M2の5月27日:2か月待った挙句、まさかのリジェクト。雑誌側から姉妹紙への掲載を提案されるも…
当日は生憎の大雨でした。
リジェクトという厳しい現実を突きつけられ、スーパースターになる夢はあえなく水泡に帰してしまいました。
査読の結果を見てみると、最初の3名のレビュアーのうち2名は「もうこれでOKっす」と言ってくれていました。
残り1名のレビュアーが追加で3点ほど質問してきたものの、彼ら and/or 彼女ら3人のレビュアーは最後までアクセプト前提で査読を行って下さったようでした。
問題なのは、追加されたレビュアーの方なのです。
そのうち1名は「めっちゃ面白い論文じゃん!アクセプトでいいよ、早く出そうよ♪」と、一切修正なしでの掲載を提言してくれました。
しかし、ラスト1名(Reviewer#5)が何を思ったか、
この成果はすでに科学コミュニティーで知られていることだからゼンゼン新しくないね
とジャッジしたみたいです。
そしてコレが、私の論文のリジェクトの決定打となった模様です。
私自身、この論文を書くにあたり新規性について十分検討してきたつもりです。
なので、(本当にReviewer#5の言っていることは正しいのだろうか?)と、私の論文の成果が他に出された例がないか再度入念にチェックしてみました。
Google ScholarやWeb of Scienceで何度もよく確認したものの、私の研究成果と同じ/似たような研究例を一例も見つけることができませんでした。
どう考えても私の研究成果は世界初の知見だから、私はこの査読結果に激おこぷんぷん丸だったわけです。
それに、Reviewer#5のコメントを見てみると、私の論文を最後まで読んでいないことが丸分かりの文章でした。
- 〇〇という記号の意味は何ですか?←いやソレ本文中にハッキリ書いてますやん笑
- どうして△△という実験を行ったのですか?←それも本文中に何度も書いてますやん…苦笑
など、本文の流し読みでもって私の論文が酷評されておりました (せめて全文通しで読んでくれよ…)。
一番悔しかったのは、雑誌会社側が我々の研究グループに反論の機会を与えてくれなかった点ですね。
Reviewer#5のコメントには十分言い返せる余地があったのに、雑誌会社側の判断でリジェクトされてしまい、募りに募るイライラで歯ぎしりするしかなかったのでした。
そんな中、雑誌会社側から
その雑誌の姉妹紙に論文を投稿しませんか?リジェクトされて悔しいでしょうが、この雑誌ならこのままの形でアクセプトして差し上げますよ♪
と論文のトランスファーのお誘いを受けました。
今回投稿したのは当時IF42の雑誌ですが、その雑誌会社によるちょっと格下の雑誌ならこのままの形で載せてあげるよとの誘いがきました。
新しく提案されたその雑誌はオープンアクセスを売りにしていて、メールの文面的にはNature Communications (Natureの姉妹紙, 2022年6月現在IF≈15)やScience Advances (Scienceの姉妹紙, 2022年6月現在IF≈14)と今後対抗していくつもりらしいのです。
しかも掲載料無料のオプションまでつけられたから、一瞬だけかなり魅力的な誘いに映って見えました。
しかし、
- Rejectされた理由に納得がいかないのに、その雑誌会社の系列へ論文を載せるのが何とも癪に障ったこと
- 新しく提案されたのがまだIFがついていないほど歴史の浅い雑誌だったこと (今後そのジャーナルが発展していくか分からなかったこと)
- (自分たちの知見の価値はこんなもんじゃない、もっとすごいんだ)と確信していたこと
この3点の理由から誘いを拒絶する決定を下しました。
特に①の理由が決定的で、妥協してまでその雑誌系列の軍門に下るのは意地とプライドが許しませんでした。
~M2の7月中旬:二度目の投稿からリジェクトまで
いつまでもリジェクトのショックを引きずってはいられないので、指導教員や外部の研究機構の先生と次に論文を出す所を相談しました。
その結果、次はRSC (Royal Society of Chemistry)のIF38の雑誌に挑戦することとなりました。
これまでの査読で得たフィードバックを原稿に反映し、衝撃のリジェクトから約1か月後に二度目の投稿を行いました。
ただ残念ながらエディターズキックを食らって査読にも回らず、これにて二度目のリジェクトとなりました。
一度目と違い、今回のリジェクト理由はかなり納得できるものでした。
私は先輩の研究をベースに大きく発展させた研究をしていたのですが、RSC側からリジェクトの根拠とされた
- 先輩の研究と実験の基本コンセプトがほぼ同じであり、IF38の雑誌に載るほど図抜けた新規性が見られなかったこと
- その先輩の出した論文がRSCの別の雑誌に掲載されていたので、”わざわざ同じ学会の雑誌に出す必要なくね?”と思われてしまったこと
以上2つの理由には (まぁ、自分もそう思っていたしそりゃ仕方がないわな)とスパッと諦めがつきました。
この時点で初回の論文投稿からおよそ半年が経過しています。
(いったいいつになったらアクセプトされるんだ…)と、少しずつ嫌気がさしてきました。
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