週刊オックスフォード§8 安全講習は終わりの始まり。ネガティブな心境と状況の極地に至って下した決断とは?

目次
  • 【50日目・リア幸50】11/20 (月):安全講習は終わりの始まり
  • 【51日目・リア幸20】11/21 (火):実験サンプルは何処…
  • 【52日目・リア幸22】11/22 (水):マジックツリーハウスの洋書を読んだらイライラして主人公に罵声を浴びせ始めた
  • 【53日目・リア幸30】11/23 (木):悟りの境地。残りの期間は洋書の多読だ…
  • 【54日目・リア幸50】11/24 (金):指導教員のオンライン診療。「帰ってきてもいいんだよ」と
  • 【55日目・リア幸60】11/25 (土):昨日起こったラボでのボヤ騒ぎについて
  • 【56日目・リア幸70】11/26 (日):オックスフォード留学を12/29で切り上げることに

【53日目・リア幸30】11/23 (木):悟りの境地。残りの期間は洋書の多読だ…

あぁ、朝焼けが本当に綺麗だ。テムズ川の向こうに見える、まるで燃え上がるような空が美しい。朝焼けは雨の兆候らしい。午後には雨が降るのだろう。そんなの毎日のことである。雨が降るたびイチイチ憂鬱になってしまっていてはキリがない。いっそ、私の体も太陽の熱で燃やし尽くしてくれないだろうか… 骨の髄まで完璧に、跡形もなくキレイさっぱりと。徒に過ぎゆく時間へ気を揉み続けてついに頭が変になってしまった。頭がおかしいのは元々であるが、以前は朝焼けを見て涙を流すほどまではおかしくなかったように思う。

途中で留学を切り上げ帰国したくても既に退路を断たれてしまっているから帰られない[週刊オックスフォード§2]。オックスフォードで状況が好転したら心が軽くなるだろうが、一か月で『一般安全講習を受けた』という1つの収穫しかないものだから未来には絶望させられる。唯一得られた収穫でさえ、”新たに14個の追加安全講習を受けなきゃいけない”というとんでもない毒饅頭だった。何も良いイベントがないな、イギリス。必死の思いで一生懸命お金を貯めて味わわせてもらえた恩恵がコレか…

せめて家で過ごす時間が自分にとって癒しなら助かる。しかし、何度も書くようにホストマザーの咳がうるさ過ぎて全く寛げていない。昨晩22時に寝、今朝はストレス過剰で深夜1時に目が覚めた。この世に私の居場所はないらしい。本当に死んだ方が楽なんじゃないだろうか。持病がますます悪化していく。生きて日本に帰って来られるか、雲行きが怪しくなり始めてきた。

人間、辛さが限界に達すると、命を繋ぐため内なる潜在意識が動き始めるようになっている。今日も「辛い… 死にたい…」とラボで呻いていると、ある瞬間、心の重しがとれて劇的に軽やかになるひと時があった。”なんだ今のは?!”と驚いた。先月初旬に渡英する直前以来の心の軽やかさだった。先ほどの境地に再度至るため、色々な場面を想像してみた。

  • 私のバターを勝手に食ったハナクソフォード大生の顔面にバターを塗りたくっている場面
  • 髪の毛の薄い指導教員の頭に粘着力最強のガムテープを張って”えいっ!”と一気に引き剥がす場面

など、クスッと笑えるシチュエーションを頭に描いてみたが失敗。「はぁ、ダメか…」と絶望したとき再び心が軽くなった。”分かった、コレや!”と感覚を掴んだ。どうやら安楽の境地に至るには【オックスフォードで研究の進展を見込むのを完全に諦める】と良いらしい。ヘタに”実験が進めばいいな”と期待するからガッカリさせられるのであって、ハナから全く期待しなけりゃ気持ちを落ち込まさせられさえしないという仕組み。

内心、この環境で研究を進めるなど自分には不可能だろうと思っていた。研究室に教授は来ない。ゼミが無いから学ぶ機会がない。実験装置に不具合や故障が生じて誰も実験できていない。自分ではどうにもならないアクシデントがあまりにも多発。コレでいったいどうして研究を進められるというのだろうか。書いていて悲しくなってきた。どうあがいたって無理やんこんなの。一体私に”どうしろ”って言うねん。期待したのがそもそもの間違い。『世界ランク一位』だと聞いてきたから過度に期待していたのかもしれない。世界ランクが如何にアテにならぬか、この度の留学で身に染みて分かったよ。ラボによってはこんな杜撰な扱いをしないのだろうとは思う (北大のブラック研究室でさえこれほどの惨状ではない)。けれども、初めて訪れたオックスフォードの研究室がコレなので、オックスフォード大学全体への心象も極めて悪くなった次第。

残りの期間は洋書を多読することに決めた。時間だけは腐るほどあるから大量に英文をインプットしていく。帰国日までに100万語読むのが目標。100万語読めば流石に英語処理能力が今より激的に上がるだろう。童話は読まない。同じ轍は決して踏まぬ。ベストセラーでなおかつ面白そうな本をAmazon UKで探して買う。☆が1万個以上ついているヤツを選べば間違いないだろう。

手始めに【EDUCATED】を買った。毒親に育てられ学校にさえ通わせてもらえなかった女性がケンブリッジ大学の博士課程を修了、Ph.D.を得るまでの物語。深夜1時から読み始め、あまりに面白くて6時間ぶっ通しで読み進めた。心配性の過ぎる母に育てられた自分の過去と境遇を重ね合わせて共感した。単語がかなり難しい。一文に一つは必ず知らない単語が出てくる。でも面白い。分かりすぎるほどストーリーが分かる。絶対最後まで読み通す。最初は辞書を使わずに読み、次は分からない単語を調べつつじっくりともう一度読み直そうと思う。

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