【参考書】「大学受験数学は青チャートだけやっておけばいい」と言われる理由

北大と国研で研究していた化学系大学院生かめです。北大総合理系へ次席入学後、同大学博士課程を一年短縮して飛び級修了しました。

現役時代は京大を受けて不合格。一浪のすえに北大へ受かりました。現役時代の敗因のひとつは「多くの参考書に手を出してしまったこと」。どれ一つとっても完璧にせぬまま本番を迎えてしまったのです。特に数学の不出来は致命傷でした。現役では六点足らずに不合格。その要因は、二次試験の数学で三割しか取れなかったところにあります。

現役時代に受験数学対策で最初に着手したのは青チャート。高校時代を思い返すたびに(青チャートだけやっておけばよかったのになぁ)と後悔が募ります。青チャートには受験で合格点を確保するのに必要な全ての要素が詰まっているのです。もしも自分が受験生時代に戻って受験し直すとすれば青チャートだけをやり込むでしょう。

「青チャートだけやっておけばいい」
このように言っているのは私だけではありません。塾講師やYouTuberをはじめ、多くの方が口を揃えてそう仰っています。この記事では、「大学受験数学は青チャートだけやっておけばいい」と言われる理由を解説しました。受験数学対策でお困りの方や青チャートに関心のある方にピッタリな内容です。ぜひ最後までご覧ください。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

知っておくべき知識が全て載っているから

青チャートの魅力は網羅性。受験数学攻略にあたって必要な知識をほぼ全て揃えられます。

では、数学攻略に『必要な知識』とは何でしょうか。公式?概念?大切なのに違いはありません。しかし、これらは教科書で十分学べるでしょう。三角関数の加法定理がなぜあんな形なのか。確率やベクトルや微積分とは何なのか。教科書は、本質を突く丁寧な説明でもって我々の理解を促してくれます。

教科書では困難で青チャートなら可能なもの。それは、「問題の解法」を学習すること。問題へどのように切り込んでいくのか。どのようなツールと考え方を用いて着手するのか。青チャートの例題を使えば解法を会得していけるでしょう。青チャートには全ての問題に解答が付いています。分からない問題へ出くわしたとしても答えを読んで理解を深められるのです。教科書には解説が付いていませんよね。青チャートは教科書よりも自習に使いやすいと思います。

青チャートは一冊だけで握りこぶしほどの厚さがあります。文系学生なら二冊、理系学生なら三冊こなしていくわけです。青チャートには、受験数学の問題を解くうえで必要な解法知識が全て載っている。どんな問題も解法を組み合わせれば解けるはず。まずは基本例題で解法を抜け漏れなくマスターしていくと良いでしょう。

基礎から発展まで幅広くカバーできるから

青チャートの網羅性は解法だけにとどまりません。問題のレベル幅も数学参考書のなかで随一。基礎から発展まで幅広くカバーしています。

基礎は基本例題で学べるでしょう。解法を習得しながら基本事項を確認して基礎固めしましょう。基本例題の下に類題が設けられていますね。これも解いてください。解法が血肉となっているかチェックできます。

各単元の終わりに章末問題があるでしょう。基本例題や類題よりかは歯ごたえのありそうな難しい問題が羅列されている。章末問題は、入試でいう標準~応用レベルの問題。大半の受験生が受験本番で正対することになる水準の問い。基礎が身についたと感じたら章末問題を解きましょう。解ければハッピー。解けなくても解説を参考に理解を深めて下さい。

青チャートには巻末にも問題が載っています。いわゆる”総合問題”というヤツですね。総合問題は応用~発展レベル。難関大学合格を目指す方はぜひ一度は解いておきたい所。青チャートに載っている知識を総動員して解き進めましょう。パッと着眼点が見えてこなくても何日間かじっくり考えてみる。どうしても分からなければ解説をチラッと見ましょう。用いるべき解法が分かったら、それを参考に解き進めていってみて下さい。

