北大と国研で研究している化学系大学大学院生かめ (D2)です。現役時代に京大農学部へ落ち、一年の浪人生活を経て北大総合理系に受かりました。
大学進学後、自身の浪人の意味についてじっくりと考えてみました。どのような意味があったのか。自分にとって何かプラスになる期間だったのか。いや、そもそも何も意味はなかったんじゃないか。現役合格可能なレベルの大学を受けておけばよかったのか、など。
この記事では、北大在籍中に八年間考え続けて見出した浪人の意味について記します。
- 浪人生の方
- 浪人が頭にチラついている現役生の方
- 浪人生活を乗り越えた現役大学生の方
こうした方々にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
それでは早速始めましょう!
浪人に意味なんてない。現役進学する方がいいに決まっている
大学受験浪人に意味なんてありません。十代最後の一年、ないし二年が無駄になってしまうのはあまりに大きな損失です。
大学進学後、現役合格生との壁を実感しました。現役生はピチピチしているのに対し、浪人生は顔が心なしか老けて見えるのです。悲しいかな、浪人生は現役生の醸し出すワイワイムードについていけません。キラキラとした雰囲気にたじろがされ、集団に馴染めず、一人で過ごす時間が多くなるでしょう。現役生と既卒者とでは感受性の高さが段違いなのです。現役生が素直に感動できる出来事も、私のような浪人生にとっては「ふ~ん。で?」と感興を引き起こされません。
どうせ合格するなら現役で受かる方が良いに決まっています。わざわざ回り道をして大学へ行かなくちゃならない理由はありません。いくら『人生百年時代』とは申せど、九十代の一年と十代の一年とでは重みも価値も何もかもが違います。十代の一年は二十代の二年分に、九十代の十年分に相当する価値があるのです。回り道をすればするほど若い頃の時間が失われるでしょう。人生を俯瞰したとき、満足度の合計値が浪人のせいで伸び悩むはずです。
自分の過去を正当化するため浪人へ無理やり意味を見出すことはできる
自らの過去の決断を否定するのは辛いものです。受験浪人に意味なんてありません。浪人するぐらいだったら現役で大学へ行った方が良かったでしょう。それでも過去へ何らかの意味付けをしたい。灰色の壁に囲まれながら過ごした予備校生活の一年間にも意味があったと信じたい。自分が無為に十代最後の一年間を浪費しただなんて考えたくない。浪人生活へ何か意味を見出したい。浪人はいまの自分にどのような影響を与えているのだろう?
18歳当時の自分にとって、浪人は「必要」とまでは言わずとも、「不必要」とは必ずしも言えない時間でした。
課外活動で全国レベルの成績を残して高飛車になっていた自分。模試でケアレスミスを犯しまくっていても”A判定だから”と喜んでいた自分。勉強へ集中するがあまり、周囲への感謝の気持ちを忘れていた自分… 過去の自分は大変未熟でした。まるで赤ん坊のようにワガママな振る舞いでもって周囲を困らせていたのです。粗削りな自分が大学へ行っても周りに迷惑をかけるだけだったはず。私にとって、浪人は己のこれまでの生き方を恥じ、深く反省する時間でした。受験勉強を通じて自らを見つめ直し、人生に臨む態度を根本から入れ替えたのです。浪人のおかげで自分は変われました。浪人ぐらいショッキングな出来事がなければ人は変われないってことでしょう。
正直、浪人が役に立つだなんて口が裂けても言いたくありません。とはいえ、全く役に立たないかと言ったら決してそのようなこともないのです。「浪人を自分に有益な時間にしよう」と決意すれば良い時間を過ごせるでしょう。『この一年を無駄しない。徹底的に自分を見つめ直す!』と決め、生き方を変えられれば合格間違いなし。受験校のレベルを妥協して現役進学するより良いかもしれません。まぁ、生き方を見つめ直すのは、大学でだって不可能ではないんですけれどもね…
【現役生へ】受験浪人前提で高校時代を過ごしたらダメ
高校生の読者さんの中には浪人前提で大学受験へ挑む方がいらっしゃるかも。『現役での合格は無理そう。一年浪人して来年度の合格を目指そうかな』と。ハナから浪人するつもりで受験へ挑むのは危険。浪人中に成績を伸ばすのは、皆さんが思っている以上に大変ですよ。
浪人は背水の陣。落ちたらニート。もう後はありません。大学へ必ず合格せねばなりません。浪人中、絶え間なく襲われるプレッシャーで胃に穴が開くほど悩まされるでしょう。私自身、浪人期間中、現役時代に大学へ落ちた場面が毎週のようにフラッシュバックして気が狂う寸前でした。いくら勉強してもまた落ちるかもしれない。試験本番になってド緊張して手が動かなくなっちゃう可能性もあり。だからといって勉強をやめるわけにはいかない。底なしの恐怖に打ち勝ち、合格するために己を勉強へと駆り立てるのです。手を休めた途端、また不安に苛まれてしまうはず。浪人中は休むに休めません。ずっとず~~っと勉強し続けねばなりません。
悲しいかな。浪人生全体のうち、現役時代から成績を伸ばせるのは一割から二割程度。私だってほとんど伸ばせませんでした。毎日があまりに辛すぎたせいで高校時代の学力維持で精いっぱいに。大半の受験生にとって学力のテッペンは高三の受験直前期。直前期までに頭へ知識や応用力をどれだけ詰め込めるかが勝負の分かれ目。仮に浪人することになったとしても、学力が期待よりも伸びず、当初の志望校を諦めねばならなくなるかも。【浪人したら成績が伸びる】は幻想。騙されないように。ネット上には嘘が蔓延していますから。
高校生の皆さんは浪人前提で受験計画を組み立てないように。現役合格目指して最後まで徹底的に追い込んで下さい。現役進学できそうなギリギリのレベルの大学を選んで進学してください。浪人するよりも現役で進学する方が絶対に幸せになれますから。第一志望を譲れないという方に限っては浪人するリスクを背負うしかありません。浪人覚悟で受けるにしても、翌年度、確実に合格できるよう現役時にできるだけ学力を高めておいてください。
最後に
大学受験浪人の意味については以上。受験浪人が頭にチラついている現役生、および浪人生活に苦しんでいる浪人生の参考になれば幸いです。
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