【北海道生活のリアル】涼しくて何でも美味しい所に移住できたと思ったら違った

北大博士課程を一年短縮修了した技術開発エンジニアかめです。

私の地元は広島です。大学進学を機に、広島から1,300km離れた札幌へ移住しました。北大を志望した理由の一つは「広島が暑すぎた」から。真夏のジメジメとした天気は最悪。もっと涼しい所で暮らしたい。どうせなら思い切り北へ行こう。そう考えて北海道生活を決意したのです。

札幌で八年間暮らしてみて、理想と現実とのギャップに思い至りました。思っていたのと全然違う。涼しいと思っていたらそうでもない。広島在住当時は考えてもいなかった事態にも見舞われた。移住する際は検討に検討を重ね、もっと検討を加速しておくべきだったなと痛感しました。

この記事では、北海道・札幌生活のリアルをご紹介します。北海道に夢を見ている方にピッタリな内容です。移住予定者や北大進学希望者はぜひ最後までご覧ください。

それでは早速始めましょう!

夏は意外と暑い

北海道といったら涼しい印象がありますよね。日本で一番北の都道府県。北は樺太。気候は亜寒帯。これで冷涼でないわけがありません。涼しいに決まっている。そう思って進学しました。

一年目の夏から試練に見舞われました。7月に最高気温が30度に達したのです。あのぉ~、めちゃくちゃ暑いんですけど…… 聞いていた話と違いますね。本州よりかはムシムシ感が控えめ。しかし、日差しが肌を突き刺すように痛く、体感気温は本州とさほど変わりません。屋外に出たら身体が溶けてしまいそうに。せっかく北海道まで来たというのに屋内で過ごす時間が増えました。

ここ2~3年、夏のムシムシ感が悪化傾向にあります。まるで蒸し風呂。湿度が高すぎて、外に出た瞬間から汗が噴き出ます。朝と夜も25度を下回らない日が増えてきました。これなら本州ともうあまり変わりませんね。

北海道の真に恐ろしい所は、アパートにエアコンが標準装備されていない所。夏も涼しい前提で立てられています。「エアコン?そんなの要らないでしょ?」と言わんばかりに。築十年以上のアパートにはエアコンがない所が多め。夏が暑くなってきたここ数年のうちに建てられた築浅物件にはついている所もありますね。エアコン非装備の物件で夏を過ごすのは地獄でしょう。寝られませんよ、ほんと。物件をお探しの方はエアコンのあるアパートにしましょう。

冬は想像以上に雪がすごい

北海道といったら雪。雪といったら冬。冬といったらホワイトチョコ。ホワイトチョコといったら白い恋人。白い恋人は石屋製菓。石屋製菓は北海道の企業。

北海道に冬の印象は強いでしょう。大粒の雪がしんしんと降り注ぐ。毎日がクリスマス。真っ赤な鼻のサンタクロースが納期を前に慌てて走り回っている。サンタにインタビューしたところ、最近はサンタクロース業をヤマト運輸と佐川急便に譲り渡したそうです。理由は高齢化。腰が痛すぎてプレゼントを配るどころじゃなくなったみたい。

北海道の冬は「すごい」です。何がすごいって、雪の量がハンパじゃありません。一晩で50cm積もります。雪が深すぎて歩けなくなることも。車道の雪は除雪業者さんがブルドーザーでよけてくれます。天然のガードレールとして雪壁を形成するのです。

おまけに北海道の冬は超寒いです。マイナス10度を平気で下回ります。道民はこれを「しばれる寒さ」と呼んでいらっしゃる。息を吸うだけで喉の奥が痛む、本州とは別次元の寒さ。都市全体が冷凍庫です。家の冷蔵庫は食べ物を凍らせないための道具に。ちなみに北海道民は冬にアイスクリームをよく食べます。暖房を利かせすぎて室内が暑くなって、身体を冷やすためにアイスを食べるそうです。

雪が降って嬉しいのは初日だけ。真っ白で極寒の銀世界が3~4か月間続きます。冬は確実に気分が滅入るでしょう。自分も札幌に住んでいた時、冬になるとうつ病みたいになって少し辛かったです。札幌移住をお考えの方は、長い冬に耐えられるかよく考えてみて下さい。想像以上に辛いですよ。それでも何とかなりそうな方だけご移住願います。

花粉はちゃんと飛んでいる

スギとヒノキの北限は津軽海峡。北海道には生えていないというのが常識でしょう。花粉症の方にとっては嬉しいニュース。鼻をズルズルさせなくてもすむ。目や肌のかゆみとは永遠におさらば!

残念ながら北海道にも花粉が飛んでいます。北海道では「シラカバ」という木が花粉をまき散らしているのです。私はスギとヒノキの花粉アレルギー。シラカバにもしっかり反応します。シラカバ花粉が飛ぶのは4~6月。この時期になったら目と鼻がかゆいです。最悪なのは、シラカバが北大構内にたくさん植えられている点。春はキャンパスへ通うのが辛いレベル。かゆくてかゆくてたまりません。シラカバを切り倒して回りたいレベルです。

実は近年、スギやヒノキが津軽海峡を突破しました。函館を中心とする道南地域で花粉が観測されるようになったのです。函館エリアへの移住を検討中の方は注意してください。スギ花粉から逃れられたと思ったら全然逃れられていなかったということになりかねません。今後、ヤツらは勢力をどんどん北に伸ばしていくでしょう。札幌近郊へいつ到達するか予断を許さぬ状況です。

美味しいものは高くて手が出せない

北海道といったら美味しい食べ物。新鮮で大きな海鮮はもちろん、お肉も野菜も全部美味しい。本州で買い物をしているとき、”北海道産”と書かれた食べ物には「美味しそう」との先入観が働きますよね。北海道は食料大国。食料エネルギー自給率が47頭道府県で唯一100%を超えています。

至極当たり前の話をしましょう。美味しいものって、値段が張るんですよね。肉も魚も野菜も同じ。美味しいものは高い。これは世界の常識。

お金をたくさん持っている人なら躊躇なく買えるでしょう。「美味しい、美味しい^ ^」と笑みを浮かべながら充実した食生活を送れるかと存じます。
蓄えが乏しい貧乏学生はどうか。高いものは買えません。貧相なものしか手を出せないのです。スーパーには美味しそうな魚が沢山陳列されています。しかし、我々貧乏な学生は、指をくわえて眺めていることしかできません。アルバイトしてお金を稼ごうにも、北海道の最低賃金は低めなのであまり稼げないでしょう。「食べたいなぁ、美味しそうだなぁ…」と値札を見ては絶望するヘビーローテーションとなること請け負い。

北海道で充実した食生活を送りたい方は、一人あたり月5万円ほど食費に回せるだけの十分な稼ぎを得てください。どれだけ少なくても5万円は必要。そんなに食費を使えないよという方は、食事面を考慮した北海道移住は計画しない方が無難です。

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