21. 自転車一台でどこへでも行ける
札幌は平坦な土地が広がっていて、しかも道が広い。自転車での移動にとことん向いている街です。大学へも、買い物へも、だいたい自転車で済みます。
入学と同時にまずやるべきことは、自転車の購入です。構内の移動にも自転車は必須。南端から北端まで歩くと30分かかる距離が、自転車なら10分で着きます。
ただし、11月から3月は積雪で自転車の出番が消えます。雪道を歩いて通学する日が続くと、自転車のありがたみが骨身に染みてくるでしょう。春先に雪が溶けて、物置から自転車を引っ張り出した日の喜びったらもう、最高です。ペダルを漕いだ瞬間、「自由だ!」と叫びたくなります。春先の喜びに浮かれていると、日陰に残ったブラックアイスバーンに足元をすくわれます。くれぐれもご注意を。
22. 地下鉄・市電・JR、ちょうどいい交通網
札幌には地下鉄3路線、路面電車、JR、バスと、ひととおりの公共交通手段が揃っています。大都市すぎず田舎すぎず、ちょうどいい規模感の交通網です。
普段の学生生活では自転車がメインですが、冬になると自転車が封印され、自然と地下鉄の出番が増えます。南北線の北12条駅や北18条駅はキャンパスからすぐの所にあり、繁華街へも数分で移動可能。終電もそこそこ遅くまで走っていて、飲み会帰りにもありがたいです。
地下鉄は、路線数が東京ほど多くないぶん、乗り換え案内アプリに頼る場面がほぼ来ません。どこに行くにも南北線か東西線か東豊線かの三択。迷うにも迷いようがないのです。シンプルって、素晴らしい。東京の路線図を見ると、めまいがします。あれは交通網ではなく迷路です。
23. 水道水がそのまま飲めるレベルでおいしい
札幌の水道水は、蛇口をひねってそのまま飲めるレベルでおいしいです。ミネラルウォーターを買う必要がまったくありません。というか、札幌の水道水をミネラルウォーターとしてブランド化した方がいいぐらいです。
初めてアパートの蛇口から水をくんで飲んだとき、「浄水器通してないのに、この味?」と驚きました。水がおいしいと、お米も美味しく炊けるし、ココアもコーヒーも美味しく淹れられます。日常のあらゆる場面で水のおいしさが効いてくるのです。
蛇口の水に慣れた人間は、コンビニで水を買うことに強い抵抗感を覚えるようになります。無料で飲める水がこんなにおいしい街、ほかにどれくらいあるのでしょうか。広島に帰ってから、ペットボトルの水を買うたびに札幌の水が恋しくなります。あの水道水、ブランド化して全国で売ってくれないですかね。
24. 北海道の食材が、何を食べてもおいしい

