは英語の得意な人に任せ、日本独自の文化や技術を伸ばす方に力を割くべき。
でも中・高と6年間勉強してきたのだから少しぐらいは話したいよね笑。大学でも英語の必修講義が何コマかあり、それらからはどうやったって逃げるわけにもいかないですし。私の場合、(英語を話せるようになる方法は無いかな…)と模索して「瞬間英作文」という手法と出会いました。瞬間英作文は”簡単な英文を瞬発的に作り続け、脳内に英語を生み出す思考回路を作ってしまおう”という画期的な試み。私はコレを毎日・半年間やり続けたおかげで英語をペラペラ話せるように。(今まで話せなかったのは何やったんや笑)と呆れるぐらい突然流暢になったのです。英語力を高めたいとお考えの方は是非「瞬間英作文」にチャレンジしてみて下さい。ステージ1~ステージ4と四段階に分けられており、各自のレベルに応じて好きな段階からスタートすることができます。
もし時間に余裕があれば、大学で出会う第二外国語(二外)も勉強してみると面白いですよ。英語とは枠組みの違う新しい言語と接する事で、”英語以外にも外国語があるんだ”と新しい視点を持つ事が出来ます。高校までは英語が我々にとって唯一の外国語でした。けれども二外との出会いを機に他の言語体系を知り、世界の広さや言語学の面白さに開眼してしまうかもしれません。ひょっとするとあなたの脳には英語より二外の方が向いている可能性も。韓国語やスペイン語などは日本人に習得しやすい言語とされているし、英語の勉強が嫌なら二外を”第一外国語”として勉強してみるのがオススメです。大学で履修する言語へ無理にこだわらなくとも全く問題ありませんよ。私の場合は二外にスペイン語を履修したものの、文法のややこしさが嫌になってインドネシア語に手を出し習得しました。
対象は何でもいい。何か一つ、4年間やり通せ
四つ目にやってほしいことは『何かを4年間やり通す』こと。対象は何でもOKです。勉強でもいいしバイトでもいい。読書でも良ければスポーツでもいい。自分で”コレ!”と決めたものを意地でも手放さず4年間やり通してみて下さい。何かをやり通す過程で以下の2つの収穫が得られます⇩
- その分野のプロ(セミプロ)になれる
- 物事の継続力/やり抜く力が身につく
以下で一つずつ解説します。
たとえ大学に入ってから手を出したものでも、4年間やり続ければある程度までスキルを伸ばせます。野球なら守備のフィールディングが良くなるだろうし、バイトなら迅速に要領良く作業がこなせるようになっているかも。実技面に限らず知識面でもかなりの進展がみられるでしょう。練習の組み方、タイムマネジメント、栄養学にメンタルコントロールなど、挙げ出せばキリがないほど多くの収穫があるはずです。
4年間での最高到達点には環境や才能の要素が絡みます。だからいくら努力しようともトップレベルまでには至らない可能性がある。けれどもセミプロぐらいになら誰だってなれる。普通の人よりその分野に何倍も詳しく、何倍も上手にプレーしたり作業したりできるようになります。人より得意なものが何か一つでもあったならば、全く異なる分野で苦境に立たされた時に踏ん張って立ち止まることができる。(自分にも得意なものがあるんだから大丈夫だ!)と心の拠り所として自らのピンチを救ってくれるというワケです。また、4年間コンスタントに何かに取り組めば継続力が身につきます。どんな物事でも継続しなくちゃ上達は見えてきませんが、逆に継続さえできれば経験値が蓄積してレベルアップの瞬間が訪れます。継続力は”人生で何かを成し遂げるための基礎スキル”だと言えましょう。大学生活で得られる継続力は会社での仕事、大学院での研究、そして新しく始める趣味の上達を目指す時などあらゆる場面で重宝します。
