【博士就活】大学院修了後の就職先を民間企業に決めた理由

こんにちは!札幌と筑波で蓄電池材料研究をしている北大化学系大学院生のかめ (D2)です。博士課程修了後、地元・広島の民間企業へ就職することにしました。

この記事では、就職先は民間企業が良いんじゃないかなと思った理由を記します。

  • 博士修了後の進路を迷っている方
  • 博士課程に進学予定の修士課程在籍中の方

こうした方々にピッタリな内容なのでぜひ最後までご覧ください。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

自分が開発に携わった製品が街中で人に使われ、愛用されているのを見たかったから

私がこれまで取り組んできたのは電池材料の基礎研究です。二十年、三十年後の実現が予想されている革新型蓄電池に関する内容。電池性能を上げるためのものではありません。電池内で起こっている反応メカニズムの根本に迫るための研究。役に立つか/役に立たぬかどちらかと言ったら、まぁ、何らかの役には立つと思います。基礎研究を疎かにしていては学術的イノベーションの源が枯れてしまいますから。しかし、自分の研究を幾ら進めようとも、自分の作った電池が人に愛用される姿を見ることはおそらくないでしょう。皆さん、使い古した乾電池に愛着が湧いたことはありますか?…無いですよね。容量が無くなると袋に入れ、ゴミ回収日にポイっと集積所へ投げ捨ててそれでお仕舞いでしょう。

博士課程修了後、自分の生きがいに繋がるような仕事がしたい。では、自分の生きがいとは何か?本当に電池を作るだけで良いのか?どうせなら電池を積んで活躍している製品を見たくないか?大学で基礎研究をし続け、自分の夢や願望は叶えられるのだろうか… 進路について考えてみたとき、電池の根本原理を探るよりも、自分が仕事で開発に携わった製品が他の人に愛用されている姿を観たくなりました。自分が心から大好きな製品を他の方にも使って頂き、「こんなすごい物を作ったの?!ありがとう。コレで便利になるねぇ^ ^」と喜んでもらいたくなったのです。自分の基礎研究が成功して喜ぶのは学術関係者のみ。ひょっとしたら自分の所属する研究室内の一部の人間だけかもしれません。しかし、企業に就職して勤めれば、その何十倍もの人々に感謝される仕事に携われます。大学と企業。両者を天秤に載せたとき、どちらの方向に天秤が傾くかは載せる前から自明でした。

大学でやりたかった研究をほぼほぼやり尽くしてしまったから

学振DC1の申請書に”革新型蓄電池実現のための基礎研究をやる”と記しました。リチウムが電池の中でどんな悪さをしているか、どうすればそのイタズラを抑止できるのかを解明するのが研究課題。幸運なことに、当初の目標をD2のうちに完遂できそうな見込みが立ちました。そのため修了を一年繰り上げ、D2の3月に博士課程を出ることに。博士課程修了後の研究課題を思い描いてみたとき、やりたい研究が幾つか浮かび上がってきました。ただ、それらは今やっている研究と比べたら解決すべき重要度が著しく低いのです。要は些末な問題に映ってしまうってこと。それは本当に解決すべきなのか?自分じゃなくても他の誰かがパパっとやってくれるんじゃないかなぁ…と。

大学で高濃度な日々を過ごすうちに、いつの間にか大学でやりたかった研究をほぼほぼやり尽くしてしまった自分に気付きました。もう、ここでやる事は残っていなさそうだ。いや、正確には沢山あるのだけれども、これまで解決してきた無理難題と比べれば解決する【やり甲斐】を見出せそうにありませんでした。

おそらく、アカデミアで職を求めてもどこかしらで仕事を見つけられると思います。そこまでしてしがみつきたい世界か、、、と自問したとき、答えは断固たる「No!」でした。戦うフィールドを移す頃合いじゃないか?無理してつまらない研究を続けるよりも、分野を移して新たなる刺激を得てフレッシュに働く方が楽しいんじゃないか?仕事にやりがいを持って取り組みたい。自分がこれまで培ってきた能力を役立て、重宝してもらえる分野に移りたい。それは何処だ?企業じゃないだろうか?少なくともアカデミアではありませんでした。

もっと早く、もっと沢山、息つく間もなく次々と仕事をしたかったから

アカデミアでは仕事のスピードがどうしても遅くなりがち。ダイナミックに変化している世の中とはまるで別世界のように時の流れが遅々としている。私がのんびり屋さんなら良かったでしょう。アカデミアでの居心地は最高だったはず。度を超すレベルでせっかちだから困ります笑。「もっと仕事をさせてくれ!早く、早く!!」と仕事の進まぬイライラを募らせ、時々一人で「あぁぁぁぁーーー、もうっ!!!」と頭を抱えて爆発している有様。アカデミアで長く働くことになった場合、自分の性格を変えなきゃおそらく長くやっていけないでしょう。常時イライラしていると健康に悪いし、周りにとっても迷惑ですから。せっかちな性格は昔から変わりません。歳を重ねるにつれて酷さがどんどん増していっているよう。性格を変えようとしたこともあります。 …全然変わらない。仕舞いには”もうどうにもならぬものだ”と諦めてしまいました。

生きるためには働き、どこかから銭を得なくてはなりません。どうせ労働するのであれば、せっかちな性格の活きる場所で働きたいと考えました。少なくともアカデミアではないでしょう。研究だけをやっていればいい国研ならまだ良いとは思うのだけれども、そもそも研究をしたい対象が無いのだから国研に就職したって駄目。世の流れに素早く適応する必要のある民間企業なら自身の性格を活かせそう。次から次へと仕事が回って来る忙しさに心が満たされ、和らいでいくはず。私はこれまで研究室で月残業100時間越え(時に150時間越え)の日々を4年間営んできました。超絶ブラック生活を余裕で乗り越えられている私には企業での忙しさなど屁でもありません。

最後に

博士修了後、民間企業への就職を決めた理由は以上。博士修了後の進路をお考えの方の参考になれば幸いです。

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