北海道は食材の宝庫。海の幸も山の幸も、農産物も、乳製品も、何を食べてもおいしいです。スーパーで買える野菜が、どれも瑞々しく、栄養満点。特別な店に行かずとも、日常の食卓のレベルがまるごと底上げされます。札幌は、自炊が楽しくなる街です。
じゃがいもひとつ取っても味が濃くて、茹でてバターを乗せるだけで立派なご馳走になります。とうもろこしは、茹でたてを丸かじりすれば、甘さに目を見開くでしょう。感想を述べようとして、「うまい」しか出てこなくなります。
食の豊かさは生活の質に直結します。毎日の食事が美味しいと、勉強や研究で疲れていてもどうにか持ちこたえられます。「今日もごはんが美味しかった」と思えるだけで、明日も頑張ろうという気持ちが湧いてくるのです。つまり食事が研究のモチベーションを支えていたわけで、自分の研究の動力源がお肉とじゃがいもだったということになります。
25. 大学の近くに飲食店がひしめいている
キャンパス周辺、特に北12条から北18条あたりにかけて、飲食店がかなり密集しています。ラーメン屋や定食屋はもちろん、カレー屋、居酒屋、カフェ、アジアンショップなど、だいたいのものは近郊にある。学生街らしく価格帯も良心的で、毎日通っても飽きがこない充実ぶりです。
私のオススメは、北22条の大通り沿いにある六宝亭(ろっぽうてい)。値段の割に定食がボリューミーで、長い距離をランニングして疲れた後は、よくエネルギーチャージに行っていました。走って消費したカロリーを、六宝亭で全額回収する生活を続けていたので、体重は一向に減りませんでした。
卒業後に札幌を訪れると、つい馴染みの店に足が向きます。まだ残っている店を見つけると嬉しいし、閉店してしまった店の跡地を見ると切ない。学生街の飲食店は入れ替わりが激しいので、在学中にお気に入りの店はとことん通い詰めておくのが吉です。
26. 構内にセイコーマートがある
北海道民には御用達のコンビニがあります。そう、セイコーマート(セコマ)です。
北大には構内にセコマがあります。自分の在学中にオープンしました。道外の人にはピンとこないかもしれませんが、北海道においてセコマは単なるコンビニを超越した存在です。文化であり、信仰であり、生活インフラ。
セコマの真骨頂は、ホットシェフ。店内で調理された温かい弁当やおにぎり、フライドチキンを購入できます。ちょっと良い値段はするけれども、味とボリュームは間違いありません。コンビニなのに、コンビニ飯のレベルを軽々と超えてきます。特にカツ丼は中毒性抜群です。筋子のおにぎりも病みつきになります。
構内にはセブンイレブンもありますが、北大生はセコマの方が好きです。セブンの方が近くても、わざわざ遠くまで歩いてセコマに行ってご飯を買うぐらいです。
ついでに言うと、学食よりセコマでご飯を買う方が満足度が高いのが正直なところ。学食には頑張ってほしい。切実に。
27. 南門から徒歩2分でヨドバシカメラ
キャンパスの南門を出て2分歩くと、ヨドバシカメラ札幌店があります。家電量販店がこの距離にあるのは、理系の学生にとって有難いです。
USBメモリが急に必要になったとか、プレゼン用のポインターが必要になったとか、急な事態に見舞われても大丈夫。ヨドバシカメラまで行けば、ちゃちゃっと必要なものを購入できます。Amazonの翌日配送を待つ必要すらもなく、思い立ったら即買いに行ける便利さがあります。
ヨドバシカメラは便利なうえに、中を回遊しているだけでも面白い。最新鋭のパソコンをはじめ、カメラ、ドラム型洗濯機、炊飯器、圧力鍋など、どんどん欲しくなってきます。衝動に駆られて何か買ってしまうかもしれないので、用のない場合はあまり近付かない方がいいかもしれません。私は用もないのにふらっと寄って、予定になかったワイヤレスイヤホンを握りしめてレジに並んでいました。いま思い返せば、あれは催眠術の一種だったと思っています。
28. 紀伊國屋とジュンク堂が徒歩圏内にある

札幌駅前には紀伊國屋書店の大型店舗があり、大通まで歩けばジュンク堂もあります。大型書店が複数あるって、大学生にとって非常にありがたい環境です。
ネット通販で本が買える時代に、書店の近さなんてどうでもいい…と思うかもしれません。しかし、書店には書店でしか生まれえない体験があります。目当ての本の隣に並んでいた別の本に手が伸びて、むしろその本を買う気になってしまう。専門書も、中身を確認して、自分に合うと分かったうえで安心して買える。通販は本の購入に最適化されすぎて味気ないし、中身を見ずに買って理解できないリスクがあります。
私は紀伊国屋とジュンク堂へ毎週末交互に訪れ、入り浸っていました。研究の本を買いに行ったのですが、なぜか札幌のカラスの本まで買ってしまい、積読タワーが天高くそびえたつことに。いずれにせよ、知的好奇心を刺激してくれる場所が歩いて行ける距離にあるだなんて、本当に幸せな学生時代でした。
29. 中央ローンの芝生で思い切りくつろげる

中央ローンは、中央図書館前に位置する、広大な芝生広場。天気の良い日はここに寝転がって空を眺めるだけで、なんだか全部どうでもよくなってきます。
昼休みになると学生たちがワラワラと集まってきて、お弁当を広げたり、フリスビーを投げたり、芝生の上で昼寝したりしています。6月から7月の中央ローンは本当に気持ちがよくて、何時間でもゆっくり過ごせます。私はよく本を持って行って、芝生に寝そべりながら読んでいました。気持ちよすぎて読書がそのまま昼寝に移行することがほとんどでしたが、それもまた良い時間でした。読んだページ数より寝た時間の方が長いという事実から、目を逸らし続けた八年間です。
30. サクシュコトニ川がある
北大にはサクシュコトニ川が流れています。中央ローンから大野池を抜け、キャンパスを南北に横切っていきます。
中央ローンや大野池にはベンチがいくつか設置されていて、天気の良い日には学生や市民が腰掛けてのんびりしています。読書をする人もいるし、弁当を食べる人や、講義をサボってぼーっとしている私のような人も。
私は研究で煮詰まると、中央ローンのサクシュコトニ川を眺めに行っていました。水の流れを眺めていると、頭の中のモヤモヤが少しずつほどけていく気がしたのです。科学的根拠はありません。気のせいかもしれません。でも、気のせいだとしても、十分にありがたかった。研究室に戻ると、だいたいすぐにモヤモヤが戻ってくるんですけれども。
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