【資格】日商簿記2級に88点で一発合格した勉強法

こんにちは!札幌と筑波で電池材料研究をしている北大化学系大学院生かめ (D2)です。M1の2月に日商簿記検定3級を受けて合格し、M2の3月、ようやく日商簿記検定2級に合格しました。3級にすんなりと受かったので、2級も楽々合格できるかな?と軽い気持ちで勉強し始めました。しかし、苦戦続きで何度も諦めそうになるほどめちゃくちゃ苦労させられました。

この記事では日商簿記3級に受かってから2級に受かるまでの一部始終を記します。

  • 簿記検定を受検しようと思った動機
  • 上手く行った/失敗した勉強法

これらについて解説するので是非最後までご覧ください。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

日商簿記検定2級を受検しようと思った動機

そもそもなぜ”簿記検定にチャレンジしよう”と思ったか?【会計知識を持つ理系人材になりたかったから】です。

実験室でビーカーを振り回したり実験を効率よく進めたりするだけなら会計の知識など不要です。しかしそれだと大学院修了後に企業や研究所へ入っても”ただの”研究者や技術者で終わるでしょう。上層部から見ればただの『駒』、または『歯車』に過ぎません。いくら図抜けた研究業績を持っていようと他人との明確な差別化には繋がらず、傍から見れば自分は他人とほぼ均質な存在なのだという事。

己を他者と『違わしめる』ためには理系的”ではない”スキルが求められます。私の脳味噌で考えた末、それは【会計知識】だと判断しました。理系人材が何かを勉強する際、化学物質 (危険物取扱者)や電気回路 (電気主任技術者)などといった専門知識を得るべく勉強します。一方で、人材をマネジメントする側に求められるお金の知識は盲点になりがち。お金の勉強なんてしても普段の仕事では役立たないから勉強しようとも思わないはず。まぁ、理系的な勉強が相当ハードなので会計の勉強にまで手が回らないのも一因でしょうが、勉強しなければしないほどお金(や人材)を管理する側から遠ざかり使われる側となってしまうのです…

私の場合、大学院博士課程修了後は企業 (or国研)に就職しようと思っています。よって、いずれにしろ入社/入構当初は管理職にこき使われる立場となるわけです。でも一生こき使われる側では終わりたくありません。いずれはこき使う側にも回りたいんです。マネジメントする側には会計知識がおそらく求められるでしょう。そこで就活の際、”既に将来を見据えて動いているんだ”と組織の幹部になる意欲をアピールすべく、大学院修士一年次の2022年1月に簿記検定への挑戦を決意しました。なお、簿記合格へ向けた勉強は大学で行う研究の気分転換としての位置づけでもあります。簿記って電卓をたたいて計算しまくる単純作業でありますから、研究と比較しても脳味噌を使わず楽に勉強できて気分をリフレッシュできるのです(≧∀≦)

M1の2月、3級に合格し、それを機に簿記の勉強から離れても問題ありませんでした。簿記の資格を1個持っていたからといって即・企業の幹部候補になれるわけではないし、簿記の資格はあくまで”お金の勉強をする意欲があるんだ”というアピール目的 (面接官に媚を売るため)に過ぎなかったから。しかし、2級の試験内容を確認すると、『工業簿記』というメーカーの管理職が勉強必須の分野が含まれていると分かりました。さらに調べてみれば、”工業簿記を勉強すればどのメーカーに入ってもお金の巡り方の見当が付く”という驚愕の事実も判明しました。あまりにも楽に3級へ受かってしまい、ちょっと力を持て余していた所。(いっちょやってやるか…!)と決意を固め、日商簿記2級制覇への道を歩みだしたのです。

日商簿記検定2級に合格するまでの一部始終

2級受検を決意してから合格証書をGETするまでにかかった期間は1年1か月。勉強開始前は”3ヵ月程度で受かるだろう^^”と甘く考えていたものの、燃え尽きたり勉強が嫌になったりして想定の4倍以上の時間を要したのです。以下では2級合格までの足跡を5パートに分けてご説明します。

  1. 3級合格直後(2022年2月)~燃え尽きるまで (2022年6月)
  2. 簿記の勉強から離れた時期 (2022年7月~11月)
  3. 一念発起し勉強再開!まずは簿記解説動画から (2022年12月)
  4. 動画で得た知識をテキストで再確認。演習問題で知識を知恵に変える (2023年1月)
  5. ガリガリひたすら問題演習 (2023年2月)

