北大と国研で研究している化学系大学院生かめ (D2) です。修士課程在籍中にJASSO第一種奨学金を受給し、返還額が半額免除になりました。業績がもう少し多ければ全額免除だったはず。自分のミスによって業績を取りこぼした末、100万円相当の収入を失いました1。
奨学金返還免除を目指すのであれば、「どのような業績が返還免除を手繰り寄せるか」を知り、効率良く業績を集めていく必要があるでしょう。そこでこの記事では、奨学生向けに、JASSO第一種奨学金の返還免除に必要な業績を難易度順に7つ紹介していきます。返済免除を目指している方にピッタリな内容なのでぜひ最後までご覧下さい。
それでは早速始めましょう!
【難易度A】講義でオール「優」以上を取る
奨学金返還免除レースで勝ちたい方は、大学院の講義で好成績を修める必要があります。オール優以上はマスト。余裕のある方はオール秀を目指してみても良いかも。講義成績でオール優以上を取れば奨学金返還免除ポイントが加算されます。一つでも良や可を取ってしまったが最後、講義成績ポイントを得られません。更に、専攻内の成績上位1/4程度の学生には追加でポイントが与えられます。オール秀なら「オール優以上」ポイントと「成績上位」ポイントの2つを間違いなく確保できるでしょう。
大学院の講義は学部時代よりも好成績を取りやすい傾向が。全ての講義に出席し、丁寧に課題をこなして提出するだけで優は手堅いでしょう。成績の取りやすい講義を選んで受ければ成績表にオール秀を並べるのも可能。大学院生の本分は研究ですが、返還免除を狙うのならば講義や課題でも手は抜けません。ちなみに私の場合、とある集中講義でレポートをひとつ出し忘れた結果、ものの見事に”良”を被弾。「オール優以上」ポイントと「成績上位」ポイントの両方を一度に失ったわけです。全額返還免除にならなかったのは、講義成績ポイントの取りこぼしによるものと考えています。
【難易度A】TAやRAをやる
講義で教員の補助をするTA (ティーチング・アシスタント) やRA (リサーチ・アシスタント) の実施経験も返還免除業績に入ります。TAとRAそれぞれでポイントが加算される仕組み。両方やれば二項目で得点可能。返還免除を狙っていらっしゃる方は、先生に頼んで2つともやらせてもらってください。私の専攻ではほぼ全ての学生がTAかRAをやったことがあるようです。一度もやったことのない学生はこの項目で点を取りこぼすことになり、他の学生と大きく差が開いてしまって免除が遠のくでしょう。
【難易度B】学会で発表する
当然、学会発表も返還業績に入ります。ポスター/口頭の別を問わず、一つの学会で発表するたびに学会発表ポイントが加算される仕組み。国内学会よりも国際学会での発表の方がより高い得点が入るようです。なるべく少ない発表回数で返還免除ポイントを上積みしたい方は国際学会へ出るのがオススメ。国内学会と国際学会それぞれへの参加でたまったポイントは「学会発表ポイント」として統合されます。”国内学会発表ポイント”や”国際学会発表ポイント”などというものはありません。
一つだけ注意点が。学会発表ポイントには上限があります。たとえ何百回発表しようとも、加算上限を超えた分のポイントはノーカウントになってしまうようです。学会へ出すぎても意味がないということ。学会発表ポイントが加算される分以上に頑張っても仕方がないので気を付けて下さい。一つの目安として、国内学会4回分までが得点に。学会発表ポイントで満点を狙うなら、国内学会4回、または国内学会1回&国際学会2回ぐらいが無理なく超えられるラインでしょう。
【難易度C】学会で学生講演賞を取る
学会では学生に対して講演賞が授与される場合が。賞の選考対象は修士学生に限りません。学部生や私のような年上の博士学生までもが選考対象なのです。学生賞は学会発表者のうち上位10%しか取れない難関。講演内容や質疑応答の質の高さが突出していれば表彰されます。もしも学会で講演賞を取れたら、返還免除レースで他の学生と大きく差を付けられるでしょう。講演賞を貰える学生は専攻内でもごく少数だからです。学会賞の有無が返還免除レースの行く末を左右すると言っても過言ではありません。ちなみに、私の周りで返還免除を勝ち取った方は漏れなく学会賞獲得経験者でした。
【難易度D】学術論文を出版する・特許を出願する
講演賞獲得よりも難しいのが論文出版。いくら学会へたくさん出て賞を獲得したとしても、修士在籍中に研究成果を論文にまとめて出版できる方はごく僅か。特許の出願も同様に困難。特許にできる革新的な研究に携われるかどうかは運次第でもあります。裏を返せば、論文出版や特許出願ができれば他の学生と大きく差を付けられます。論文も特許も出せば出すほどより沢山のポイントが加算される仕組み。
論文出版は努力次第で可能。頑張れば頑張るほど多くの論文を出せます。私自身、修士在籍中に計四報の論文を出せました。この本数は、専攻内で最も多かったようです。そんな私でも特許はゼロ件。研究の性質上、特許にできるような要素がありませんでした。全額免除になった同期は特許を一件出していました。こういう所で差を付けられてしまえば到底勝ち目はありません。
【難易度E】専攻内のボランティア活動に従事する
学部や専攻内で催される公式イベント (文化祭, 体育祭など) のボランティア活動に従事すれば免除ポイントが加算されます。参加するのはとっても簡単。学会で賞を取るより何億倍もイージーでしょう。しかし、私はこの項目を取りこぼしました。ボランティアの募集が掛かった際、ポイントが加算されるなどとは知らず、「面倒くさいから行きません」と参加要請をお断りしたからです。奨学金返済免除ポイントの加算要件を知っていれば喜んでお手伝いしました。この記事をご覧の皆さんは学部や専攻内ボランティアへ積極的に参加することをオススメします。
【難易度X】世界大会で入賞or優勝する
体育学科やスポーツ科学科など、体育学系の専攻へ所属している方は世界大会での入賞も業績になります。オリンピックや世界選手権、ワールドカップなど何でも構いません。国際大会で上位の成績を収められればポイントが加算されるようです。我々非・体育学系専攻の学生がいくら世界で入賞しても業績にはなりません。入賞が業績になるのは”体育学系専攻”の方のみ。世界レベルの競技者にはバックにスポンサーがついているでしょう。正直、奨学金返還が免除になろうがなるまいが、どうでも構わないかもしれませんね。
最後に
JASSO第一種奨学金の返還免除に必要な業績を難易度順に7つ紹介しました。皆さんの奨学金返還免除レース突破の一助になれば幸いです。
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