【2022年度申請書】学振DC1内定を掴んだ『研究遂行力の自己分析』と『目指す研究者像』と『評価書』

目次

(1) 研究者としての強み*字数制限1000字

発想力・問題解決力 〇〇君には、言葉の通じない馬と人馬一体になり、中学・高校時代に国民体育大会(国体) の馬術競技で優勝した実績がある。小学4 年次から乗馬を始めた彼は、地元・広島の乗馬クラブへ毎週末通うことで馬術スキルを向上させてきた。そして中学3 年次になり、馬術の師匠から国体出場への誘いを受けた。そこで師匠に実力を認めてもらったことを粋に感じ、国体優勝して師匠に恩返しすべく、ますます懸命に練習した。学校に通わなくてよい長期休暇中は乗馬クラブに住み込み、日の出から日没までひたすら猛練習を行った。加えて、気難しいパートナーの馬と心を通わせるべく、馬と一緒の部屋で寝たり馬と一緒の食べ物を食べたりすることを思いついた。その結果、パートナーは少しずつ彼になついていき、日々の練習でも馬との意思疎通が円滑になっていった。地道な努力を重ねた末、人馬一体の境地に達し、中学3 年次には国体初出場で初優勝、それから高校3 年次まで4 年連続入賞という”広島県初の快挙”を達成した。このように、彼には、局面を打開する発想力、および難題を解決する泥臭さと問題解決力が備わっている。乗馬で培った粘り強さは現在の研究分野にも活かされており、当研究室で初めて立ち上げた研究にも関わらず、自ら難しい課題を克服し、修士2年次にして既に3 本以上の国際学術論文(うち一報は査読中)を執筆するに至った。

後進の育成能力 かめ君は、後輩の面倒見の良さでも研究室内で定評が高い。研究室配属当初は自分のことだけで精一杯な様子だったが、論文執筆や学会発表など様々な経験を通じて、今では一回り大きく成長した。後輩の手本となれるよう研究室内の誰よりもハードワークし、言葉だけでなく背中でも語れるよう振舞うだけでなく、後輩がトラブルを抱えていたら率先して声掛けをする様子もみられ、後輩からの厚い信頼を勝ち取っている。また彼は、私が担当する学部生対象の講義のTA業務にも積極的に取り組んだ。講義終了後、履修者から希望者を募り自ら研究室見学ツアーを実施したり、自分の研究内容についてプレゼンしたりするなど、コロナ騒動の影響で将来が不安な学部生の未来を照らす活動を主体的に行ってきた姿勢には、特に感銘を受けた。

(2) 今後研究者として更なる発展のため必要と考えている要素*字数制限1000字

かめ君には、気長に実験を進める能力問題が深刻化する前に適切なタイミングで周囲に相談する力、および短所を長所と捉える力の3要素が、今後の更なる発展のために必要だと考えている。それらの理由について、以下で述べる。

1. 気長に研究を進める能力 彼は、目の前の課題を迅速に解決する能力にとても優れている。その稀有な能力を活かし、これまで彼は3報の筆頭論文を始め、数々の業績を積んできた。しかし、彼の特別研究員として実施する研究がこれまで通り上手く行くとは限らない。なぜなら、本研究内容の難度は非常に高く、特に△△を用いた測定では、観察データが取れるまで半年でも1 年でも我慢する辛抱強さが求められるからである。研究目標達成のため〇〇君には今までにない長期的な観点から気長に研究を進める能力を養ってもらいたい。私は指導教員として、成果を常に出すことだけを目標とさせず、研究の道のりを楽しめる指導に努めていきたい。

2. 問題が深刻化する前に適切なタイミングで周囲に相談する力 彼は責任感が非常に強く、任された仕事では常に相手の期待以上の成果を上げてきた。しかし、”周りに迷惑をかけたくない”との思いも強く、難題を抱えた際、自分一人で解決しようとする傾向がある。研究者として恒常的に研究業績を重ねるには精神状態を良好に保つことが大切であり、彼が研究者として今後活躍するためには、特別研究員採用期間中に①自分の処理能力を客観的に見定めること、および②対処困難な課題を”適切なタイミング”で周囲に相談することの2 つに取り組む必要がある。先の要素1 で養う気長さでもって完璧主義から一歩抜け出し、普段から研究仲間とさらに頻繁に意思疎通を図り、相談しやすい環境作りを構築して貰いたい。

3. 短所を長所と捉える力 〇〇君は、自身の”神経質さ”を短所と考えている。しかし、研究や研究室マネジメントを行うにあたり、逆にその神経質さは長所と捉えることも可能である。実際、彼の妥協を許さない性格がプレゼン作りに活かされた結果として学会賞受賞を成し遂げ、また彼の周りへの気遣いがあってこそ、後輩が抱えている課題や行き詰まりに真っ先に気付くことができている。さらに、彼の持つきめ細やかさは、高難度の実験遂行の際に有用である。彼には、持ち前の発想力で短所を長所と捉えるポジティブな姿勢を心がけ、研究に活かして貰いたいと考えている。

