文系分野へ関心があるのに理系学部へ進学した人がやると楽になること

理系分野で博士号まで取った私。実は、大学進学以前に最も関心のあった科目は日本史でした。

日本史の勉強が一番楽しかった。歴史の勉強なら何時間でも続けられました。数学の息抜きに日本史教科書を読む。物理や化学の息抜きに歴史漫画を読む。勉強の合間のリラックスタイムに取り組めるほど好きな科目だったのです。

そんな自分が理系を選んだのは、就職のことを考えて打算的になったから。文系学部なら倍率何百倍もの就活で苦戦するのは必至。まして、歴史を学ぶ文学部へ行こうものなら、経済学部や法学部の連中より就活戦闘力が低くなってしまうはず。理系学部へ、特に工学部へ行っておけば就活で苦戦することはまずないでしょう。推薦でアッサリ内定をもらえるとの噂を聞きつけて「だったら理系にしておこうかな」と進路選択したのです。

理系分野に興味があって理系へ進学したわけではありません。北大進学後、専門科目の勉強が面白くなさすぎて、自身の進路選択を深く後悔しました。とはいえ進路はもう変えられない。理系学部へ居ながらにして文系分野との接点を見出す方法はないものか。

この記事では、文系分野へ関心があるのに理系学部へ進学した私のような人がやると楽になることをご紹介します。進路選択を失敗したなと感じた理系学生にピッタリな内容です。ぜひ最後までご覧ください。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

興味がある分野の勉強を趣味で始めてみよう

我々は学校生活をあまりに長く経験しすぎて、ひとつ錯覚しているのかもしれません。勉強とは、誰かに教えてもらうのを待つこと。学校や大学で指定された科目だけしか勉強してはいけないのだ、と。

大学受験の際には受験で使う科目の勉強に専念したでしょう。受験で使わぬ科目の勉強など、時間がなさすぎてやっていられません。受験勉強を終えて大学生になると、今度は教養科目や専門科目の講義が延々と続きます。テスト、テスト、またテスト。履修講義の勉強だけにとらわれてしまいかねません。

高校生までは受験勉強で忙しいはず。志望校へ合格するために勉強へ専念すべきです。大学生になったら発想を柔軟にしましょう。履修講義以外の勉強にも取り組んで構いません。大学生の仕事は単位を取ること。単位を落とさず取得して卒業できれば、法令に反さない限り何をやっても大丈夫。時間の使い方は自分で決められます。何を勉強して何を勉強しないでおくのかを自ら取捨選択できるのです。

もしも皆さんが自由に使える時間を有するのならば、講義以外にも、自らが興味を持てる分野の勉強へ取り組んでみてください。私のように歴史好きなら日本史の専門書を読む。文学好きなら個人全集読破に挑戦してみる。テストで点を取るのだけが勉強ではありません。知りたいことを知り、好奇心の赴くままに理解を深めていくのも勉強です。大学生からは勉強が「趣味」になり得ます。自らの意思で本を開いて学習するのは立派な趣味といえるでしょう。

文系分野に関心のある理系学生は趣味で文系分野の勉強に取り組みましょう。幸い、文系分野は一人で学習できるものが多いです。フィールドワークでも志向せぬ限りは室内で完結させられます。勉強の大半は本があれば可能。学習欲を満たせる態勢が整っているのです。

自分自身、学部の勉強に興味を持てなくなって以降、趣味で歴史学習に没頭しました。古事記・日本書紀から始め、通史を学んだり神道だけに特化した学習も行ったりしました。歴史に飽きたら文学の勉強。ドストエフスキーやトルストイの大作群、夏目漱石の全集を読んで人生の諸問題へ思考を巡らせたのです。専攻の勉強なんてそっちのけ。学んで楽しいと思える勉強へ時間を費やせたおかげで心が満たされました。

理系就職するのもアリ、文系就職するのもアリ

理系分野へ進学した者の特権は、理系分野にも文系分野にもどちらへでも就職できること。専門性を活かしたいなら理系分野がオススメ。勉強や研究で培われた一般的スキルを活かすならば文系職種への採用も目指せます。文系学部の学生が理系就職するのはなかなか難しいです。手が届いてもIT系までではないでしょうか。モノづくりへガッツリ携わる技術系職種への就職は厳しいかもしれません。

理系学部へ進学したからといって理系職種を目指さねばならぬ決まりはありません。専攻にも専門にもとらわれなくて大丈夫。理系でも文系職種を目指して構わないのです。最近は総合商社を中心に、文系職種とされていた業態へ理系人材の登用を目指す試みが進められています。異分野で育った人材を融合させることで新たな価値を創造する狙い。理系学生の皆さんにとってはチャンス。就職活動を行う際には幅広い業界を研究してみてはいかがでしょうか。

自分の関心は歴史や文学にありました。就職を考えたときに頭へ思い浮かんだのは、「言葉」を扱う会社へ行きたいなということ。本を読んでいくうちに言葉の魅力へ魅せられたのです。言葉一つで人の心はこんなにも揺れ動く。自分が本を通じて味わった感動を、今度は会社での仕事を通して世間に伝えていきたいなと考えました。

就活開始一年前、世界を揺り動かす新ツールが現れました。そう、ChatGPTをはじめとする生成型AIです。AIは、まるで文豪のような瑞々しい文章をノンストップで記していきます。人間があれほど苦労して生み出してきた名文を難なく作り出していくのです。自分が仮に言葉を扱う会社へ入ったとして、生成型AIを上回るアウトプットをし続けられるでしょうか。AIがもっと賢くなったら私の活躍の場は失われてしまうかもしれません。

自分は文章を書くのが好きです。ブログ執筆ならば一日何時間でも続けられます。文筆を仕事にせずとも構いません。あくまで「趣味」として、採算度外視で文章を書き続けられる態勢が整っているのですから。PV数とコメント数の増加だけを目指して記事を書きます。お金を稼げなくてもいいんですよ。趣味だから何でもいい。それが趣味の強みではないでしょうか。

心を楽にできる場所がある。仕事の場に癒しを求める必要はない。仕事は仕事と切り分ければいい。ワークアズライフだなんて知ったこっちゃない。文系分野への就職にこだわらなくてもいい。理系でもいい。文系でもいい。正直言ってどっちでもいい。就職してお金を稼いで趣味に没頭できる余裕さえあれば文句はない。

文系分野に関心のある私は、趣味で文系分野との接点を作り続ける決意を固めて理系就職しました。後悔はありません。平日の夜や週末に趣味へ興じられて本当に楽しいですから^ ^

最後に

私は日本史が大好きでした。受験勉強の合間にも歴史書を手に取り、リフレッシュの時間を過ごしていたのです。しかし就職を見据えた打算から理系への進学を選択。専門科目への興味が持てず、自らの決断を後悩する日々が続きました。

この経験で学んだのは、大学生には学びの自由があるということ。履修科目の枠を超えて、自分の興味ある分野を趣味として探求できます。私は専攻とは別に、古事記や日本書紀から文学全集まで、幅広く学習を続けました。また、理系学部出身者には進路の選択肢が広がっています。専門性を活かした理系職種はもちろん、総合商社などの文系職種へも道が開かれているのです。私自身は文章を書く情熱を持ちながらも、趣味と仕事を切り分けて理系就職を選びました。

大切なのは、自分の関心分野との絆を失わない姿勢ではないでしょうか。仕事以外の場所に心の安らぎを見出せれば、進路選択の幅は更に広がっていきます。趣味を通じて自分らしさを保ちながら、理系ならではの強みを活かす道も目の前に広がっているのです。

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