それぞれについて一つずつ解説します。

3級合格直後(2022年2月)~燃え尽きるまで (2022年6月)

3級合格後、1週間の休憩ののち2級合格へ向け始動しました。あまり期間を開けすぎると勉強した知識が抜け落ちてしまって勉強し直さねばなりませんから、「ふぅ」と一息ついて体力を充電して直ちに勉強し始めたのです。3級合格直後とあってか、勉強のモチベーションは非常に高かったです。簿記について何も知らない所から3級合格までこぎつけたのだから、その勢いで2級まで一気に征服するつもりでした。

しかし、世の中そんなに甘くない。2級の教科書を前に悶え苦しむこととなりました。3級と比較して範囲や難易度が爆上がりした商業簿記の勉強に大々々苦戦させられたのです。特に『連結会計 (親会社と子会社を”連結”して一つの会社と見立てた時のお金の流れ)』の理解が捗らない。一か月かけて教科書を熟読して理解に励んだものの、何が何やらサッパリ分からない有様。気分転換に工業簿記の教科書を読んでもやっぱり頭へはてなマークが浮かぶ。”仕掛品”や”原価差異”など新たに登場した概念の実態をいまいち上手く捉えられず、教科書を半分ぐらい読んだ段階で「無理だわ…( ノД`)」と挫折してしまいました。再度商業簿記に戻っても、相変わらず連結会計については不明瞭なままでした。

かめ

もしかして自分には簿記が向いていないのかな…

このように思い詰めた末、2022年6月末に簿記2級チャレンジを一度放擲してしまいました。

簿記の勉強から離れた時期 (2022年7月~11月)

私は音にすごく敏感。自分の叩く電卓の音さえ少し嫌になっていたんです。まして、人の叩く電卓の音なんて耳に入ろうものなら頭がおかしくなってしまう。簿記3級を受検した際、隣で試験を受けていた受検者の電卓操作音があまりにうるさくてトラウマを患ってしまったほど。自分が電卓を叩くたび試験の記憶が呼び覚まされて手がブルブル震え始めるほど症状は悪化。そんな時に無理して勉強したって余計にストレスをためるだけ。テキストや電卓を本棚の奥にしまい、簿記から離れて体を解き放ちました。

”大学の夏休みが明けたらリスタートしよう”と決めて簿記からいったん離れました。ただ、ストレスが抜け切るまでに想定以上に時間がかかりました。おまけに、9月初旬に受けた国内旅行業務取扱管理者試験で不合格となって超ショック。それらなかなか立ち直れずに11月末からの再出発に。5か月間もの休養のおかげでトラウマの記憶が脳からほぼ消え去りました。加えて、インフルエンサーのひろゆきさんが「とりあえず簿記2級はとっとけ」的なことを喋っている動画を見た影響で勉強へ前向きになってきた。『そもそも自分はなぜ簿記2級に受かりたいんだ?』と原点に立ち返ったのも私の勉強意欲の引き立て役に。『会計も分かるレア理系人材になりたいんじゃなかったのか?そんな簡単に諦めていいのか?』と自信を問いただして奮起を促し、「こんな所でくたばってたまるか…!!!」と逆境を前にハートを燃やして戦線復帰を果たしたのです。

一念発起し勉強再開!まずは簿記解説動画から (2022年12月)

簿記2級合格に向けた再出発ではゼロから勉強をやり直すことに。(基礎があやふやだから発展的な内容が分からないのであって、基礎さえ掴めば後は問題演習をこなすことで徐々に分かるようになってくる)と考えたのです。

テキストベースの勉強法にも限界を感じ、動画主体の勉強法に180度ガラリと切り替えました。YouTuberのふくしままさゆきさんがお作りになった簿記2級対策動画を全部閲覧してじっくりと理解。ふくしまさんの動画は本当に分かりやすい。あれほど意味不明で大苦戦していた連結会計の全貌を一瞬で理解できてしまったほど。躓いていた工業簿記の勉強もあれよあれよと進みました。ふくしまさんのおかげで簿記2級の基礎を1か月でガッチリ固められ、(今度こそは行けるんじゃないか…?)と希望を抱いて次のステップへと進みました。  

