大学院博士課程へ進学しようかしまいか迷っていた時に考えていたアレコレについて 前編

こんにちは。札幌と筑波で蓄電池材料研究を行う工学系大学院生のかめ (M2)です。

M1の9月に進学を決意し、来年4月から博士課程へ進学するのが決まりましたが、進学を考えだしてから決意するまで半年以上悩んでいました。

今回と次回の2記事では、博士課程進学について迷っていた時に考えていたアレコレについて書いていきます。

博士進学を迷っている学部生/大学院生さんにピッタリな内容なので、是非最後までご覧いただきたいと思っています。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

自分は研究のどこに魅力を感じているのか?

まず最初に考えたのは、”自分は研究のどこに魅力を感じているのだろうか?”ということについてです。

私が博士進学に魅力を感じ始めたのは研究が大好きだったからですが、一概に「研究が好きだ!」と申しましても

  • 研究プランを立てるのが好きなのか?
  • 実際に手を動かして作業するのが好きなのか?
  • 実験が上手く行かず悶え苦しむのが好きなのか? (←ドMですね笑)
  • 実験を終えて論文にまとめる過程を好むのか?

果たして何が好きなのか、あまりにも漠然とし過ぎていたのです。

ココが不明瞭なまま進学すると、博士課程進学後に(なんか思ってたのと違うなぁ…)と違和感を覚える予感がしました。

20代後半という貴重な時間を3年間も費やそうとしているのだから、進学後に自身の決断を後悔するのだけは避けたいなぁと思っていました。

そこで”研究のどこが好きなのか”と考えてみると、手を動かして作業する過程が大好きなのだと思い至りました。

昔から泥遊びやプラモデルなどモノを手作りするのが本当に好きで、作業をすると周りの音が何も聞こえなくなるほど目の前の対象に没頭できたのです。

幸いにも私の実験テーマがウルトラハードな課題でして、リチウムという外環境に敏感な試料を扱うため、再現性を確認すべく夥しい量の実験をすることができます。

実験好きの私にとっては願ったり叶ったりなテーマであり、もう少しこのテーマで実験したいと思ったから博士進学を志したわけでした。

研究のどこに魅力を感じているのか確かめたのち、『果たして作業が好きなだけで博士課程の3年間を乗り切れるだろうか?』と考えました。

確かに研究は作業ゲーな一面があるものの、作業ゲーへと持ち込むためには”何を実験するか”とか”どういう方針で実験するか”といった作業以外の過程を突破しなくてはならないのです。

だから

かめ

果たして脳みそまで筋肉な私が思考活動に耐えうるだろうか?

と少しだけ不安になりました。

(博士課程で何をやればいいか分からなくなったらどうしよう……?)と、行く末を危惧し始めたのです。

この懸念を払拭すべく、学振DC1の申請書作成時にめちゃくちゃ頭を使って研究計画を練りました。

もしプランAが駄目になった時に備えてプランB, Cまで用意するなど、心配性な私を安心させるべく大量の保険をかけておきました。

加えて、当初想定していたよりずっと楽に申請書を書き上げられたので、

かめ

アレッ?自分、意外と頭使えるやん(^^♪

と新たな一面に気付けました。

頭脳労働は肉体労働より不得意ではあるものの弱点というほどではありませんし、(博士課程の3年間で頭脳に関してもある程度鍛えられるだろう)と楽観視しました。

どうして博士課程へ進学したいのか?進学して何をしたいのか?

次に考えたのは、『博士課程へ進学して何をやりたいのか?』ということです。

”好きな実験をもっとやりたい”というだけでは進学の根拠が少々幼稚で、自分や他人を納得させるための確固とした進学目的を欲していました。

コレについては今まであまり考えたことがなかったため、具体的に言語化するまで1か月間ほど要しました。

そうして考え出した3つとは、

  1. 現代最高の芸術作品たる『蓄電池』をより深く理解し、電池の力で自分の生涯目的を達成するため
  2. 海外留学に挑戦し、限界の境地で自分なりの幸せを見つけるため
  3. 3年間で今後の人生の基盤となる人生哲学の基礎を構築するため

このような形になりますが、以下では一番大きな理由である①について書いていきます。

蓄電池は電解液や電極など様々な部材のコンビネーションで動作しており、私はこの絶妙にバランスの取れた芸術作品たる電池、とりわけリチウムイオン電池(LIB)に非常に大きな魅力を感じております。

修士修了後に就職し、企業であくせく働いていてはこのLIBに関して腰を据えて理解することが難しいだろうと思ったので、博士課程へ進学し、研究と勉強だけに専念できる環境下で学ぶべきだと考えたのです。

上に書いた”生涯目標”というのは、雑音が瞬時に打ち消されるノイズキャンセリングルーム (註:私の造語)のことであります。

現在はヘッドホンやイヤホン等でノイズキャンセリングにより騒音が軽減されておりますが、コレを住環境スケールでも実現するのが私の一生涯の目標です。

私、人が鼻水をすすったり咳ばらいをしたりする音が本当に苦手なんですよ。

だから研究室にいるのがすごく苦痛で、大学受験の時でも (隣に鼻水をすする受験生が座らないかな…)と勉強以外の要素に振り回されておりました。

私のような症状を医学用語で『ミソフォニア』といい、医学界では最近になってようやくその存在が認知されたみたいです。

ミソフォニアは脳の障害の一種であり、今のところ抜本的な治療方法はまだ何も見つかっておりません。

私をこれまで悩ませてきた雑音ですが、雑音もとどのつまりはなので、それとピッタリ同じ波長の波をぶつけて干渉しちゃえば理論上は打ち消されるはずなんです。

しかも音波は340 m/sと光速より遥かに遅いですから、室内の至る所に嫌な音を検知するセンサーを設置すれば、センサーで音を検知し干渉波を発射し音波を打ち消す過程を雑音が耳に入るまでに無事完了させられる気がするのです。

私はミソフォニア患者でかつ電池の研究をしており、しかも光の干渉という物理現象を利用した”干渉計”まで使っているのだから、『ノイズキャンセリングルーム』を実現することは自身の宿命だと捉えております。

天から課せられた運命を全うし、魂を完全燃焼して死にたいのです。だから私は大学院博士課程へ行こうと決めました。

他にも海外留学をしてみたいだとか、人生を生き抜く指針を見つけたいとう理由があって進学を決意するに至りました。

これ等について書いていたらすごく長くなっちゃいますので、詳細は以下の3記事を参考して頂きたいと思います⇩

次回予告

大学院博士課程へ進学するかしまいか迷っていた時に考えていたアレコレについて (前編)はコレで以上となります。

後編では

  1. 学費や生活費など金銭面について
  2. 博士号を取れそうな見込みはあるのか?
  3. 博士号を取った後は何をするのか?

これ等3つについて書いていきます。

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