北大八年目の化学系大学院生かめ (D2) です。今年で北大生活を終え、来シーズンからは地元の企業で働きます。学生生活を通じて培った知見を忘れぬうちに後輩の皆さんへシェアすることにしました。
北海道の大学生活は本州の生活と大きく異なります。本州と同じノリで生活しようとしたら必ずやひどい目に遭うことでしょう。私自身、下宿選びを間違えたせいで、学部生の間は毎年夏に体調を崩してしまいました。皆さんには同じ思いをして欲しくない。私の実体験から培われた知識を受け継ぎ、辛い思いをする人を少しでも減らすべく記事を書きました。
この記事では、北大生に向けた下宿選びのアドバイスを書き残します。これから北大へ進学する方や北大一年生の方にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただけると幸いです。
それでは早速始めましょう!
下宿選び
下宿選びのポイントは以下の3つ⇩
- ”絶対に”エアコン付きの物件に住め
- 大学からなるべく近い所に住め
- 寝坊しない方には北24条エリアがオススメ
それぞれについて解説していきます。
”絶対に”エアコン付きの物件に住め
津軽海峡以南にお住いの皆さん、北海道の夏へどのような印象をお持ちでしょうか?冷涼、湿気が少ない、緑が豊かで最高… どれもあながち間違ってはいません。北海道も「昔は」涼しかったのです。私が入学する少し前までは夏に30度を超えることは稀だったそう。自分が入学した2017年の夏は連日30度超え。おまけに湿気が強く、外に出るだけで汗がしたたり落ちてきました。夏場のコンディションの悪さは入学八年目の今年でも全く変わっていません。
本州の物件にはエアコンが標準装備されている印象があります。それに対し、北海道の物件はエアコンが備え付けられていないのが当たり前。夏場に30度オーバーの暑さが襲来するのを想定して作られていないのです。灯油ストーブや二重窓ならある。冬を越すための設備は満点。夏に対する備えはゼロ点。エアコンが無いから室温を下げられませんし、断熱仕様で熱がこもりやすい部屋設計のせいで日が暮れても室内が暑いまま。
私は学部一年次から学部四年次まで「エアコンなし」の南向き部屋に住んでいました。もうね、夏は灼熱地獄でしたよ。特に夜が辛い。暑すぎて全く入眠できません。消灯直前でも室温は30度。服を脱いで下着姿になり、窓を全開にしてもまだ寝苦しかったほど。ストレス過剰で胸に蕁麻疹ができてしまいました。あまりに暑すぎて体を壊してしまったのです。
大学院修士一年次からは「エアコン付き」の部屋へと引っ越し。おかげで夏の室内環境が劇的に改善しました。室温30度以下で寝られるように。睡眠時間を十分にとれたおかげか、夏に蕁麻疹ができることは無くなりました。入学した当初からエアコン付きの部屋を選んでおけばよかったなと深く後悔しています。北海道でも暑い。夏場はエアコンが必須。物件を探す際は、エアコンの備え付けられた部屋を選ぶようにしてください。
大学からなるべく近い所に住め
下宿先を決めるとき、親から「大学からなるべく遠い所に住んだ方が良いよ」と言われるかも。大学から近すぎる所に家があったら友達のたまり場になってしまうから、と。私の母も同じ忠告をしてきました。そうかそうか、ということで大学から少し離れた家を契約したのです。
大学へ入って真理を悟りました。家と大学の距離の短さは、友人のたまり場になる必要条件でしかありません。家がたまり場になるには家主が人気者である必要が。人が集まってくる性格だから家にも人が集まるし、大学に家が近ければなおさら人が吸い寄せられます。家に人が集まるには「人が集まる性格の持ち主である」のが十分条件。私みたいに根暗な性格の持ち主の家には誰も寄り付きません。高校から大学へ進学したからといって性格が劇的に変わるわけではない。根暗な人の性格はずっと根暗。陽気な人間には到底なれっこない。親から「たまり場になるから」云々と言われた方は、自分の性格をちょっとよく考えてみて下さい。陽気ですか?陰気ですか?部屋に人が集まる未来を描けますか?
私はドストエフスキーのような内向的人間。中学高校時代を通じて友達が3人しかできませんでした。学校帰りに誰かと一緒に遊んだことなど一度もありません。私みたいな友達の少なかった人間は、大学生になっていきなり部屋がたまり場になるリスクを一切鑑みずとも構わないでしょう。大学と下宿との間に距離を開ける必要性がありません。大学からなるべく近い所に住んでください。その方が講義へ行きやすくて便利です。大学の近所に住んでいれば、冬になって雪が積もったときも困りません。北海道の冬は-10度近くまで冷え込みます。外での移動時間を少しでも減らせられれば体への負担を抑えられるはず。
総合的に見て北12条エリアがオススメ
北大は南北に地下鉄三区間分もの長さが。177ヘクタールある札幌キャンパス内に11個の学部が散らばっているのです。東からは4つの門から入れます。正門、北13条門、北18条門、そして北20条門。一年次の講義を受ける教養棟は北18条門からのアクセスが便利。学部学科へ配属される二年次以降は移行学部によって分かれます。農学部と文系学部は正門から、理工系と医療系は北12条門から、獣医学部には北18条門からが近いです。
学部別入試や総合文系でご入学の皆さんは、二年次以降の配属学部へのアクセスを考えて下宿エリアをお選びください。冬場、歩いて大学へ通うことを念頭に置いて慎重に決めていきましょう。総合理系でご入学の皆さんは、北12条エリアで下宿を探しておけば間違いありません。北12条からなら、北へも、南へも、西へもどこへだって同じぐらいの時間で辿り着けます。北12条エリアは札幌駅から近く、飲食店やスーパーもあって何かと便利。ただち、北12条以北より家賃が若干高め。家賃の高さが気になる方は北18条エリアで家をお探しください。
まとめ
北海道大学での下宿選びにおいて、最も重要な3つのポイントを提示しました。
第一に、近年の北海道の夏は本州並みの暑さになっているため、エアコン設置は必須条件です。エアコンなしの部屋では夏場の睡眠障害や健康被害のリスクが高まります。第二に、友人のたまり場になることを懸念して大学から離れた場所を選ぶ必要はありません。むしろ、冬季の通学や日常生活の利便性を考慮して、できるだけ大学近くに住むことがオススメです。第三に、特に理系学生には北12条エリアが推奨されます。このエリアはキャンパス内のどの施設へのアクセスも良好。生活利便性も極めて高いです。
本記事が北大生の生活に役立つことを祈って執筆を締めくくります。
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