申請者の研究者としての将来性について*以下、字数制限2,000字

特に優れた学業成績 〇〇君は、大学入学試験において、北海道大学総合入試理系に次席入学した実績がある6。大学入学後も驕ることなく勉学に励み、大学院修士課程の入学試験では筆記試験免除での合格を勝ち取った7。修士課程では日本学生支援機構から第一種奨学金を借り、返済免除8を目指し、優秀な学業成績を残してきた。このように、彼は学業成績が優れている
研究の世界は日進月歩の発展を見せており、研究者には学び続ける能力が不可欠と考える。その点、彼は学部時代から何があっても最低毎日2 時間勉強する習慣があり、学習継続能力に関しては既に十分備わっていると言える。加えて、彼はあらゆる物事から貪欲に学びを得る力も有している。以上から、特別研究員としての3 年間だけでなく、採用期間終了後も優れた研究成果を世に生み出し続けるための基礎が備わっていると断言できる。

学会での受賞歴 〇〇君は大学院修士1 年次、国内の全国大会にて優秀学生講演賞を受賞した実績がある。彼は研究室配属初年度から意欲的に学会へ参加し、発表回数を重ねるたび少しずつ発表スキルを向上させてきた。しかし、発表内容について理解が甘かったり、想定外の質問に対して冷静に回答できなかったりするなど、質疑応答に若干の難があった。そこで彼は、“次の全国大会で受賞する”と私に宣言し、学会賞受賞に向け、考え付く限り全ての対策を実施することにした。具体的には、専門分野外の友人にプレゼンを聞いてもらって自分には思い付かない観点からの質問に答える訓練をしたり、資料の作成に普段の3 倍以上の時間をかけ、全方位からの質問へ瞬時に回答できる態勢を整えたりした。努力が実り、ターゲットに据えた学会で受けた質問には過去最高に満足のいく形で回答できたようだ。そして、目標だった学生講演賞を受賞し、また一つ、実績を積むことができた。このように、彼は、学会賞を受賞できるだけのプレゼンテーション能力と、成果を出すためのハングリー精神を有している。また彼は指導教員の助言を素直に受け入れる謙虚さも備えているため、今後もさらにプレゼンテーション能力を伸ばし、蓄電池分野で新しい研究成果を社会に的確に発信できる研究者になると確信する。

特色ある学外活動 〇〇君は、大学3 年次よりブログ執筆を初め、全くのゼロから月間閲覧数(PV)2 万回/月商4,000 円規模にまでビジネスを拡大させている。彼は (自分がした苦労を後輩に味わわせたくない)との思いでブログ執筆を開始し9、大学受験勉強法や大学生活を充実させるヒントについて書き綴ることにしたようだ。しかし、最初は月間PVが100 回以下と、ほとんど誰からも見てもらえなかったので、彼は同学科の同級生にブログを見てもらった。そこでは文章から受ける印象について指摘を受け、記事が”自己満足”で終わってしまっていたと気付かされた。友人の助言をベースにし、読者目線から読みやすい文章を目標に、ブログ中の全文章を書き直した。また、ライティングスキル向上のヒントを探るべく書店で文章術の本を購入したり、他のブログとの差別化を図るべく競合となるブログを読み込み閲覧数向上のヒントを探ったりした。地道な努力を重ねた末、ブログ開設から2 年後には月間1 万PV、3 年後には月間2 万PVを突破した。PVの増加に伴い収益も向上し、ブログ開設から2 年半後には累計の収入がブログのサーバー代を超えて損益分岐点を上回ることができた。このように、彼は研究以外の世界でも、ゼロからイチを生み出した経験がある。ブログ運営で養ったビジネス感覚は、今後彼が他の研究者と共同ベンチャー企業を立ち上げ、研究成果を社会実装する際、大いに役立つであろう。
なお、〇〇君は現在、所属研究室のサイト運営をも担当している。他の研究室サイトにはない学生へのインタビュー記事を載せるなどコンテンツに工夫を凝らした結果、昨年度の研究室配属では所属研究室をコース内で最も人気のある研究室へと変貌させた実績がある。

性格 ○○君は勝ち気な人間である。勝つための努力は一切惜しまず、これまでに、馬術競技で国体優勝すべく馬と一緒の食べ物を食べたり、学会で受賞するため春休み返上で毎日喉が枯れるまでプレゼン練習を行ったり、とても厳しく自分を鍛えてきたと感じる。また、彼は類稀なる意志力の持ち主である。大学生になって始めたランニングでは、誰からも強制されていないにもかかわらず5 年間毎朝早起きして練習を行い、マラソンランナーのトップ1 %に属するタイムまで独力で走力向上させてきた。私は、彼の持つこれら2 つの性格が、彼の研究者としての適性を示す何よりの証だと考えている。私は、彼が博士課程での研究生活を通じてより力強い個性を発揮し、独創的な研究を通じて、世界でも十二分に活躍できる研究者になると確信している。

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