31. 構内を散歩するだけで冒険気分

北大のキャンパスは広大すぎて、4年通っても知らない場所が出てきます。「この道、どこに続いてるんだ…?」みたいな発見が、卒業間際まで続きました。
メインストリートから少し逸れると、突然林の中に入り込んだような小道があったり、見たこともない実験棟がぽつんと建っていたり。農場の方をうろついていると、何十年前に建てられたのか分からない隠れ家が見つかることも。卒業間際にこんな建物あったのかと新発見したときの気持ちは複雑です。八年も通って、この大学のことを何も知らなかったのかと。大学との関係が、熟年夫婦のようになっていたのかもしれません。
北大生になったら、夕方、構内散策してみることをオススメします。夕日に照らされた並木道や建物は、昼間とは違う表情を見せてくれますよ。
32. 構内で牛と出会うことがある

キャンパスには農場があり、乳牛が飼育されています。都会の真ん中に大学があって、大学の中に牧場がある。柵の向こうで牛がもぐもぐしている。初めて見たときは「え、牛?」と二度見しました。札幌駅から徒歩圏内の場所に牛がいるのは、冷静に考えて、だいぶ異常な光景ですよね。
北大二年目以降は完全に慣れ、牛が視界に入っても「おはようございます」くらいの気持ちでスルーするようになりました。毎朝牛に挨拶しながら通学する日常を、当時は何とも思っていなかったのです。慣れって、怖い。
33. エゾリスに癒され、カラスに帽子を奪われる
北大の構内にはエゾリスがいます。大学構内で野生のリスと遭遇する体験は、都会の大学ではまず味わえないでしょう。人間慣れしているのか、わりと近くまで寄っても逃げません。
ラボに向かう途中でエゾリスと目が合うと、なんとも言えない幸福感に包まれます。秋になると、冬に備えて木の実を頬張っている姿をよく見かけます。「こんにちは~」とあいさつすると、「はよ大学に行きなさい」と説教される。
ちなみに構内にはカラスもたくさんいます。札幌のカラスは凶悪で、人間を完全に舐めています。急降下してきて頭を狙う奴、真上から爆撃してくる奴、コンビニ袋ごとごはんをかっさらっていく奴と、手口が多彩なうえに組織的です。私はランニング中に帽子を奪われました。追いかけましたが、返ってきませんでした。今でも許していません。
34. 構内で絞られた牛乳が飲める
構内では、正門の近くにカフェやごはん屋さんがあり、北大の中で作られた農作物や乳製品を贅沢に使った料理を楽しめます。
大学の農場で搾った牛乳を、同じ大学の学生が買って飲む。よく考えると不思議な循環ですが、これがまた美味しいんですよ。北大牛乳は濃厚で、市販の牛乳とは明らかに味わいが違います。一度飲むと、市販の牛乳がちょっと物足りなくなる。これって、本当に牛乳なのでしょうか。味の素でも入れているのかと勘ぐるほどコクがあって美味しいです。
北大マルシェではジャムや野菜も並んでいて、ちょっとしたファーマーズマーケットの雰囲気。大学の研究成果が食卓に届くプロセスを肌で感じられるのは、農学部を擁する総合大学ならでは。牛乳一杯から学問のありがたみを噛みしめられるのですから、コストパフォーマンスは最強です。
35. 総合博物館が無料で楽しめる

総合博物館は、北大の研究成果や歴史に関する展示が充実した施設で、入館無料です。無料です。念のため二回言いましたが、聞こえていますか。
展示内容は多岐にわたり、鉱物標本から化石、生物標本、歴史資料まで、何でも揃っています。じっくり見ていけば2時間ぐらいかかるかもしれません。無料で2時間楽しめる施設なんて、世の中にそうそうありませんよ。
「理系の人しか楽しめないのでは?」と思った方がいらっしゃるでしょう。安心してください、展示の見せ方が上手なので、予備知識がなくても万人が楽しめます。北大生になったら、一度は足を運んでみることをオススメします。
36. 400万冊の蔵書が待つ附属図書館
附属図書館の蔵書数は400万冊以上と、地方大学としては破格の充実度です。本館の建物も立派で、中に入ると”勉強しなきゃな”という気分になります。建物に入っただけで勉強した気になる人もいますが、私のことです。
図書館のありがたさを実感するのは、長期休暇のとき。時間をもてあまして「何か読もうかな~」と彷徨っていると、自分の今の気持ちにピッタリな一冊が必ず見つかります。本を借りずとも、本館と北図書館の両方で立ち読みしていくだけで数時間はつぶせます。色々な本を手に取っていくうちに、様々なジャンルに興味が芽生え、読みたくなってくるでしょう。まずは新書から入り、専門書で学び、演習本でホンモノの実力を身につけていくことも可能です。
試験期間になると、図書館の自習席が満員になり、席取り合戦が勃発します。朝早くから並ぶ学生もいて、その光景だけ見ると「北大生って真面目じゃん」と感心するのですが、試験が終わると図書館はガラガラに戻ります。夏休みなんて、本当にガラッガラですからね。あれほど激しく席を奪い合っていた人々は、一体どこへ消えてしまうのでしょうか。私もそのひとりなので、あまり言えないのですが。
37. 北大植物園で癒される

