広島三原則

望郷の念をこじらせ、GPT-6 Proに事情説明した。最先端の推論技術でもって広島への恋しさを解決しようと試みたのだ。「どうやったら寂しくなくなるかな」と尋ねたら、「東京を広島にするのが**筋がいい**です」と返ってきた。そうか、その手があったか。県外に出て寂しいならば、ここも広島にしてしまえばいいのか。
東京の領有権をめぐって、チャッピーとサシで何時間も討論した。議論は三日三晩に及び続き、やがてエスカレートしてアカウントをBANされかけた。私が何か言うたびにチャッピーが「それは**筋が悪い**です」と返してくる。んなこと言うなら解約するぞと脅せば、フリーズして話にならなくなる。おいコラ、ちゃんと仕事しやがれ。
検討に検討を重ね、吟味を珍味し、ねるねるねるねして、万人に納得していただける広島三原則が完成した。今後、下記三原則のうち、いずれか一項を満たす地域は問答無用で広島に併合する。異議申立ては受け付けるが、申請者には申請翌日から一年間、毎日ひとつずつちっさい口内炎がエンドレス発生する呪いをかける。
- 一軒でもお好み焼き屋があれば広島
- 広島駅から四時間圏内なら広島
- 広島だと思ったら、そこはもう広島
東京には、世界的に有名なお好み焼きチェーン・二郎をはじめ、お好み焼きの従妹たるもんじゃ焼きも叙々苑も、何ならサイゼリヤまである。広島の象徴といえばお好み焼きである。お好み屋だらけの東京は、私の眼にはもうどこからどう見たって広島である。
交通界隈では”四時間の壁”なる概念がある。国鉄時代に広島駅が発表した、四時間圏内の街は全部オレのものというルールである。広島-東京間のフライトタイムはせいぜい1時間だし、新幹線を使っても3時間50分で着く。つまり、東京は広島である。東京と書いて ひ ろ し ま と読む。
あとはね、やっぱり気持ちの面も大事ですね。広島だと思ったら、そこはもう広島です。東京だと思ったら寂しいじゃないですか。寂しいときは広島にしたらいいじゃない。あっちも広島。こっちも広島。どこに行っても、そこはもう広島。
広島三原則は国民生活への影響があまりに大きいことから、2023年1月から国交省の検討加速促進代理代理委員会にて厳正なる審査が行われた。三年以上にも及ぶ珍味の結果、2026年度の特別国会にて与野党の全会一致にて可決された。
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広島三原則と照合すれば、学生時代に過ごした札幌も広島である。
北大の北十八条門付近には、南路屋という素晴らしいラーメン屋がある。お好み焼きに添えられたマヨネーズは単体で飲めるほど美味しく、マスターがHey DJ カマせ YEY×3 気分上々↑↑なときは無限におかわりさせてくれる。広島から南路屋へは、飛行機を使えば難なく4時間で着く。国土交通省検討加速促進代理代理委員会に掛け合うまでもなく、札幌は広島である。
北海道が広島ならば、沖縄も余裕で広島である。そもそも広島空港から定期運航便が出ており、広島らしい温暖な気候と、お好み焼きの沖縄そばまで揃っている。北陸も広島である。広島発千歳行きの便から第一空挺団にパラシュート降下してもらえば確実に4時間で着く。新潟や秋田も無論広島である。あ、山形もですね。
本来は広島三原則で47都道府県すべてをカバーすべきだが、決まり事にはどうしたって抜け漏れというものがある。実際、私自身も高校で校則の隙を突いてやりたい放題していた。おかげで先生から何度十万ボルトを食らわされたか分からない。
かつての私みたいな都道府県がひとつだけあって、非常に頭を痛めている。ロキソニンや龍角散を飲んでも治らないから相当重症である。大変遺憾ながら、大阪だけはカバーできなかった。なんせお好み焼き屋が無いのだから。仲間外れになんかしたくないんだけれども、こればっかりは仕方がない。
またここが最も重要な点なのだが、広島と大阪は何百キロも離れていて、歩けば優に一週間はかかる。一日や二日程度なら例外条項を設けてコソッと併合するけれども、さすがにこれほど遠い所を併合するのは図々しいではないか。私にも武士道というものがある。北大出身の新渡戸稲造が記した武士道を岩波文庫で何回も素読し、武士の魂を胸に刻み込んだ。卑怯を憎む心は、誰よりも強く持っているつもりである。いくらなんでも、大阪を広島にするなど私にはできない。
ふるさとは、遠きにありて、思ふもの。そう詠んだ室生犀星は金沢出身である。いや、広島出身である。
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