こんにちは!札幌と筑波で電池材料研究をしている北大化学系大学院生かめ (D2)です。D1の1月中旬より就活を始め、それからおよそ一か月で某大企業へ内定しました。
就活の際、M2の3月に取得した日商簿記2級が内定を得るのに大変役立ちました。この記事では、理系学生が就活を有利に進めるために日商簿記2級(簿記2級)を取るべき理由を解説します。
それでは早速始めましょう!
簿記2級を取るべき理由
簿記2級を取るべき理由は3つあります。
- 就職先選びの際に簿記2級レベルの知識が重宝するから
- 理系学生の大半が持っておらず、持っているだけで他者と容易に差別化可能だから
- 専門性×会計知識で会社の経営状況に応じた複眼的な提案ができるから
以下で一つずつ解説します。
就職先選びの際に簿記2級レベルの知識が重宝するから
せっかく就職するのですから、簡単につぶれてしまいそうな企業を選びたくはありませんよね。企業の現状はホームページをボーっと眺めているだけでは分かりません。就活生向けに記された美辞麗句にコロッと騙されてしまう可能性も。絶対に入ってはいけないブラック企業をついつい選び、後で泣きを見ることになるのです。企業の力やポテンシャルを伺うには決算資料の『財務諸表』を見なければいけません。パランスシートや損益計算書、キャッシュフロー計算書などを見て、その会社の懐事情や経営方針についてじっくりと観察する必要があるのです。文系だけではありません。理系の人間も財務諸表を見て下さい。財務諸表を見ずにネームバリューで会社を選んだら危ないです。
何やかやと様々な項目や数字がごちゃごちゃと記されている財務諸表。初めてご覧になった方には何か暗号が記されているように見えるかもしれません。ですが、簿記2級レベルの知識があれば何が書かれてあるのか分かります。各勘定科目の増減が何を表しているのか、それが良いのか/悪いのか、来年はどうなりそうかまで洞察できるのです。3級レベルだと分かりません。2級まで行ってようやく理解可能。盤石の経営基盤を持つ企業を選び抜くには最低でも2級レベルの知識が必要。どうせ簿記の勉強をするなら資格まで取っちゃおう♪ ということで、研究の気分転換に簿記2級へ挑戦されてみては如何でしょうか?
理系学生の大半が持っておらず、持っているだけで他者と容易に差別化可能な資格だから
”簿記”といえば文系のイメージ。皆さんは「理系が簿記?なんで取らなきゃいけないの…?」とお思いになったかと存じます。理系が簿記と無縁かといったら、決してそのようなことはありません。物を作るのにもお金が必要。物を作るための材料を調達するにもお金のやり取りが不可欠。このように、いくら理系人材といえども簿記との関係は切っても切り離せません。会計は会社の生命線。会計の玉の緒が絶たれてしまわぬよう、会社の経営陣は今日も慎重に舵取りをしています。
簿記の概念やその知識は理系技術者にとっても不可欠。しかし、理系学生の大半が簿記の資格を持っておりません。資格はおろか、会計知識さえ皆無。普通科の高校に通っていたら簿記に触れることさえないでしょう。そもそも私自身、大学へ入るまで「簿記」という言葉さえ知りませんでした。初めて”簿記”という言葉と出会ったとき、簿記を”はっき”と読んでしまいました。無知にも程がありますよね。私のように簿記を読み間違える人間は少ないでしょうが、簿記の知識を有する人材は希少、いや、”皆無”と言っても良いでしょう。
裏を返せば、コレって相当なチャンスですよ。”簿記の知識を有している”と証明できれば、(この人はちゃんと会計の重要性を理解しているんだな)と相手から高く評価してもらえますから。文系学生が簿記2級を持っていても何も珍しくはありません。理系学生が簿記2級を持っていたら相当珍しいです。私の研究室の中で簿記の資格を持っている人間は私の他に一人だけ。簿記2級を持っているだけで他の就活生と容易に差別化が可能。差別化できれば面接官の印象にも残りやすいですし、内定する確率をググっと高められること間違いありません。
理系が簿記の資格を取得するには、自発的に勉強する機会を作らねばなりません。そうでもしないと企業へ入るまで全く簿記との縁がありませんからね。”簿記の資格を取得しようと思った”という自発性まで就活でアピールできるわけです。自ら進んで行動を起こし、努力を積み上げて成功までこぎつけられる人材を企業は放っておきません。
専門性×会計知識で会社の経営状況に応じた複眼的な提案ができるから
会社に入って何か新事業を企画しても、それが会社にとってどのように利益に繋がるか説明できなければ企画は採用されないでしょう。必要な予算はどれぐらいか、どの程度の人員が必要か、損益分岐点はどれぐらいか、撤退するのはどのタイミングか…など、お金にまつわる様々な懸念を払拭して初めて企業で新規事業に挑戦可能。いくら専門知識で武装しようが何の役にも立ちません。会社の規模や情勢的に不可能な事業計画ばかり立てられても役員には迷惑でしかない。専門性と会計知識の二本立てによる複眼的な提案が求められているのです。その際、簿記の資格は必要ありませんが、簿記の資格勉強で得られる会計知識は大いに必要あるのです。
これからの時代、国境の壁が溶けて失われていくにつれ、ありとあらゆる企業は世界との競争に見舞われてしまいます。変化の速度は益々早くなり、少しでも気を抜いたらもうキャッチアップ不可能になってしまうでしょう。会社はあえてリスクを冒して新規事業を次々と打ち立てねばなりません。なるべく多くの事業を有し、経営を多角化させることで生き残る確率を少しでも高めるために。会社側がいくら新規事業を欲しているとは申せども、社員の持ってくる企画を何でもかんでも通すわけにはいきません。少しでも成功する見込みの高そうな企画を採用したいというのが人情。会計知識を有していれば、専門知識と会計知識に裏付けられた企画を提案できるはず。簿記の知見が役に立つわけです。簿記の下地ゼロの人間よりも下地がある人間の案の方が魅力的に聞こえます。
自分の案を採用した会社の業績が良くなったら嬉しくありませんか?自分の属する会社を自分の手で助けるには簿記の知識が不可欠なのです。
まずは3級から。次に2級へ挑戦!
簿記2級の合格には300~500時間の勉強が必要と言われています。内容は本格的。いきなり2級の勉強に挑戦したらひょっとすると挫折してしまうかもしれません。特に商業簿記の『連結会計』というカテゴリーが鬼門。じっくり腰を据えて勉強しなくては何が何だか訳が分からなくなってしまうでしょう。
そこで、まずは3級から取り掛かるのをオススメします。3級なら2級よりも簡単。簿記の勉強をしたことが無くても50~100時間の勉強で合格が可能。3級に合格後、勉強意欲が衰えていなければそのまま2級にチャレンジして下さい。一年単位でのんびりやるのでなく、3~4か月程度の短期集中型でクリアするのを推奨します。
最後に
理系人材への日商簿記2級のススメはコレで以上。理系の皆さんが簿記に関心を持ち、会計知識を使って就活や入社後に企業で無双する手助けになれば幸いです。
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