大学受験理科の勉強法|物理で見事独習に失敗して浪人。基礎からやり直し、北大理科123/150

札幌と筑波で電池材料研究をしている北大化学系大学院生かめ (D2) です。2017年4月に北大総合理系へ入学し、学士・修士・博士とこれまで北大へ8年間お世話になりました。大学受験理科では物理と化学を選択。生物が苦手だからという理由で消去法で決定。物理も化学も一人で勉強しました。化学は何とかなったものの、物理の理解に苦戦して入試で失敗して浪人することに。基礎からやり直して合格を掴み取りました。理系なのに理科が苦手。好きではあったのですが、なかなか点が取れませんでした。

この記事では、大学受験理科の勉強法について解説します。特に物理へ苦手意識のある方へピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧下さい。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

高1:生物が苦手で物理&化学選択を決意

高1では学校で理科四科目の授業がありました。いずれも理科基礎の講義。物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎を勉強するハードな時間割。授業を受け、生物へ苦手意識を抱えました。覚える量が多すぎて辛かったのです。しかも、言葉一つ一つが似ていて覚えにくい。同じような専門用語を羅列されても全然頭に入れられません。おまけに生物の先生に対しても苦手意識を持ちました。急に大声で怒鳴り出すかと思えば、何も悪さをしていないのに怒られて廊下に立たされたことも。授業を受ければ受けるほど生物が嫌いに。”絶対に受験で使ってやるものか”と思いました。

受験で生物を選択しないとなると、物理・化学・地学の三つから二科目を選ばねばなりません。地学は受験の参考書が少なすぎて勉強しにくいし、地学では受験できない大学も多くあります。消去法的に物理&化学選択へ。もはや選択肢がこれしかありませんでした。化学は好きだし得意なのでOK。授業で教師に見せてもらった炎色反応に魅せられて化学が大好きになり、以来、教科書や化学の図表を学校の休憩時間に読んでいたほどです。一方で、物理はさほど得意ではありませんでした。物体へ力の働く矢印の向きを頻繁に間違え、計算問題や記号選択問題でボロボロ点を落としまくる体たらく。受験で物理を使う以上、物理をいつまでも苦手なままで放置しているわけにはいきません。教科書傍用問題集を用いて力学分野を集中的に学習しました。

高2:もっといっぱい勉強したくて独習開始

物理の問題を解きまくっていた所、物理に対する苦手意識がいつの間にか払拭されていました。苦手ではない、むしろ得意な状態にまで持って行けたのです。物理的な考え方がようやく頭へインストールされました。学校の定期テストでクラス内上位の点を取れるまでに。苦手科目が一つ減って嬉しかったです。この勢いで物理を得意科目にできれば最高なんだけどなぁ。

ちょうど夏休みの昼、テレビで ガリレオ が放映されました。福山雅治さんと柴咲コウさんのタッグで難事件を解決する名物番組。物理の力で事件が解決されていくのを見、「物理学者ってカッコいいなぁ…」と憧れを抱きます。物理を使った仕事に就けたらいいなと思い、物理の自主勉強へ取り掛かりました。まずは物理のエッセンスで基礎固め。次に良問の風で典型問題の攻略法を学ぶ。そのあとは名問の森で応用力の養成。高2の冬には名問の森をほとんど完成させるところまで達しました。

物理の勉強欲に触発される形で化学も独習に取り掛かりました。化学はもともと得意科目。それをもっと得意な科目にするための勉強。夏休みはセミナー化学の理論分野を演習。9月から年末までは同問題集で無機・有機化学の暗記と演習を同時進行。年明けからは重要問題集で全範囲の演習を開始。高2の3月に一周目を終了。以降、高3の11月末まで、一か月に一周のペースで重要問題集の演習を繰り返し行いました。

高3:化学はできる。物理ができない…

物理と化学とで明暗がハッキリと分かれました。物理はできない。化学はできる。

物理は本質を理解していないと難しい問題を解けるようにはなりません。模試や国立大二次試験の問題は解法暗記だけじゃ太刀打ちできないのです。高2で物理に対する苦手意識が払拭されたのはただのまやかし。答えと解き方を覚え、それでもって物理ができるような気になっていただけでした。事実、名問の森で見たことのある問題は解けます。名問の森で見たことのない問題は解けません。物理を理解している人なら何だって解けるはず。自分の勉強法が誤っていたのだなと高3になってようやく気付かされました。

