【研究室】ゼミで質問できるようになった方法と、そのマインドセット

ゼミで質問を振られるたびに、胃がきゅっと縮むあの感覚を知っている人は多いのではないでしょうか。先生から名指しされて、えーと、特にありません、と絞り出すように答える。周囲の優秀な同期がスパスパ質問を繰り出す横で、自分は何も思い浮かばない。帰り道に一人で反省会をして、また次のゼミで同じことを繰り返す。私がまさにそのタイプでした。

ところが今では、ゼミ中にポンポン質問が出てくるようになっています。質問魔と呼ばれる側に回ってしまったのです。かつての自分が見たら、腰を抜かして驚くでしょうね。

この記事では、全然質問できなかった私がどうやって質問体質に変わったのか、実体験をもとにお伝えします。質問したくても何を聞けばいいのか思いつかない歯がゆさを抱えている学生さんに向けた内容です。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

そもそも、質問をする意味とは

方法論に入る前に、なぜゼミで質問することが大事なのかを整理しておきます。

研究は、問いを設定するところからスタートします。世間で当たり前とされていることを疑ってみて、疑問の種を起点に、まだ誰も知らない知見を掘りに行くのが研究というものです。

研究では、スタート地点は必ず自分で決めます。誰かに決めてもらうわけではありません。卒論だろうが修論だろうが、この一年間で何に取り組むかを設定するのは自分自身なんですよね。

ゼミで質問をする目的は、研究遂行にあたって最も重要な問いを打ち立てる力を養うことにあります。わからないことにわからないと気づく感度は、質問を繰り返さないと育ちません。頭の中でぼんやり生じた疑問を言葉にする力も、実際に口を開いてみて初めて鍛えられるものです。質問を重ねるほど問う力は磨かれていきますし、やがては独力でテーマを構想できる研究者としての土台が育っていくわけです。

皆さんはゼミ中に、先生から「○○さんは質問ないかな?」と振られて嫌な気持ちになったことはありませんか。私は何度もあります。ただ、よく考えてみればあれは先生からの「問いを打ち立てる訓練に参加してみない?」というお誘いだったんですよね。そう気づくまでに3年かかりました。遅い。

ゼミで質問できるようになった4つのマインドセット

とはいえ、「そんな簡単に質問が思いつかないからこの記事にたどり着いたんだよ」という声が聞こえてきそうです。ごもっともです。

そこで、以下では、私が質問魔へと変貌するにあたって身につけた4つのマインドセットについてお話しします。

一時の恥などかき捨てろ

質問が苦手な方の中には、質問すること自体がなんとなく恥ずかしくてためらっている人がいるのではないでしょうか。

その恥じらい、捨てて構いません。ゼミで的外れな質問をしたとして、周囲は明日になったら忘れています。こういうのって、たいてい自分しか覚えていないものなんですよ。

どうせ翌日には誰の記憶にも残っていないのですから、笑われたっていいじゃないですか。どんな素人質問であってもプレゼンターはちゃんと答えてくれますし、むしろ質問してくれたこと自体をありがたいと感じてくれる場合のほうが多いです。一時の恥などかき捨てて、気になったことをどんどん尋ねてみましょう。

わからないことをわかるために、専門分野をある程度勉強する

先ほどのケースとは打って変わって、何がわからないのかすらわからないという状態もあるでしょう。何がわからないかを言語化しようにも、その分野の知識がある程度なければ手も足も出ません。専門分野についてまるきり素人のままでは、議論についていくことすらできないんですよ。

私だって専門の電気化学以外の議論はサッパリです。数学科のゼミに放り込まれたら、発狂する自信があります。質問力は最低限の背景知識があってこそ伸びていくものです。

まずは図解本や入門書を読み込むところから始めてみてください。専門用語に関しては、ゼミをしばらく聴いているうちに耳が慣れてきます。言葉が馴染んでくれば内容への理解も追いついてくるので、焦らず落ち着いて取り組んでいきましょう。

意図的に好奇心を解放する

大学受験時代、私たちは最短距離で正解にたどり着く訓練ばかり繰り返していました。情報処理ばかりが巧くなった代償として、幼少期に持っていたはずの「なんで?」「どうして?」と何にでも首を突っ込む好奇心が錆びついてしまうんですよね。

ゼミで積極的に質問しようと思ったら、胸の奥にしまい込んだ好奇心を掘り起こして、意図的にさらけ出してやる必要があります。好奇心の表面を覆っている錆を落として、もう一度活性化させてあげなくてはなりません。

私の場合、発表中にずっと考え続けるようにしたら質問が出てくるようになりました。どうしてその考察が成り立つんだろう、本当にそうなのかな、と頭を回し続ける。受け身で聴いているときには浮かばなかった疑問が、能動的に思考しているときにはぽろぽろ出てくるものです。

自分事で聴く、何か質問する前提で

発表を聴くとき、他人事のように聴講していませんか。他人事で聴いている限り、おそらく何年経っても質問力は上がりません。

ゼミを少しでもプラスの時間にしたければ、自分事で聴いてみてください。もし自分がこのスライドで発表するなら、事前にどの部分を調べて確認しておきたいだろうかと考えながら聴いてみてください。

発表を自分事として真剣に受け止めていると、何か質問する前提で聴く能動的な姿勢が自然にできあがっていきます。こうなれば質問は次々と湧いてくるんですよ。湧きすぎて時間が足りなくなるぐらいです。

最後に

私自身、ゼミで一言も発せなかった時期が長くありました。質問できない自分が情けなくて、ゼミのある日は朝から憂鬱だった記憶があります。

質問とは恥をかく行為ではなく問いを立てる訓練なのだと腹落ちしたとき、ようやく変わり始めました。恥ずかしさを手放してからは最低限の知識を仕入れる気にもなりましたし、好奇心のスイッチが入り直したことで発表を自分事として聴けるようにもなっていった。やっていることは地味ですが、この4つを意識し始めてからゼミの景色がまるで変わったので、ぜひ皆さんも試してみてください。

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