何冊もやるより一冊に絞ってやり込む方が実力が高まるから

このように、青チャート一冊を使えば、基礎レベルから発展レベルにまで到達できるようになっています。一冊で、ですよ。凄すぎません?受験生の方、特に時間がない現役生の方!青チャートと心中するつもりで青チャートを完璧に仕上げてみて下さい

私が青チャートで使用したのは、基本例題とその類題のみ。「解法だけ学べたらそれでいいかな」と考え、章末問題と総合問題へ利用価値を見出さなかったのです。いま思い返せばもったいなさすぎる。ちゃんと解いておけば力を付けられたはずなのに。おそらくですが、青チャート一冊だけで数学の勉強を完結できたのではないでしょうか。解法を学び・使いこなせられるようになり、問題の着眼点を見出せる力をつけるには青チャート一冊で十分でした。

さすがに応用問題の演習量が足らなかったかな。青チャートは基本例題の数は十分なものの、応用レベル以上の問題数はやや少なめ。追加で何か問題集が必要でしょう。私なら『新数学スタンダード演習』を買って演習していたのかな。青チャートのほかに追加購入する参考書は一冊で済んでいたはず。何冊も買って解く必要はなかった。一冊でよかった。その一冊をやり込むべきでした。

いくら参考書をたくさん買い込んだところで数学の実力は高まりません。一冊の問題集をどれだけ周回してやり込めたかが勝敗を分かつのです。七冊の問題集を一周ずつ演習する。一冊の問題集を七周解く。実力が高まるのは後者。問題の構造を読み解いたりパターンごと自分のものにしてしまえるからです。私は前者側。問題を丁寧に扱わず、やたらめったに解き散らかすタイプの人間。そりゃ負けて当然ですよね。どれだけ解いても力が付かなかったのは、演習のやり方に問題があったのでした。

みんなやっているから

青チャートは受験数学の参考書で最も有名な問題集。難関大学の受験生なら名前を聞いたことがない方はいません。学校で支給されるところも多いでしょう。ひょっとしたら配られるのはフォーカスゴールドかも。いずれにせよ、網羅系問題集を何か一冊は配られます。それの活かし方次第で受験の命運が分かれることを当記事でお伝えしました。

青チャートやフォーカスゴールドなどの網羅系参考書は、やったらプラスになる問題集ではありません。むしろ、「やらなかったらマイナス」だと心得ておきましょう。なぜなら、同じ大学を受けに来るライバルは皆やっているから。問題集に記された解法を頭に入れたうえで受験会場へやってくる。知らなければそれだけで周りに差を付けられてしまいます。恐ろしいですよ。自分だけ解き方が閃かない問題に試験本番で出くわす可能性があるだなんて。

受験数学対策を万全にしたいなら、まずは青チャートなど網羅系問題集へ取り掛かりましょう。そして、青チャートと心中覚悟で完璧に仕上げていってください。周りの人間に解法知識量で差をつけられてはいけません。青チャートを何周もやって知識量だけは対等にしておく。そのうえで重要になるのが応用力。章末・総合問題なり、追加で問題集を買うなり、教科書傍用問題集で対策するなりして実戦力を磨いていきましょう。

最後に

大学受験数学における青チャート学習の重要性を説いてきました。

網羅性に優れた青チャートは、基本例題から発展問題まで体系的に学習できる構成を誇ります。特に「問題の解法」を習得できる点が最大の強みなのです。基本例題で解法を学び、類題で定着を図り、章末問題で応用力を養う。この段階的な学習プロセスが、受験数学の実力を着実に向上させていくでしょう。

現役時代、私は多くの参考書に手を出してしまい、結果として京大不合格という結果を招いてしまいました。しかし、この経験から「一冊を徹底的にやり込む」姿勢の大切さを学び取ることができたのです。青チャートには受験に必要な要素が凝縮されており、基礎固めから発展問題まで一貫して取り組める構成となっているではありませんか。受験生の皆さんには、参考書の数を増やすのではなく、青チャート一冊に絞って徹底的に取り組んでほしい。解法を完全に理解し、様々な問題に対応できる力を養うことこそが、受験数学の攻略において最も効果的な戦略となるはずです。

この記事が、受験数学に取り組む皆さんの一助となれば幸いです。

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