【2022年度申請書】学振DC1内定を掴んだ『研究遂行力の自己分析』と『目指す研究者像』と『評価書』

目次

目指す研究者像*目指す研究者像に向けて身に付けるべき資質も含め記入してください。

(1) 目指す研究者像

研究者を目指すに至る原体験 中学校で初めて化学反応について学んだ時、申請者は“世の中のあらゆる化学的現象が式で表せられるなんて本当にすごいな”と心の底から感動させられた。知的好奇心が刺激された申請者は、理科の教師に頭を下げて頼み込み、授業で学んだ化学反応をすぐさま理科実験室で試させてもらった。その影響でますます化学の魅力に惹かれていき、気が付けば化学が得意科目となっていた。大学受験を目前に控え、大学でも化学について学びたいと考えるようになった。その熱意でもって受験に合格し、入学した北海道大学では様々な化学の講義を受講した。その結果、化学の中でも特に電池材料研究に強く興味があると分かった。というのも、電池は正極-負極の組み合わせや電解液との相性など複合的な観点から調整していかねばならず、世に広まっている電池はいわば「芸術作品」ともいえるため、絶妙に調和がとれている電池という“作品”に震えんばかりの美しさを見出したからである。申請者は電池の虜となり、電池の材料研究ができる研究室を探した。そして進路振り分けの際、その研究室へ行ける学部・学科に進学した。希望の研究室に行くため猛勉強し、4 年次の研究室配属の際、第一希望の研究室へ行くことができた。そして申請者は今日まで、同じ研究室で日々研究活動に勤しんでいる。

目指す研究者像 申請者はこれまで、指導教員の謙虚な研究姿勢に感化されたり、日本の蓄電池研究の最前線である○○で研究させてもらったりしてきた。恵まれた環境に置かれた申請者は、自分の受けた恩をお返しすべく、(化学の魅力を社会へ、後世へと伝える研究者になりたい)と考えるようになった。申請者は特別研究員採択後、電池材料の基礎研究を”フロントランナー”として突き詰めていく。日々の研究により次世代蓄電池実現への基礎を築き、論文や著書として公開した研究成果でもって世界市民の暮らしを下支えする。現在急速に進行している IoT 化への対応には、大容量の蓄電池開発が急務である。申請者の蓄電池に関する諸研究は、出力の不安定な自然エネルギーを利用した低炭素社会の実現のためにも不可欠だと考えられる。それと同時に、祖父や両親を始め、サイエンスになじみのない一般市民にもその成果を理解できるよう、意欲的にアウトリーチを実施する。YouTube や Twitter、ブログなどの媒体を活用し、自身の研究について一般市民目線で解説していく。

申請者を含め、日本の研究者が研究の原資とする科研費は国民の税金が財源である。したがって、国民には、科研費を使用して実施された研究の成果を知る資格がある。知る権利を充足すべく実施されたアウトリーチは、昔の申請者のような”化学大好き少年”を生み出す副次的効果も見込めるであろう。申請者は、目指す研究者になるべく、特別研究員任期期間中に仏教の利他の精神を身に付ける。世のため人のため精力的に働き、どんな苦境に立たされようとも修行僧の如く耐え、持ち前の発想力を存分に発揮し、死に物狂いで活路を見出していく所存である。

(2)上記の「目指す研究者像」に向けて、特別研究員の採用期間中に行う研究活動の位置づけ

申請者は、特別研究員の採択期間中の研究活動を通じ、P8 に挙げた”今後研究者として更なる発展のため必要と考えている 2 つの要素”を習得する。専門分野の電気化学について深く理解し、(1)で述べた化学の魅力を社会や後世に伝えられる研究者を目指していく。そのため、学会や研究会でプレゼンテーションの経験を積み弱点を克服し、研究内容を単純かつ明快に説明する力を養成する。また、海外の学術雑誌への投稿を前提として研究を進め、周囲の手助けを得ながら複眼的思考力を育んでいく。なお、本研究の計画には記載していないが、○○を研究拠点としている境遇を活かし、○○所属の同分野の研究者との積極的な交流を実施する。人脈作りを余念なく行い、最終的には共同研究実施までこぎつける。交流の過程でコミュニケーション能力を磨きつつ、相手の懐に飛び込む度胸を培っていく。また、コロナ騒動で滞っている海外の研究室への留学も検討している。英語力や議論力など、研究者として世界で戦うために必要な国際競争力をさらに強化していきたい。

申請者は、特別研究員としての 3 年間を、「知的フロンティアの開拓者となる準備期間」と位置付けている。電池の世界は日進月歩で変化しているが、そうした変化に対応するだけでなく、自ら変化を起こす仕掛け人として世界の最先端で活躍し続けることを目標とする。日本国民への研究のアウトリーチのため、知的フロンティアへの水先案内人としての能力も同時に伸ばす必要がある。特別研究員としての 3 年間で、自身の研究内容について平易な言葉で言語化し、科学になじみのない方にも「面白い!」と言ってもらえる話ができる日本語力を身につけたい。

申請者のこれまでの経験上、”3 年”という期間は無為に過ごせばあっという間に過ぎ去ってしまう。博士号取得後は研究者として羽ばたけるよう、常に目標を意識して毎日を過ごし、特別研究員採用後は今以上にひたむきに努力を重ね、一人の開拓者として道を切り開いていく決意である。

次ページでは『評価書』の項目に書いた内容を公開します。

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