学術論文がリジェクトされた時のマインドセットとやるべきこと

北大と国研で研究している化学系大学院生かめ (D2)です。B4からD2までの間に論文を計7回リジェクトされた経験があります。一生懸命書いた学術論文がリジェクトされたら辛いですよね。まるで自分の人格まで否定された気分になって憂鬱に。自分自身、博士課程の間に一つの論文を四回連続でリジェクトを食らったことも(泣)。半年以上論文を出版できない大ピンチに陥って相当苦しまされたものです。

この記事では自身の経験を踏まえ、論文がリジェクトされた時にはどうすれば良いのかについて記します。

  • メンタルの立て直し方
  • 論文を修正すべきか否か
  • 次の投稿先はどう選べばいいのか

こうした事を記していくので、論文出版でお困りの学生さんはぜひ最後までご覧ください。

かめ

それでは早速始めましょう!

目次

自分の研究が全否定されたわけじゃない。事実を淡々と受け入れよう

論文がリジェクトされたとき、「自分の研究って面白くないのかな…」と絶望的な気分になるかもしれません。面白くない研究を今後も続けて果たして大丈夫だろうか、、と。博士進学 (D進)を考えていらっしゃる方はD進を思い留まってしまうかも。規定本数以上の論文を出版できなければ学位取得にまでこぎつけられない可能性があるためです。そこまで思い詰めてしまうのは私だけでしょうか?程度の差こそあれ、リジェクトされたら悲しい気持ちになるのは万人共通でしょう。

リジェクトされた時に覚えておいていただきたいのが、【必ずしも自分の研究が全否定されたわけではないのだ】ということ。投稿した雑誌が期待するだけのインパクトに欠けていた、もっと限られた読者層が読むべき専門的な論文だったなど、投稿先の雑誌との相性が悪かったからリジェクトされたのです。あるいいは、雑誌編集者が我々の論文に目を通したとき、気分がむちゃくちゃ悪かったのかも。気分で査読をされたらコチラとしては堪ったものじゃないけれども、編集者や査読者だって人間ですからそういうイレギュラーも起こり得ます。偶然に偶然が重なった結果のリジェクトかもしれませんよ。一度や二度のリジェクトで落ち込んだって仕方が無いわけです。

リジェクトのメールが届いた瞬間、感情で反応しないようにしましょう。

にゃー

あっ、リジェクトされちゃったんだ。ふ~ん

と事実のみを受け止めて感情をかき乱されないように注意。心を反応させるのは絶対NG。いちいち反応していたらメンタルがたちまちボロボロになってしまいます。「査読者さんも見る目がないなぁ。せっかくこんなに面白い論文を投稿してあげたのに♪」ぐらいの態度でOK。『失意泰然・得意淡然』の境地を目指して次へと進みましょう。

リジェクトされた理由は何か?修正できるなら手早くしてしまおう

論文がリジェクトされた理由は論文の内容にあるのかも。論理の作り込みが甘かった、図表が雑過ぎてちょっと見るに堪えなかった、データ量が不足していたなど、我々投稿者側に何らかの落ち度があるかもしれません。リジェクトされた原因を探りましょう。何が悪かったんだろう、どうすればもっと良い論文になるだろう、と落ち着いて少し考えてみて下さい。まともな査読者や雑誌編集者の場合、その論文がなぜリジェクトされたのかを丁寧にメールへ記してくれています。その内容をよく読み、修正できるならチャチャっとしてしまって下さい。

クソみたいな酷い査読者の場合、こちらを何ヶ月も待たせた挙句、「読むに堪えない」の一行で査読を終え、リジェクトの判断を下さい場合があります。そんな人の言うことはまともに受け止めなくて構いませんからね。

私はM2の5月、インパクトファクター (IF)42の学術雑誌にアクセプト寸前でリジェクトを食らったことがあります。最初に宛がわれた3人の査読者は「アクセプトしても構わない」と言ってくれたのですが、追加であてがわれた2名の査読者のうち1名が「この内容は既に既知のものだから論文にする価値が無い」と仰った。全然既知のものではないんですよ。「どこにそんな論文があるんだよ」と後でブチぎれながら探しても見つからなかったし。リジェクトの理由には納得できません。ですがリジェクトはリジェクト。レフェリーの下した結果はもう覆らないのです…

査読現場では、こうしたあまりに理不尽な仕打ちが当たり前のように起こります。心ない意見には耳を貸してはダメ。「はい、次!次!」と気持ちを切り替えてメンタルヘルスを保ちましょう。

雑誌のランクを下げて再挑戦。高IFにこだわるより、IFを下げて一刻も早いアクセプトを目指すべし

研究は論文としてまとめなければ意味がありません。何回学会発表を行い、いくつ賞を獲得しようとも、その場の空気を振動させたりちょっとした豪華なお飾りをもらったりしているに過ぎないのです。我々の努力を科学史へ残すには何としてでもアクセプトさせる必要が。どれだけ序列の低いジャーナルにでも掲載されなければ始まりません。

リジェクトに落ち込んでいる暇はないです。次の投稿先を見つけて論文を再投稿せねばなりません。論文出版は早い者勝ち。一日でも早く論文を投稿・出版できた者から『成果の第一発見者』という栄誉を得ていきます。どこかの雑誌会社へリジェクトされた際、投稿雑誌のランクを下げての再投稿がオススメ。超一流雑誌からリジェクトされたら次は一流雑誌へ、それでもダメなら標準的な雑誌や専門誌への掲載を目指す形。

超一流雑誌へばかり投稿していたらリジェクト続きでしょう。仮に査読して貰えたとしても、半年以上もの長い査読期間を経てリジェクトされてしまう可能性も大。ビッグジャーナル巡りをしているうちに他のグループに先を越されてしまうリスクが。第一発見者の栄誉を失うどころか、ヘタをすればその成果を論文出版できなくなるかもしれません。高IFにこだわるよりも、IFの低い雑誌に投稿し、さっさとアクセプトされてしまうのが吉。ビッグジャーナル行脚はほどほどに、現実を見てそこそこの序列の雑誌へ投稿すると幸せになれるでしょう。

最後に

学術論文がリジェクトされた時の対処法はコレで以上。皆さんの作成した学術論文が一日でも早くアクセプトされることを祈って記事を締めくくります。

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