札幌駅南口から徒歩10分ほどの所にあるのが、北大植物園。植物園は北大付属の緑地。13ヘクタールほどあるらしく、くまなく散策すれば軽く一時間はかかるのではないでしょうか。構内の自然だけでも十分すぎる。それに加えて植物園まであるのは、もはや反則レベル。
植物園内には北海道の原生林をそのまま残した区画があり、都市の真ん中にいることを忘れます。植物園に入る際は入園料がかかりますが、学生証を持っていれば無料です。使い倒しましょう。
私自身も、研究で疲れたとき、植物園の中を歩いてリフレッシュしていました。博士論文の謝辞に植物園のことを書こうかと本気で迷いました。さすがにやめましたが、心の中では今も感謝しています。
北大植物園の存在を知らない北大生はめちゃくちゃ多く、もったいなさすぎるので、北大生になったら皆さん一度は足を運んでみてください。
38. クラークの全身像は、羊ヶ丘にある

クラーク博士の銅像といえば、右手を挙げて前方を指差すあの有名なポーズ。当サイト・札幌デンドライトのロゴマークにもなっています。多くの人が北大構内にあると思っていますが、実は違うんですよ。クラーク像が立っているのは、羊ヶ丘展望台。北大の構内にあるのは胸像で、全身像とはだいぶ趣が違います。
これは北大あるあるの定番ネタで、観光客が構内で全身像を探し回って見つからない事案が毎年発生しています。「クラーク像どこですか?」と学生に聞いて、「羊ヶ丘です」と返されたときの唖然とした表情は最高です。申し訳ないのですが、何度見ても少しだけ面白い。すみません。性格が悪すぎますね。
構内の胸像は胸像で立派なので、ぜひ足を運んでみてください。全身像ほどの派手さはありませんが、渋いたたずまいには味があります。どちらが「本物」かという議論はさておき、両方見ておけば間違いありません。
39. お昼寝スポットが至るところにある
構内には昼寝スポットが無数にあります。中央ローンの芝生、川沿いの木陰、図書館のソファ、ひと気のない講義室の最後列など、探せば探すほど見つかるので、昼寝マニアにとってはテーマパークみたいなものです。
私のお気に入りは、あえて場所を伏せますが、工学部近くのとある一角でした。午後の日差しが絶妙な角度で差し込み、15分の仮眠に最適だったのです。15分のつもりが気づいたら一時間経っていて、午後の実験に大遅刻したこともあります。
北大に入学したら、ぜひ、自分だけのベストスポットを開拓してみてください。あの広大な敷地のどこかに、あなた専用の楽園が必ずあります。ただし、楽園の居心地が良すぎて社会復帰に支障をきたす可能性があるので、アラームだけは必ずかけてください。
40. ランニングに最適化されたキャンパス

キャンパスは南北に約2.4キロ。信号はなく、路側帯が広く、大量の緑が日を遮ってくれる。ランニング環境として完璧です。わざわざジムに通わなくても、構内をぐるっと走るだけで立派な有酸素運動になります。
私自身、北大に入ってから趣味でランニングを始めました。大学受験生時代は運動不足で、最初は3km走るだけでゼーハー息苦しい。北大の豊かな環境を活かして走り込んだ結果、驚くほど走力が伸びていきました。学部三年次にマラソン3時間切り、博士二年生には2時間42分まで記録を伸ばしました。走ってばかりいないでもっと研究を頑張ればよかったかもなとも思っています。
構内にはサイクリングを楽しむ方も多いです。北大では何でもできます。走ってよし。漕いでよし。芝生で寝てもよし。クラーク像の上に乗らない限りは、だいたい許してもらえるでしょう。
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