北大と国研で研究している化学系大学院生かめ (D2)です。中3から高3まで広島県代表として四年連続で国体馬術競技へ出場し、中3で優勝、中3から高3まで毎年表彰台に立ちました。高2のとき、国体会場にて、関東の某マンモス私大馬術部からスカウティングを受けた経験が。実は中3のときにも関西の某私大からあまりに早すぎるスカウトを受けました。結局はスポーツ推薦ではなく、一般受験での進学を決断。一浪の末に国立大学へと進学し、博士二年次現在、乗馬とは全く関係のないスポーツを頑張っています。
この記事では、自身の経験を踏まえ、スポーツ推薦と一般受験のどちらで大学へ行くのが良いか話します。
- スポーツ推薦を受けようか迷っている人
- スポーツでの大学進学を目指している人
こうした方々にピッタリな内容なので、是非最後までご覧いただければ幸いです。
それでは早速始めましょう!
スポーツ推薦がオススメな人
スポーツ推薦がオススメなのは以下の2ケース↓
- ”自分はスポーツで飯を食っていく”と腹をくくった人
- 大学受験勉強をしたくない&一般受験では合格できる学力がない人
それぞれについて解説していきます。
”自分はスポーツで飯を食っていく”と腹をくくった人
スポーツ一筋で生きていく覚悟を固めた方にはスポーツ推薦をオススメします。トッププロを目指す方に受験へ割く時間はありません。訳の分からぬ数学や理科に時間を捧げるぐらいなら、スポーツの本を読んだり動作について考えたりした方が有益。長時間椅子に座って腰を痛めるよりも、ストレッチポールで筋膜リリースしてセルフマッサージに努めましょう。トップレベルの世界で生きていくには、高校よりも更に高い競技レベルの組織で腕を磨く必要が。スポーツ推薦はそんな組織、つまり大学体育会系部活動への入門を容易にしてくれるのです。大学部活動には全国から選りすぐりの猛者が集結します。彼ら・彼女らと日々切磋琢磨することで競技レベルが何段階も高まり、将来的には世界を股に掛ける大活躍をも視野に入れられるように。
高校よりも大学の方が自由に使える時間が多いです。競技の世界へどっぷりと浸かり、各々の技量を極められること間違いありません。
大学受験勉強をしたくない人・一般受験で合格できる学力がない人
勉強なんて大嫌いだ、もう勉強したくない!…という方にもスポーツ推薦がオススメ。スポーツ推薦は人格と競技パフォーマンスレベルのみで合否が決まるためです。スポーツ推薦で大学へ行く人は受験勉強をしなくて済むのです。脳がスポーツへ特化しすぎて勉強が苦手だ…という方もいるでしょうが、スポーツ推薦でならば勉強が不得手でも大学進学の夢を叶えられます。スポーツ推薦受験時、参考程度に高校の成績を確認される場合があるかもしれません。赤点ばかりでは入部できない可能性が。オール5を取れとまでは言わないけれども、大学部活動の監督に顔をしかめられない程度の成績は取っておきましょう。
仮に勉強を避けるためにスポーツ推薦を選んで進学したとしても、大学では卒業単位獲得のためにスポーツとは無関係な教養科目を沢山履修することになります。スポーツ推薦にせよ、一般受験にせよ、『大学へ進学するなら勉強からは逃れられぬ』ということを覚えておいて下さい
一般受験がオススメな人
スポーツ推薦ではなく一般受験がオススメなのは以下の3パターン↓
- スポーツで生きていく覚悟がまだできていない人
- 一般受験でも大学へ進学できる学力がある人
- 大学で人並みにキャンパスライフを満喫したい人
それぞれについて一つずつ解説していきます。
スポーツで生きていく覚悟がまだできていない人
スポーツ推薦で大学へ入れば、当然ながら、部活動への加入・在籍が必須に。大学生活四年間は部活動から絶対に逃れられません。スポーツが中心の日々になるでしょう。学期中は明けても暮れてもスポーツのことを考え、夏合宿や春合宿など、長期休暇中にまでスポーツ一色で日々を過ごす必要が。スポーツ推薦で大学へ行くほど競技へ熱心に取り組んでいらっしゃる方は、大学卒業後のキャリアもスポーツで組み立てていこうと自然に考えます。周りが”スポーツで生きていく”と当たり前のように考え、意識高く、世界を見据えて頑張っているのです。
大学進学時、これからの人生の軸に『スポーツ』を据える覚悟ができていない方は一般受験の方が無難。一般受験でも部活動に入れるし、部活ではなくサークルへ加入してスポーツをのんびり楽しむ選択肢も生まれます。スポーツが嫌になってしまったときに逃げることも可能。スポーツ推薦だと逃げられません。退部したが最後、大学まで辞めねばならなくなるケースが。一般受験で進学し、入った部活動で練習していくうちに、”スポーツで生きていく覚悟”が芽生えるかもしれません。スポーツ推薦より一般受験の方が心にゆとりをもってスポーツを楽しめるかなと思います。
