北大と国研で研究している化学系大学院生かめ (D2)です。北大の学部一年生だった頃、受験生時代の第一志望校を再び目指すべく仮面浪人した経験が。結果的に仮面浪人は大失敗。学部一年次の貴重な一年間が失われました。それに加え、友達を作る努力を怠った挙句、北大にてぼっち生活を送る羽目に。学部四年時に研究室へ配属されるまでの間、家と大学の間を往復するだけで月日を過ごしていました。
この記事では、私のような惨事を繰り返さないでもらいたいため、仮面浪人を志していらっしゃる方に『仮面浪人なんてやめとけよ』と諭していきます。
- 仮面浪人を考えている学部生の方
- 入学した大学へ何となく違和感を覚えた一年生の方
こうした方々にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
それでは早速始めましょう!
進学先での新生活を楽しむ努力を惜しまないでくれ
第一志望へ合格できずに悔しく思う気持ちは痛いほど分かります。周りの同級生が幸せそうな顔でニコニコしているなか、自分一人だけ複雑な面持ちでキャンパスを歩くときに抱く切なさには凄く共感できるのです。自分の居場所はココじゃない。同級生との会話が噛み合わない。思考力や活力、頭の回転の速さなど、どれをとっても相手の能力が物足らない。本当は別の大学へ行くべきだったんじゃないか。この環境に慣れて四年間過ごしても大丈夫なのか…って感じですよね。私だって本当は別の大学へ行きたかったです。一浪の途中でメンタルが切れてしまって志望校を変えざるを得なかった過去があります。
仮面浪人を志す方の大半は根がクソ真面目な人。もしも真面目じゃなければ、もう一度、一日に何時間も勉強して受験しようだなんて思いも及びませんから。真面目であるからこその悩み。己の気持ちに誠実だからこそ、理想の自分を捨てられず、何とかして追いかけてみたくなる。学歴コンプレックスをお持ちの方も同じ。真面目だからこそ『自分はもっとやれたんじゃないか。いや、やれたはずや!』と劣等感を抱いて己を苦しめてしまうのです。
仮面浪人の先輩としてアドバイスを送りします。皆さんの進学した大学は第一志望じゃないかもしれないけれども、進学先での新生活を楽しむ努力を惜しまないで下さい。
楽しくないのは分かりますよ。楽しくないから困っているんですものね。でも、楽しんで下さい。楽しまなきゃダメ。少なくとも何度かは楽しもうと試みて下さい。とりあえず、部活やサークルに入ってみましょう。面白そうな講義を見つけたら、受けてみて講師を質問攻めにしてみましょう。無理にでも楽しもうと試みてください。入った大学へ馴染む努力を怠らず、何としてでも学生生活に彩をもたらそうと頑張らねばなりません。
あなたが今の大学で楽しまなきゃダメな理由は、あなたが大学受験に本気で挑んだから。あの時めちゃくちゃ頑張ったにもかかわらず、ご褒美ひとつ貰えぬまま落ち込まなきゃいけないだなんて理不尽です。自分で自分にご褒美をあげましょう。『よく頑張ったね。少し休もうか』と、ねぎらいの言葉をかけてあげて下さい。確かに結果はついてこなかったかもしれません。でも、自分史上で一番頑張ったのは事実でしょう?頑張れるってすごい才能なんですよ。世の中を見てみて下さい。頑張りたくても頑張り方を知らずダラダラとするおっちゃんや、他人の悪口を吹聴するだけで日々を無駄に過ごすおばちゃんで溢れ返っていますから。そんな中、あなたは受験戦争を戦い抜いた。結果はともあれ、最後まで頑張ったのは事実。
大学に入り、一人暮らしを始めると、自分へ何かご褒美をくれる人がゼロになってしまいます。自分の頑張りは自分で称えるしかない。受験で落ち込んだ気分も自分で引き上げざるを得なません。
勉強を続けられない自分に嫌気がさし、更に自信を失う結果に終わる
正直言って、仮面浪人は本当に辞めておいた方が良い。受験浪人生活以上に勉強の継続難度が高いためです。
