学会で講演賞を取る3つのメリット【学生目線で語る】

こんにちは!札幌と筑波で電池材料研究をしている北大化学系大学院生かめ (D2)です。M1の3月、化学系全国学会で学生講演賞を受賞しました。

受賞後、様々な所で学会賞の恩恵を享受してきました。受賞のデメリットはゼロ。メリットしかありませんでした。この記事では、学会で賞を取るメリットを学生目線で3つ挙げていきます。

  • 学会賞受賞を狙っている人
  • 受賞のメリットを知り、賞獲得に向けてモチベーションを高めたい人

こうした方々にピッタリな内容なので是非最後までご覧いただければ幸いです。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

メリットその1:JASSO第一種奨学金返還免除ポイントがたまる!

修士課程に在籍している学生の大半は日本学生支援機構 (JASSO)の第一種奨学金を借りられます。利子付きの第二種奨学金と違い、第一種奨学金を借りても利子は付きません。その上、自分と同じ専攻内のおよそ3割の学生が返済を半額/全額免除に。借りない手はありませんよね。なんせ、損をせず、期待値がプラスに振り切れているのだから。

JASSO第一種奨学金を返還免除になるには様々な業績が必要。それぞれの業績にポイントが割り振られ、獲得ポイントの多い者から順に上位3割までが返還免除を勝ち取られるのです。業績にも様々な種類が。論文を出版したり、特許を取ったり、講義でオール『優』以上の成績を取ったり、学内ボランティアに参加したり… 学会発表も実績の一つ。発表件数が多ければ多いほど返還免除ポイントが増えていきます。

講義の成績や学会発表の件数では他とそこまで差をつけられません。大きく差が付くのは【論文出版】【学会賞受賞】。どちらもカバーすれば全額返還免除が射程圏内に。少なくとも半額免除は濃厚でしょう。参考までに私が所属していた専攻の情報をお伝えすると、修士の間に論文を出版できたのは40人中5人だけ。学会賞受賞者は全体の1/4程度。返還免除を勝ち取りたければ学会賞受賞が至上命題。論文を出版してようやく全額返還免除争いに名乗りを挙げられる状況でした。

メリットその2:就活や学振DC1への申請時に発表力をアピールできる!

学生講演賞は講演者全体のうち10%程度の人間にしか与えられません。つまり、レアなんです。希少価値が高いということ。みんなが賞を貰えるわけではありません。欲しくても取れずに大学院を修了していく方が大多数。学会賞とは、自身の講演力の高さを示す証。受賞審査員からプレゼン力やスライド作成スキル等の高さを認められたが故に賞を貰えたのですから。

学会賞を持っていると、就活で企業へ自身を売り込むことが可能。”学会賞を持つ=同世代の中で頭ひとつ抜けた発表力がある”という図式でアピールできるのです。社員さんの前でプレゼンする機会があれば、その際、自身の持つプレゼン力を披露しましょう。他の就活生より分かりやすい、かつ面白いプレゼンをして内定を搔っ攫って下さい。就活で大切な考えが『他者との差別化』。自分は他の就活生とどう違うか、どんな武器を持っていて役に立つかを訴えるのです。

学会賞は学振DC1申請時にも役立ちます。DC1申請はM2の5月。この時点ではまだ、大半の学生が論文を一報も出版できていません。よって、学会賞があれば他の申請者と一気に差をつけることが可能。十分な研究業績を有さぬ応募者が大半な中、学会での受賞経験があるだけで馬群から抜けられるのです。賞の名前を業績欄に書き込んで下さい。業績欄の見栄えが著しく向上するでしょう。賞獲得のために頑張った経験は『研究遂行力の自己分析』欄へ記入可能。自分が特別研究員として採用されるに相応しい理由を業績から自己正当化できるのです。

メリットその3:自信がつく!学会発表でビビらなくなる

学会で初めて発表したとき、足がすくみ、緊張で声が震えてしまった方が多いのではないでしょうか?私だってそう。寒気がして震えが止まらなくなり、レーザーポインターを持つ右手がブルブル震えて止まらなくなりました。怖かったんです、何を質問されるかが分からなくて。もしも満足に答えられなかったらどうしよう…?詰められたら?怒鳴られたら怖いなぁ。出来ることならその場から逃げ出したかったぐらい。発表が嫌で嫌で仕方がありませんでした。

学会賞を取った途端、学会でビビらなくなりました。「学会賞を取れたぐらいだからもう大丈夫だ。何を聞かれても構わない。どんと来い!」と泰然としていられるように。そう、自信がついたのです。上位10%に入って賞を貰った経験が自分を下支えしてくれました。そうなったらもうこっちのモノ。講演すればするほど発表が上手くなり、ますます自信を深めて堂々と振舞えます。矢のように鋭い質問をも難なくはじき返せるように。冷静沈着な発表は聴衆から理知的に映るし、次の学会賞を受賞するのも時間が解決してくれる問題でしょう。

最後に

学会で賞を取るメリットは以上の3つ。まとめると

  1. JASSO第一種奨学金の返還免除ポイントを貯められる。返還免除希望者は学会賞を狙おう!
  2. 就活や学振DC1の申請時にアピールできる。他の人と自分を容易に差別化できる
  3. 自信がついて学会で緊張しなくなる。落ち着いた受け答えが次の学会賞を手繰り寄せる

このような形になります。

学会賞受賞は至難の業。望めば必ず得られるというモノではありません。しかし、受賞にはメリットが盛り沢山なので、皆さんもぜひ獲得を目指してみて下さい♪

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