動画で得た知識をテキストで再確認。演習問題で知識を知恵に換える (2023年1月)

動画を見ていきなり問題演習に進む勇気は流石にありませんでした。動画→”教科書”→問題集とワンクッション挟まなくては問題集を解き進めるイメージが湧いてこなかったのです。教科書と問題集については気分一新のため、以前使っていたものとは別の新しい教科書を用意しました。使ったのはCPA会計学院の『いちばんわかる 日商簿記2級 商業簿記/工業簿記の教科書』です。このシリーズの3級Ver.を使って3級合格を掴んでいたから、”縁起を担いで2級も同じシリーズで行こう”と考えコチラのテキストを選びました。テキストに『いちばんわかる』と書いてある通り、本書は事項の説明が大変分かりやすく記載されています。勘定科目の説明が不足していて(資産なの?費用なの?)と迷子になっちゃう箇所が数か所ありはしたものの、それ以外の箇所は使いにくさを全く感じず、以前使っていたTACの『みんなが欲しかった!』シリーズより思考が整理された感覚があります。

上記の教科書を活用し、基本事項の確認と基本問題の演習に取り組みました。問題演習の際は目で確認して終わらせるのではなく必ず手を動かして解くようにし、問題を見た瞬間に手が動き出すよう何度も何度も解く訓練を。また、解き方を覚えて済ますのではなく原理原則を理解しているか確かめながら一問ずつ丁寧に取り組みました。もし解法の暗記に走ると試験本番で問題をひねられた際に手も足も出なくなっちゃいますから、一問解き終わるたびに

  • お金の流れをちゃんと理解しているか?
  • 数値を変えられても解けるか?
  • (もし間違えた場合)どうすれば同じミスをせずに済むか?どこを理解し違えていたのか?

と深く反省する時間を作ったのです。教科書自体は2冊とも3周ほどこなした記憶があります。”もう問題演習へ進んでも大丈夫だ^^”と確固たる自信を育み問題集にアタックしていきました。  

ガリガリひたすら問題演習 (2023年2月)

問題演習へ入る前に試験日を決めておこうと考えました。締め切りを設けないとダラダラ勉強してしまっていつまでも終わらなくなる気がしたのです。2月下旬の試験日程で検索してみた所、札幌のテストセンターがどれも満席で予約不可。3月も非常に混み合っており、電卓音のトラウマを蘇らせないために空席の多い地域を探しました。実家の広島、実験出張先のつくばの両方で検索すると、”3月初旬のつくばはガラガラだ”ということが分かりました。そこでつくばのテストセンターに予約を入れ、簿記の試験に合わせる形でつくばへの出張実験の予定も入れました。

試験日を決めると私のやる気が俄然高まってきました。「絶対受かるぞ…!」と目をカッと見開きながら本屋へと向かい、テキストと同じく『いちばんわかるシリーズ』の問題集を2冊購入。

本書の非常に良い所は、基本問題パートの問題と解答が見開きで構成されている所。普通の問題集は問題と解答が離れた箇所にあるため(どこに答えがあるんだ…?)と該当箇所を探すのに手間を要するのに対し、本書は問題の隣に答えがあるため演習後ノータイムで答え合わせをし始められます。加えて基本問題の網羅性が非常に高い。しっかりと基本問題を理解すれば本試験レベルに手が届くほど自ずと実力を高められるのです。問題集に関しては、一発で解けた問題は3回、解けなかったor解くのに手間取った問題は5~7回ほど取り組んだ記憶があります。最終的には”本試験でどの問題が出てきても瞬時に手を動かし始められるぞ!”と自信を持って言えるようになるまでガリガリと演習を行いました。

問題集を3週間ほどでおおよそ極められたのですが、まだ試験までに2週間ほどフリーな時間がありました。何もせず試験を迎えるのも何だか危険な予感がし、別に試験形式の問題集を購入して実戦形式で演習を行いました。使用したのはTAC出版の『スッキリうかる日商簿記2級 本試験予想問題集』。”9回分”という2週間で複数回こなすにはちょうど良いボリュームだったのと、表紙にも載っているゴエモンくんとドラミちゃんがあまりに可愛すぎて購入を決断したのです⇩