受験浪人生時代、我々浪人生の勉強を妨げる誘惑はSNSとYouTubeぐらいしかありませんでした。Twitter (現:X) やInstagramを見たくなって勉強中についついスマホの電源を付けてしまった…だなんてあるあるですね。正直、これらデジタルサービスの閲覧欲求は何とかなります。自らとスマホとを物理的に遠ざける、あるいはスマホを解約してしまえば見たくても見られないでしょう。
大学での仮面浪人生活の場合、事はそう単純ではありません。周囲には我が世の春かと言わんばかりに楽しそうな学生がわんさか居ります。大学生にもなってスマホを解約するわけにもいかないでしょう。また、新しい遊び道具『ノートパソコン』によってYouTubeの無限視聴編が開幕してしまう可能性も。大学の講義で単位を取るならば、受験勉強以外にも期末試験の勉強をせねばなりません。生活費に困ったときはアルバイトをせねばならぬかもしれない… このように、大学生活には受験勉強の継続を妨げてくる罠が至る所に潜んでいるのです。いくら強い気持ちの持ち主でも、早晩、勉強に必要なメンタルが焼き切れてしまいます。まともな神経では受験勉強を続けられません。周りには遊んでばかりいる学生が大多数ななか、自分だけ部屋に引きこもって受験勉強するだなんて気が狂ってしまいそうになります。
先ほど、仮面浪人を志す学生は”クソ真面目だ”と申し上げました。真面目な学生が受験勉強を頓挫してしまった場合、「なんで自分は勉強を続けられないのだろう…」と自分に嫌気がさしてしまいます。受験生時代はちゃんと勉強できていた。今や一か月、いや、一週間でさえ勉強が続かない。自分はいったい何をやっているんだ!勉強しなくちゃダメじゃないか!もっと頑張れ!でも体が動かない。勉強したくても手が付いてこない。はぁ、自分は何をやってもダメなんだな。どうせ自分なんか、この先何をやってもダメなんだろう…
仮面浪人の真に恐ろしい所は、受験生時代に失われた自信を余計に失ってしまう結果に終わりがちな点。悲惨ですよ、本当に。壮絶な仮面浪人生活を終えた後には、無為で無力な燃えかすとなった抜け殻のよう廃人の自分しか残りません。
学歴・学力だけが物差しではない。その他の分野で勝負をかけろ
仮面浪人を考えている方に覚えておいていただきたいのは、世の中には学力以外にも様々な物差しがあるということです。年収、人柄、足の速さ、フィジカルの強さ、文章力、マーケティングスキルなど無限の尺度があります。学力なんてほんのイチ尺度に過ぎません。学力だけを絶対視しているのは、あまりに視野が狭すぎると言わざるを得ないでしょう。高校時代までは学力が同世代の中での唯一絶対の尺度だったかもしれませんね。大学、大学院、会社員、あるいは起業家となるにつれ、色々な新しい尺度と出会うのです。
あなたは受験では負けてしまいました。でも大丈夫。他の尺度では勝てるかもしれません。自分の得意な領域を探し、人生を賭けて本気で勝負していきましょう。有り余るほど時間のある大学時代は、自分の得意な、戦うのに有利なフィールドを探すのに使ってください。私の場合は文章力と研究力で勝負。ブログ執筆や大学院の研究で日本一、いや世界一を取れるよう頑張っています。
『世の中には様々な尺度がある』と実感するためにこそ、大学へ入学後、人の輪の中に飛び込んで様々な経験を積まなければダメ。仮面浪人していたらいつまで経っても『学力』へ捉われっぱなしだし、新しい価値観を得られないまま不幸で辛い時間を過ごす羽目に。せっかく大学生になれたのだもの。自分の殻を破り、広い世界を観なきゃ損ですよ。全国から集まった奇天烈な仲間に揉まれて自分だけの壮大な人生観を養ってください。とはいえ、受験に失敗した悔しさを忘れてもダメ。落ちた日に味わった辛さを胸に刻んでおいて下さい。その悔しさは、自分をことあるごとに奮い立たせる強烈な起爆剤になってくれるでしょう。『受験で味わったあの悲しさをもう二度と味わわないために』と自分を無限に追い込んで努力し続けられます。
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