学会発表よりも学術論文出版を頑張るべき【空気を振動させただけで満足するな】

こんにちは!札幌と筑波で電池材料研究をしている北大化学系大学院生かめ (D2)です。学部四年次の研究室配属以来、国内外の学会にてのべ十回以上発表を行ってきました。M1の3月には学会賞を受賞。そのおかげか、M2の9月には学振DC1に内定しました。

学会へ出るたびに心の中で思っていることが。「果たして学会発表って学術界の役に立っているのだろうか?」と。賞を貰えればそりゃ嬉しいですよ。ご当地のグルメを頬張り、舌鼓を打てるのも楽しいポイントの一つ。でも、真の意味で学術界を進展させるには、論文を書いて世界中に研究成果を発信しなくちゃいけません。この記事では、私の持論【学会でたくさん発表するよりも学術論文出版を頑張るべきについて語っていきたいと思います。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

【極論】学会発表なんて、その場の空気を振動させているだけ

学会が全く役に立たないか、と言ったら決してそのようなことはありません。学会で出会った人と共同研究が始まる場合があるし、面白い講演にインスピレーションを受け、自身の研究を発展させられる可能性も。学会発表が学術界の発展に貢献しているのは疑いようもない事実。しかし、その発展に及ぼす寄与の度合いは論文出版と比較すればごく僅か。極論、学会発表なんてその場の空気を振動させているだけ。会場内の空気中に漂っている窒素分子と酸素分子をブルブル震わせているだけに過ぎません。いくら頑張って空気を震わせたからといって後世には何も残らないでしょう。学会発表後、発表データをまとめ、論文として形に残して初めて後の人の役に立ちます。

M1で学会賞を受賞したかつての私は欣喜寂々。『我が世に春がやってきた』と言わんばかりに頬を赤らめ、嬉しがっていました。ただ、博士課程に入ってよく考えてみた所、「アレ (受賞) って本当に喜ぶべきことだったのかな?」とはてなマークが付きました。会場内の空気の震わせ方が上手い人に学会賞が与えられているだけに過ぎないのではないか、と。別に私はM1の学会発表で学術界へ何ら貢献していないでしょう。学会賞と賞状を貰って自分だけ嬉しがっているだけであります。他の人間に対しては如何なる学術的価値をも与えられていません。こう気付いた瞬間、学会で賞を取って喜んでいた自分が如何に愚かだったかを痛感しました。

論文を書いて出版しなくちゃ研究成果を後世に残せない

ただ学会発表を行うだけではダメ。会場の空気を振動させて満足しているだけでは、膨大な時間と労力を費やして得た研究成果が自分一人だけのモノで終わってしまいます。せっかく頑張って研究したんだもの、研究成果を後世の研究者さんに役立ててもらいたくはありませんか?いや、役立ててもらうべきです。我々だって顔も知らない誰かの研究を礎にしてきたのだから、我々も誰かの礎となって学術界の更なる発展に貢献せねばなりません。学術界の持続的な発展には、強固な礎の上へ次々と礎を構築することが不可欠。何十年も、あるいは何百年も研究を積み上げていけば、現代の人間には到底想像もつかぬ革新的な技術や産業が生まれるに違いありません。

そもそも、我々大学院生は国のお金を使って研究しています。科研費の財源は国民の血税。毎日せっせと働いて月末に配られるお賃金から搾り取られたお金を使っている。一円でも科研費を使っているなら、研究成果を世の中に公表する義務があります。国民の『知る権利』を充足させねばならない。国民だって知りたいでしょう、自分の払った税金でどのような研究が行われたのかを。暇を持て余している人ならまだしも、サラリーマンや起業家など多忙な方々は学会発表を見に行けません。だからこそ、時間を問わず読める『論文』という形で研究成果を出版し、国民に見てもらって初めて研究者としての義務を果たしたことになります

学会発表も大事。それ以上に論文出版が大事

繰り返しになりますけれども、学会発表の有用性には何の疑いの余地もありません。誰かと一緒に共同研究をしたい方には共同研究先を探す場として役立ちますし、研究のマンネリズムを脱したい方には自身の専門分野とは異なる領域の講演を聴きに行くだけで刺激になるでしょう。全国各地から色々な思惑を持った人間が一堂に会する学会には大きな価値が。学生にとっても受賞の機会やグルメの堪能など、他では得難い経験を積む大チャンス♪ ただし、いくら懸命に学会発表だけやった所で後世には何も残りません。学術界を発展させるには論文執筆が絶対に欠かせないのです。学会で十回、いや百回発表するよりも、論文を一報出版する方が遥かに価値が高い。学会発表も大事。論文出版は”それ以上に”大事ということです。

最後に

持論【学会でたくさん発表するよりも学術論文出版を頑張るべき】については以上。この記事を学会発表と論文出版の価値を捉え直す契機にしていただけると幸いです。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

カテゴリー

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次