カバーはどこかへ消えました…

本書を使って制限時間のもと演習をやってみた所、とりあえず全ての回において制限時間内で解答を終えられました。ただ正答率の方が芳しくなく、合格ラインの70点を超えるか超えないかという所をフラフラさまよっていた形。凡ミスしたのはごく僅か。今まで解いたことのなかった問題が解けなかったり、知らない知識が出題されて分からなかったりとイレギュラーな不正答が目立ちました。また、ヘビーな連結会計には手も足も出ず、急いで対応する必要があると分かりました。加えて工業簿記の原価計算で根本的に理解し間違えていることに気付かされ、慌てて教科書と問題集を引っ張り出してきて何度も再確認を行いました。  

試験本番 (2023年3月4日)

試験当日の朝は6時半ごろ最高の目覚めで起きました。試験に対して微塵も不安に思う気持ちがなく、(なんか今日は行ける気がするなぁ^^)と吉兆を予感したのです。試験の始まる15時までは研究所でデータ解析して過ごしました。あまり良いデータが得られず少々落ち込むこととなりましたけれども、(ツキは簿記2級合格のために取っておかなくちゃな👍)と自然と前向きになれたのです。テストセンターへ向かう我が足取りは非常に軽かった。『やれるだけやってきた。もう悔いはない』と言い切れるほど努力してきましたし、正直言って落ちる気が全くしませんでした。

試験会場の駅ビル3Fに着き、受付で手続きを済ませます。会場は全く混雑しておらず空席が目立ち、(コレは集中して試験を受けられそうだな…!!)としめしめと思っておりました。嬉しい誤算だったのが耳栓を支給していただいたこと。1年前に札幌で簿記検定を受けた時には耳栓の着用は不可でしたから、この一年で何かしらルール変更があったみたいです。イヤーマフ & 耳栓という最強の防音態勢を敷けたおかげで完全集中モードに入れました。胸に手を当て深呼吸し、「よし、やるぞ」との掛け声とともに試験開始ボタンをクリックしました。

大問は①→⑤→④→③→②の順に解答。試験内容の詳細は書けませんが、鬼門の連結会計は出題されず、工業簿記は直前に理解のし間違えが発覚した全部&直接原価計算が出されました。パソコン上での問題演習に慣れていなかったため、試験開始2分後までは問題文が頭に入らず(ヤバいぞヤバイぞ…)とパニックに陥りました。ただ、深呼吸して問題を見据えると(普段解いていた問題よりずっと易しいじゃないか^^)と安心でき、以後、落ち着いて一問ずつ問題を片付けていって全問完答できたのです。急いで解いた影響か、試験時間を30分ほど余らせてしまいました。途中退席は失格となるから30分間座っていなくちゃなりません。そこで目を瞑り、これまでの苦節の日々を振り返ってみました。(一度勉強を放擲したあの状況からよく復活して戻ってこられたなぁ…)と感極まって泣きそうになり、急遽振り返りを中止して回答の見直しに時間を費やすことに決めたのです…笑

試験終了1分前となり、机上にボールペンを置き手を合わせてパソコンへ向け合掌しました。”頼む、受かっていてくれ!”と願をかけたり天へ祈ったりと運気をかき集められるだけかき集めました。試験時間が0分となり、直ちに採点が始まりました。10秒ほどで画面には採点結果が。結果は合格88点での金星。1年前に受けた簿記3級は82点での合格でした。3級から2級にステップアップしたのに6点も上げられすっごく嬉しかったです*^^*。大問ごとの配点と点数は以下の通り⇩

  • 商業簿記 仕分け:20/20
  • 商業簿記 株式資本等変動計算書:20/20
  • 商業簿記 決算:20/20 (商業簿記は満点!)
  • 工業簿記 仕分け&財務諸表:12/28 (ココでかなり躓いた…)
  • 工業簿記 直接&全部計算:12/12

大問4以外は全て満点、総得点も自己ベストと満足のいく結果が得られました。大問4だけどうしてこんなに点を落としたのか疑問符が付いてしまいます。仕分けでミスしたのか、財務諸表でへまをやらかしたのか、ちょっとよく分からないですね。

最後に

日商簿記検定2級に合格した勉強法については以上です。次は1級!と言いたい所ですが、さすがに1級は受かる気がしないので自重しておこうと思います。

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