研究室生活春夏秋冬vol. 45 D1・11月 オックスフォード大学留学2か月目をざっくりと振り返る

目次

明るい話題

まずは明るい話題からいきましょう。

今月の目玉イベントは中旬のエディンバラ観光でした。思い通りに行かない留学生活のうっ憤を解消するため4泊5日のプチ旅行。エディンバラ到着初日に丘から眺めた景色が忘れられません。歴史の深みを感じる圧倒的な街並みにうっとり見惚れてしまいました。街の中心部に聳え立つウォルター・スコット記念塔は存在感がありまくり。黒い塔なんて初めて見ました。なかなかカッコ良いですね。エディンバラ城や美術館鑑賞でスコットランドの文武を堪能。小高い山にも登りました。高所恐怖症が絶賛発動しておしっこを漏らしそうになったけれども。

また、研究面での進展としては、先月からずっと”受けたい、受けたい”と言っていた安全講習を受けられました。コレでようやく実験を行う権利を得られたか…と思ったら誤算でした (詳細は次章で)。いくら待っても安全講習係から何ら返信を貰えません。とうとう我慢の限界を超え、「こっちはお金を払って来ているのになんじゃ、その杜撰な対応は?!武士道叩き込むぞワレ」とブチ切れてメールを投げつけたんですね。そうしたらその15分後に返信が来ました。「マジでごめん。すぐセッティングするわ」と直ちに安全講習の日程調整をしてくれることに。11/20、お昼に講習を受講しました。あぁ、めちゃくちゃスッキリした、、、と思ったらまだまだ何個も壁があったわけで…

その他の明るい話題としては、①イギリスの生活にすっかり慣れた、また②先月より少しだけ英語が聴き取れるようになったの2つが挙げられるでしょう。ポジティヴな話はこんなもんです。次はネガティヴな話をしていきます。

暗い話題

一番大きな問題は【渡航してから2か月経つのに実験を始められる見込みが何ら立たないこと】です。サボっていたわけじゃありません。毎日毎日ラボへ通って実験を始められるよう画策していました。土日までラボに行っていたぐらい。これほど勤勉な訪問学生を無下に扱うって酷いよ、オックスフォードさん?

自分でいくら動き回っても解決できない問題というものがある。私が実験を始められなかったのは、下記3つの大きな問題が目の前に立ちふさがっていたからです。

まず一つ目は安全講習について。11/20、訪問開始から50日目にしてようやく講習を受けられました。ところがコレはあくまでGeneralな (一般的な)講習なのだそう。ラボで実験を始めるには各自でSpecialな (専門的な) 講習を受けるのが義務付けられているみたい。その数、少なくとも10個以上。1つの講習を受講するだけで50日も待たされたのに、10個受けるとなったら単純計算で500日も待たなきゃいけません笑。WEB上で受講するスタイルのよう。安全講習に申し込みを済ませたものの、当然のように10日以上も講習の連絡が来ません。

二つ目は実験装置について。ラボで実験をするのに要となる装置 (”G”とする。但しゴキブリではない)が中旬まで壊れたままでした。一応は直ったんですよね。動くようにはなりました。ところがGの内部のコンディションを常時検査するセンサーが未だに破損したままなのです。よって、Gを使って得られたデータを完全には信用できません。信用度の低いデータを幾ら得ようとも論文に使いたいとは思えないですよね。実験できない&実験したくないというダブルチーズバーガー状態。

最後にコレが致命的。実験に使う試料が未だにラボへ送られてきません。果たして発注してくれたのでしょうか?ラボの秘書さんに発注をお願いしてからかれこれ1か月が経とうとしています。実験材料が手元になければ実験のしようがないでしょう。自分で作れというコトですか?装置なら作れる可能性はあるけど試料はさすがに無理ですよ… 「試料が欲しいです」と受け入れ先のボスにメールするじゃないですか?全然返ってこないんだな、返信が。もしかして私、嫌われているのかな?英語を喋るのがたどたどしすぎて無能扱いされているのかも。少なくともオックスフォードのラボに居る学生の誰よりも掲載済み論文数は多いんだけどな。研究をやらせたら無能じゃないとすぐ証明出来るのに、その研究が全く行えないから無能扱いされたままなのです…

上記3点を一挙に解決するのは”極めて困難”と判断しました。24日、指導教員へオンラインで現状を報告し、「そりゃ厳しいね」と先生からも【大災害級の困難】とのお墨付きを頂きました。じゃあどうするか?我慢してあと4か月過ごすのか、はたまた…という点を次章で述べます。

ではどうするか

苦しい決断を下しました。オックスフォード大学への留学を12/29に打ち切ります。これ以上居たって仕方がない。何ら収穫を得られないにもかかわらず、ダラダラと滞在するのはお金と時間の明確な浪費。本当は明日にでも打ち切りたいですよ。訪問先への礼儀を込めて、せめて12月までは在籍しよう、と。

ではすぐ日本に帰ってくるのか?…いえ、そうは致しません。当初の帰国予定日は3/29。その日程を一日も前倒さずに12/29から3か月間、ヨーロッパに居続けます。ロンドンから帰国便に乗るまでの間、欧州全体を縦横無尽に放浪してやろうと思い立ちました。もちろん自分のお金で、ですよ。仮に科研費を使って放浪したならコメント欄で「非国民!もう帰って来るな!」と袋叩きに遭うだろうから笑。ヨーロッパ33か国の鉄道が乗り放題になるEurail Pass (ユーレイルパス)なるものを発見。JRが全線乗り放題になる青春18きっぷの超強化版というイメージです。33か国すべて回れたらいいな。フランスのパリをはじめ、治安の悪い地域には極力近づかぬように。

電車に揺られて外を眺めながらゆっくり内省しようと思います。旅のお供にペーパーバックを持って行って読めば英語力の強化に。イギリスへは留学しに行ったはず。まさか放浪することになるとは全く予想だにしていなかったな笑。まぁ、いいや。留学はここからが本番だ。ヨーロッパ旅行を全力で楽しみ、微塵も後悔を残さないようスッキリして北大へ帰ろうじゃないか。

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