全統記述模試で物理は偏差値60程度。化学が偏差値65以上ということを踏まえれば”物足らない成績だ”と言わざるを得ません。とはいえ、勉強法を変えませんでした。志望していた京大の物理過去問なら4~5割程度の得点を集められたからです。京大物理は穴埋め形式。誘導に従って答えを出していけば半分ぐらいの点数を取れます。しかも、名問の森の中で見たような問題が多かった。全統模試はできなくても京大物理ができるなら問題はないんじゃないか?と錯覚したわけです。

化学は相変わらず好調。物理と違い、理解に苦しむことはなく、演習すればするほど益々実力がついていきました。重要問題集のおかげで模試で苦戦することもありません。京大模試ですら善戦。偏差値60前後の成績を残せました。有機化学だけは得点不足。演習量が解決してくれる問題なのでそこまで気にしていませんでした。学校のテストは出来ません。重要問題集ではなく、それよりワンランク難しい 化学の新演習 から問題が出題されたからです。東大レベルですらオーバーワークとされる新演習を我が自称進学校で使う意味が分かりません。絶対おかしいでしょう。ヘタに新演習に手を出して中途半端になるよりも重要問題集を完璧にした方が良いです。授業方針に真っ向から逆らい、一人で重要問題集だけを演習。テストで赤点を取らぬよう気を付けながら、着々と受験に向けて態勢を整えていきました。

12月からセンター試験 (現:共通テスト) の対策を開始。物理と化学の過去問25年セットを購入し、一日一年分ずつ演習。化学の無機分野に手こずりました。二次試験では出されないであろうマニアックな知識を問われる問題に苦戦。間違えるたびに教科書へ戻って確認。暗記事項を頭で整理して本番へ臨みました。センター本番では物理95/100、化学86/100。物理はうっかりミス、化学は無機・有機分野の知識不足で点を失いました。

センターから二次試験までは、名問の森と化学重要問題集を復習したのち、京大の物理と化学を25か年分演習。案外できそう。6割ぐらいなら得点できるかな。鬼門は物理。出来る年度と出来ぬ年度との差があまりに激しくて危ない。化学で得たアドバンテージを物理でどこまで食いつぶさずに済ませられるか。京大二次試験ではやはり物理に苦戦。化学が8割以上できたのに対し、物理はどれだけ粘っても半分程度しか解けませんでした。のちの点数開示では115/200。物理と化学の点数比は公開されませんでしたが、おそらくは自分の感覚通りの得点だったはずです。

一浪:物理を基礎からやり直して理解に至る

浪人が決まってすぐ、物理の基礎固めを始めました。いくら問題の解き方を覚えてもダメ。解法の裏に潜んでいる物事の根本原理を理解せねばならない。根本さえ分かれば解法なんて覚えなくたって問題を解ける。根本が分かっていないから小手先のテクニックに走らなきゃいけなかったんだ。

物理のエッセンスを使って基礎からやり直し。今まで考えなかった細部まで「なんでだろう…?」と逐一立ち止まって思考を巡らせる。2か月ほどかけてエッセンスのやり直しを完了。すると、記述模試で問題がスラスラ解けるように。やはり、基礎を分かっていなかったのが良くなかったようです。基礎を修復し終えた瞬間、あれよあれよと物理の偏差値が70オーバーに。どうして現役の時、基礎をもっと大切に勉強しなかったのだろう。問題を解くので一生懸命になってしまっていた。本当に反省しなくては。

基礎固めの次は応用問題の演習。名問の森を題材に実戦力を徹底養成しました。現役時代よりも明らかに簡単に感じられます。理解度が段違いに高くて驚かされました。その後、京大物理や体系物理で更なる実戦力強化。最後は志望校の北大物理を解いて入試対策は終了。

化学に関しては特に新しくやることはありません。現役時代の勉強法は間違っていないし、現役時につけた実力を維持するだけで十分でした。引き続き化学重要問題集を演習。暇があれば化学の新演習を引っ張り出してきて、有機化学の構造決定問題に挑戦。化学の成績は終始安定していました。京大模試では偏差値65程度、全統模試や北大模試では偏差値70越えがデフォルトだった記憶が。

センター試験では物理82/100、化学90/100。北大二次試験では物理・化学ともに8割程度の得点率でした。

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