一般受験でも大学へ進学できる学力がある人
勉強に苦手意識がない、受験勉強なんてヘッチャラだ。このような方には一般受験をオススメします。わざわざスポーツで大学へ行かずとも勉強で行ける学力があるならスポーツ推薦を選ぶ理由がありません。
一般受験でなら志望学部・学科を自分で決められます。入学後に部活へ入ろうが、サークルへ入ろうがコチラ側の自由。スポーツ推薦の場合、入学学部・学科が予め定まっているケースが。”○○部は△△学部にしか行けない”という縛りがあり、全く興味のない勉強をやらされる羽目に陥るかもしれません。大学では決して少なくない時間を学部の勉強へと費やすことに。講義の時間はもちろん、講義終了後のレポート執筆や試験対策勉強にだって取り組む必要が。関心のない勉強をやるのは想像するだけで苦痛極まりありません。所属学部を自由に選べる一般受験の方が入学後の生活満足度が高まるでしょう。
大学で人並みにキャンパスライフを楽しみたい人
高校まではスポーツ一筋。大学では羽を伸ばしてスポーツ以外も楽しんでみたい。部活じゃなくてサークルでもいいかな。部活に入ってまで本気でやりたくないし… そんな貴方には一般受験がオススメ。
一般受験で大学へ入れば人並みに大学生活を楽しめます。サークルへ入って異性とキャッキャしたり、バイトでお金を貯め、長期休暇中に旅行へ行ったり、友達と飲み会で盛り上がったり、と時間を自由に使えるのです。部活へ入ると時間の縛りを受け、キャンパスライフが部活を中心に回ります。部活は競技結果が命。大会で結果を出すのを最優先に掲げた時間の費やし方に。クラスメートからの飲み会のお誘いだって断らねばならなくなるかもしれません。強化合宿が予定されていれば旅行へと繰り出すのも難しいかも。普通の大学生が当たり前のように味わう楽しさの多くを『我慢』せねばなりません。貴方は絶え間ない我慢に耐えられますか?耐えられる方は競技者向き。耐えられない方はスポーツを趣味程度で留めておく方が幸せになれるでしょう。
私はどうして一般受験を選んだか
この記事の締めくくりとして、私がスポーツ推薦ではなく一般受験で大学へ進学した理由をお話しします。
私が一般受験を選んだのは以下2つの理由。
- スポーツ推薦に頼らなくても構わないほど学力が高かったから
- 馬術競技における伸びしろがほとんど残されていないと思ったから。
まず①について。高2の国体で私をスカウトをして下さったのは河合塾の偏差値50弱の私立大 (“A大”とする)。一方で、河合塾の模試で測定された私の偏差値はおよそ65~70。自慢したいわけではないけれども、A大には一般受験で行けました。高2の段階でもおそらく試験をパスできたはず。私は国体へ出始めた中3当初からスポーツ推薦に頼るつもりはありませんでした。『勉強で大学へ進学する』と決めてコツコツと勉強してきたのです。一般受験で入学できないほど学力的にハイレベルな大学からスカウトが来れば迷ったでしょう。自分の学力で入学試験を突破可能な大学からのスカウトだったからお断りしたのです。
次に②について。小4から乗馬を始め、高3まで9年間乗馬を頑張ってきました。オリンピックレベルには全く届かなかったけれども、全国大会で優勝するレベルには何とか手が届きました。高3の国体を終えた際、何かやり切った感があったのです。やれることはもうやり切った。伸びしろは無い、或いは少ないんじゃないか… これからもっと競技レベルを上げようと思えばセンスの領域になるでしょう。私に乗馬のセンスはありません。愚直に練習し続けてようやく成果を出せました。私よりすごい結果を出す選手の騎乗を見ると、私とは持っているものが【違う】んだなと明確に分かります。私には到底真似できない走行をいとも簡単にやってのけ、しかも涼しい顔をしていらっしゃる。絶望的なまでに才能の差を感じました。逆立ちしたってこの領域には達しない。そうと分かっていて馬術の世界に今後も身を置き続けるのは耐えられませんでした。スポーツ推薦で大学へ行くと、学部生活四年間は馬術部へ在籍していなければなりません。多感なこの時期を才能の差を感じさせられ続ける期間に充てるのは嫌でした。
スポーツ推薦と一般受験のどちらで大学へ行くのが良いかについては以上。スポーツ推薦をお考えの方に参考にしていただければ幸いです。
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