学振特別研究員には「年末調整」がある
北大と国研で研究している化学系大学院生かめ (D2) です。日本学術振興会特別研究員DC1として日本政府からご支援をいただいております。
学振特別研究員の所得は給与所得。アルバイターやサラリーマンらと同様、毎年11月に税金の年末調整が。必要書類の大半は学振マイページからオンラインにて提出可能。複雑でややこしいので有名な日本の公的制度にしては随分と簡素で便利にできています。ただ、日本学術振興会 (JSPS) へ郵送で送らねばならない書類も。そう、今回の記事で取り上げる社会保険料控除証明書です。特別研究員が社会保険料を所得から控除してもらいたければ、控除証明書の原本をJSPSへ提出期限までに郵送する必要が。証明書の控えではダメらしい。提出は原本のみ認められるみたい。
特別研究員の支払う社会保険料は二種類。①国民健康保険料と②国民年金保険料。給与所得から①を控除してもらうには証明書の原本を提出する必要はありません。支払った額を自己申告する形で書類に書き込んで提出すればOK。②を控除してもらうためには原本が必要。控えではいけません。原本の提出が求められます。
国民年金保険料の控除証明書ですが、送られてくるのがちょっと遅いんですよね。日本年金機構から10月中旬より順次発送され始め、最も遅いと11月中旬の発送になるのだそう。2024年度だと、JSPSの定めた証明書提出期限は11/15 (金)でした。証明書が手元へ届くのが後ろにずれ込んでしまうと、提出期限に間に合わず、年金保険料の控除が認められなくなってしまうでしょう。控除不認可だと来年の税金が高くなるはず。所得税や住民税をたんまり取られて貧困生活を余儀なくされます…
待てども待てども控除証明書が届かない
社会保険料控除証明書以外の書類は10月中に提出済み。早めに済ませておかなきゃ他の仕事へ忙殺されているうちに忘れてしまいそうだったから。あとは証明書を発送するだけ。手元に証明書が届き次第、秒で封筒へ入れてJSPSへ送るつもりでした。
ところが事態はそう簡単に運びません。証明書提出期限4日前の11/11 (月) になっても私の手元には証明書が届かなかったのです。果たして私の書類はいつ送られてくるのでしょう?東京から津軽海峡を越えるのにどれだけ時間がかかっているのか… まぁ、なんといっても津軽海峡は広いですからね。青森から函館港到着までフェリーで4時間弱もかかる距離。駒大苫小牧高校野球部が津軽海峡を越え、深紅の大優勝旗を北海道へ持ってくるまでにも長い年月を要しました。まして、あんな薄っぺらい社会保険料控除証明書ごときが北海の荒波を乗り越えて津軽海峡を越えられるわけがありません。
いやいや!書類が届いてくれなきゃマズいのです。現役老人のために年金を支払ってあげたにもかかわらず、保険料の分だけ所得控除してもらえなければあまりに辛すぎますよ。
ねんきんポータルから電子版を受け取られるらしい。が…
11/11 (月) の夜、JSPSへ「証明書提出が遅れるかも」とメール。同日、遅くまで働いていらっしゃる職員さんから『電子版でエエけぇメールでちょうだいや』との返信が。いつも遅くまでありがとうございます、職員さん。あなたがた国家公務員さんのおかげで我が国の体制がどうにか保たれています。にしても、”電子版”ってなんなのだろう?そもそも、控除証明書って電子版があるの…?
ネットで電子版の証明書について検索。どうやら本当に電子版があるらしい。マイナアプリと連携したねんきんネットの方から電子版の保険料控除証明書を受け取られるそう。幸いにもマイナンバーカードとマイナアプリは連携済み。マイナアプリからねんきんネットに接続し、電子版のダウンロードを試みた。ところが、電子版はマイページのどこにも存在しない。10月中旬に発行申請しておかなきゃ電子版の証明書を受け取られないみたい。また、なぜか自分の証明書発行ステータスが”電子版のみの発行”の設定になっていた。あぁ、だからいつまで待っても証明書の原本が送られてこなかったんだ。
このままでは電子版と原本の両方とも受け取られないまま時間だけが過ぎていく。とりあえず電子版だけでも入手しておきたい。ねんきんネットから電子版証明書の発行を申請。即日発行かと思いきや、3~5営業日を経て発行されるらしい。電子版の受け取りでさえ提出期限に間に合うかどうか際どい所。どうしよう。年金保険料の控除を諦めるか?いや、まだ諦めたくはない。
年金事務所へ直接受け取りに行った
ネットで控除証明書の入手手段を血眼になって検索。支払わなくても済む税金を一円たりとも払いたくはない。いくつかのサイトを見ていくうちに年金事務所へ行けば即日発行してもらえると判明。なんだ、こんな簡単なことだったのか。証明書の到着時期を気にしてハラハラするぐらいなら、最初から事務所へ行って証明書を発行してもらえばよかった。最寄りの年金事務所は下宿から目と鼻の先にある。11/12 (火) 昼、研究室を抜け出して事務所へ足を運んだ。
社会保険料控除証明書の発行に必要なのは二点。①マイナンバーカードと②年金手帳だ。年金事務所内での受付待ち時間は10分。午前中だからか随分と空いていた。年金事務所に居るお客さんは高齢者ばかり。20代の若者は自分一人だけ。存在が相当浮いていたように思う。
窓口のお姉さんへ事情を説明。「給与所得の控除に国民年金保険料の控除証明書が必要なんです…」と宇宙猫もビックリな支離滅裂の言い分。本来、給与所得者が入るのは厚生年金。国民年金保険料は雑所得者の加入する年金制度。おまけに私は雑所得者の加入する国民健康保険にも入っている。給与所得者が入っているべきは健康保険のはずなのに。窓口の方は”んん?”と首を45度にかしげた。コイツ、マジでちょっと何を言っているか分からないんだけど…という顔。自分でもちょっと何を言っているか分からない。私だって自分が給与所得者な理由を知りたいぐらいだ。
博士課程で培われたゴリ押し力を駆使して窓口の方の説得に成功。書類へ年金番号など必要事項を記入し、プラスであと10分待機して証明書の原本を手に入れた。
即日で速達配送。提出期限にギリギリ間に合った
年金事務所から外に出て、その足で最寄りの郵便局へと直行。局内にて証明書を台紙へ貼り付け、封筒に封をして窓口に並ぶ。普通郵便では間に合わないかもしれない。お金はかさむが、速達配送が無難だろう。440円払って速達してもらった。JSPSへの到着は翌日11/13 (水)だそう。あぁ、何とか提出期限に間に合った。よかった。これで支払い税額を抑えられる…
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