物事を継続するのはなかなか困難。飽きが生じてやる気が失せて投げ出したくなる時もある。そんな中でも継続しようと思えば(投げ出したらどうなるか)と想像してみればいい。今までの努力が水泡に帰し、無残に砕け散る様を思い浮かべるといい。”これまで積み上げてきたものが無駄になる”だなんて誰だって嫌だと思います。そのネガティヴな感情を動力源に、苦しくても耐え、投げ出したくなっても投げ出さず、自身の成功した姿を思い描きつつ4年間継続してみて下さい。継続力とは”やり抜く力”。大学生の間に何かを継続すれば、どこででも一生涯通用する最強の武器が手に入ります。
親と和解し、自分の内面を掘り下げよ
五つ目にやっておいて欲しいことは『親との和解』。親と不仲な方は大学生の間にせめて意思疎通のできるレベルぐらいにまで関係を修復しておきましょう。
特殊な事情のある方を除き、大半の方は親から生まれ、親に育てられてきました。これまでの人生で一番多く時間を過ごした相手は十中八九『親』なはず。自分の思想や趣向の根源を遡ってみれば、そのルーツのほぼ全ては親と過ごした時間にある。そう、我々が望もうと望むまいと、親から多大な影響を受けて今日の自分が作られているのです。親との関係が不安定だと自分のルーツまでもがグラグラしてくる。すると自分の精神状態に変調をきたしたり、物事へ挑戦する際に勇気を振り絞られなくなったりする。親と和解するというのは”己の足元”を固めること。盤石な地盤に二本足で立ち、社会へ、そして世界へ雄飛するために絶対不可欠な営みなのです。
私の場合、大学進学まで父親と不仲でした。(どうやったら仲直りできるかな…)と自分なりに考え、父親もやっている”ランニング”を共通の話題として関係の修復を試みたのです。少し時間はかかったものの、大学卒業までには完全に和解できました。今では絵文字でLINEチャットする仲です笑。あまりに仲が良くなりすぎて、アウェイのサッカーの試合を一緒に現地観戦するまでに。2022年のJリーグカップ決勝で応援していたチームが勝った時なんて感極まって号泣して抱き合ったぐらい。
自分のルーツをがっしりと固めたら、今度は自分の内面を徹底的に掘り下げるべし。何が好きで、何を大切にし、どう生きていきたいのかを深く深く考えるのです。自分のことは自分が思っている以上に意外と知らないことが多い。内面について言語化してみると(アレっ、自分ってこんなこと考えていたのか!)と新たな一面を発見できるかも。自己分析では過去に起こった様々な出来事を思い起こして(なぜこの選択を下したのだろう?)と一つずつ考えることになる。中には思い出したくもない辛い経験がひょっとするとあるかもしれませんが、そこで心の痛みをグッとこらえて真正面から向き合ってみて下さい。するとある時、過去の出来事に意味を見出せ、苦しみがパッと昇華される瞬間が必ずや訪れるでしょう。(アレは○○の大切さを知るための伏線だったのだな)と合点がいくようになるのです。
しっかりとした足取りで未来へ進むためには過去のモヤモヤを清算しておかねばならない。ルーツ固めと同じぐらい過去への意味付けも重要なのです。足元を整備し、心を整えることでようやく大学生活を楽しむ準備が完了します。4年間を有意義に過ごしたい方は一刻も早く親との和解&内面の掘り下げに取り掛かるのがオススメです(*≧∀≦*)
最後に
大学生の間にやっておくべきことは以上5つとなります。まとめると、
- 大学の勉強に全力で取り組め。『勉強する側』として豊かな人生を生きて欲しい
- 本を読め。本の似合う学生になれ。全集を読め。偉人と魂をぶつけ合え
- 日本語力をまず磨け。次に英語、それから第二外国語を
- 対象は何でもいい。何か一つ、4年間やり通せ
- 親と和解すべし。自分の内面を掘り下げよ
このような形になります。
大学生活は過ごし方次第で成長にも退化にも繋がります。皆さんが実りある4年間を過ごせることを祈ってこの記事を締めくくります。
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