大学院博士課程へ進学しようかしまいか迷っていた時に考えていたアレコレについて 後編

こんにちは。札幌と筑波で蓄電池材料研究を行う工学系大学院生のかめ (M2)です。

M1の9月に進学を決意し、来年4月から博士課程へ進学するのが決まりましたが、進学を考えだしてから決意するまで半年以上悩んでいました。

前回と今回の2記事では、博士課程進学について迷っていた時に考えていたアレコレについて書いていきます。

博士進学を迷っている学部生/大学院生さんにピッタリな内容なので、是非最後までご覧いただきたいと思っています。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

学費や生活費など金銭面について

博士課程進学を志すにあたり、解決しておかねばらなかったのが金銭面の問題でした。

修士課程までは親に学費や下宿の家賃を支払って貰っていたので生活できておりましたが、博士課程からはイチ社会人として自活すべく、全費用を自分で賄おうと考えたのです。

お金の捻出先について考える前に、まずそもそもいくら必要なのかを具体的に計算してみました。

その結果、年間180万円あればどうにかなることが分かりました。

支出の内訳は

  • 食費:年36万円 (月3万円)
  • 家賃&通信費:年66万円 (月5.5万円)
  • 水道光熱費:年6万円 (月0.5万円)
  • 授業料:年53万円
  • 書籍&その他娯楽費:19万円

とこのような形でありました。

娯楽費以外はほぼ削減の余地がなく、M1の7月からやり始めたつみたてNISAを継続しようとすれば、さらに年間40万円 (合計220万円)もの追加費用が必要となります。

必要な金額をハッキリとさせた次は、じゃあどうすれば年間180万円、ないし220万円を調達できるか?と考えてみました。

年間数十万円程度ならバイトでどうにか賄えるとは思いますが、研究を進めながら数百万円ものお金を稼ぐとなるとバイトじゃ不可能なのは明らかです。

私が幸運だったのは、進学にあたり必要となる費用を一瞬で調達できる見込みが立ったことです。

M1の11月に申し込んだ博士進学者向けのフェローシップに無事内定し、欲しかった年間180万円ジャストを支援してもらえることになったのです。(註:実際には雑所得が引かれるので180万円満額は貰えません)

なお、当フェローシップは専攻内で3名の募集があり、応募者も3人しかいなかったので全員が採用されました。

もしこのフェローシップに当たらなかったらJASSOの第一種奨学金 (奨学金とは名ばかりの借金ですが)でどうにか食いつないでいこうと考えていただけに、内定が決まった時は本当にホッとしたのを未だ鮮明に記憶しています。

フェローシップ内定から半年後、学振DC1に応募しました。

フェローシップ (年間180万円+研究費40万円)よりも学振DC (年間240万円+研究費100万円)の方が支援金額が大きいので、学振DCに採用されて博士課程をより楽なものにしたいと考えたのです。

幸運に幸運が重なった結果、学振DC1に無事内定が決まりました。

おそらく授業料も半額程度免除になると考えられるので、コレでつみたてNISAを継続できるだけでなく、多少の貯金もできるのではないかと思っています。

博士号を取れそうな見込みはあるのか?

私が在籍する専攻の場合、博士課程修了要件は『公表論文が3報以上あり、そのうち、2報以上がトップオーサーのフルペーパーであること』と定められております。

コレが”博士在学中に3報”なのか、”学士・修士・博士トータルで3報”なのかは人により見解が異なるらしく、専攻的にも

先生

ホントは”前者”なんだけど、それだと実験テーマ的に厳しい学生がいるかもしれないから”後者”ともとれるよう曖昧にしておこう

という意図で含みを持たせているのでしょう。

後者や他の方の論文に名前を載せてもらえる可能性を排除して考えると、博士在学中に3報、つまり年間1報ペースで論文を書いていく必要があります。

コレって結構なハイペースです。しかも”フルペーパーで”という指定があるためLetterやCommunicationなどに出してもカウントされず、やっつけ仕事により修了を目指すのは不可能だということがお判りになるかと存じます。

現時点では、修了の見込みは”十分ある”と考えております。

B4~M2の3年間にも筆頭3本・3rd1本と計4報の論文を書いてきましたし、おかげで論文を少し書き慣れてきたので、これからもう少しペースを上げて執筆していける予感がしています。

実験テーマ的にもまだまだ研究したい題材が山積しており、とても3年間ですべてやり尽くすのは不可能ではないかとすら思っています。

したがって博士課程在学中に (何をやったらえぇんやろ…)と途方に暮れる可能性は極めて低いはずであり、修了要件を満たして博士課程を修了する見通しをしっかりと立てられている現状です。

ただ、D1に半年以上の海外留学を予定しており、渡航中はD論用の研究が止まってしまうので、修了要件を満たすのは時間との勝負になるかと存じます。

その他にも実験装置がぶっ壊れたり (修理不可能な装置を使っています…)、心を病んでしまったりして研究遂行が困難になる可能性もありますから、必ずしも博士課程を修了できるとは私自身も考えておりません。

M2の12月現在のコンディションでD3まで行くことができるならば、90%以上の確率で博士号をGETできるでしょう。

GETできるように死に物狂いで頑張らねばなりませんし、予備審査や公聴会で炎上しないよう運気を高めて徳を積んでおかねばなりません。

博士号を取った後は何をするのか?

博士課程修了後、半年ぐらい日本中を放浪できれば最高だなぁと考えています。

これまで大学受験浪人期を含め、休む間もなく終始何かを詰め込まれ続けてきましたから、一度何もせず完全に休む期間を設けて心身ともにリフレッシュしたいんです。

放浪後できる/できないに関わらず、博士課程修了後は一般企業に就職しようと考えています。

現時点では日本国内の企業がいいなと思っており、前の記事にて述べた『ノイズキャンセリングルーム』を実現できる企業を博士在籍中に見つけたいです。

職種は研究職になろうと技術職になろうと何でもOKのつもりです。

まぁ、どうせ苦労して博士号を得るならソレを活かせる職種が良いだろうし、博士号取得者にそれなりに給料を支払って下さる企業なら喜んで働く所存です。

大学に残るつもりは毛頭なく、もしポジションが空いていてもスルーしようと思っています。

というのも、最近の大学の教職はみな数年間の任期付きであり、毎日期限に追われながら結果を出し続ける今の生活をこれからも続けたくないからです。

加えて大学の先生は激務な割に薄給です。業務量と給料がまるで釣り合っておらず、プライベートを捨ててまで就く職業だとはどうしても思えないんです。

あと、私の場合、”先生”と呼ばれる職業に就くと勘違いして調子に乗っちゃう気がしますので、大学の先生になることは現時点で全く考えておりません。

ならばJAXAや産総研などの国研ならどうかというと、正直、それも微妙だなぁと感じています。

国研のポジションを得るためにはそれなりに実績が必要で、数年間のポスドク期間を経てようやく正規職を見つけられる”かも”という世界だからです。

私、ポスドクや特任助教など、任期付きの職に就くのだけは絶対に嫌だと考えております。

いつでも首を切られかねない不安定なポジションで落ち着いて仕事なんてできませんから、仮に将来安泰な国研の研究職に就きたいと思っても、任期付きのポスドク期間を経ねばならないのならばハナから目指そうとは思わないのです。

最後に

私が博士課程進学を志した時に考えたアレコレについては以上となります。

今後の博士進学者の参考になる事を願い、記事を締めくくることにします。

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