北大と国研で研究している化学系大学院生のかめ (M2)です。昨日2023年2月8日、大学の教務課へ『業績優秀者返還免除申請書』を提出してきたのですが、窓口のお姉さんに書類を受理して頂けるまでに研究室と窓口を三往復する羽目に陥りました。
(よし、コレで完璧だ!)と仕上がりに自信があったにもかかわらず、思わぬ落とし穴にハマりまくって大量の修正作業を行う羽目に。この修正作業だけで午前中が全て潰されてしまい、午後の時間も30分ほど侵食されてしまいました。
この記事では、私のようにドツボにハマる大学院生を一人でも少なくするために、私が申請書修正を食らってしまった個所や申請書作成時に迷って教務課へ確認した個所について説明してまいります。大学院在学中の奨学生さんにどストライクな内容なので、ぜひ最後までご覧頂きたいと思っています。

それでは早速始めましょう!
”修士/博士論文”って書いて下さい!


まず一番上の学位論文について記す欄なのですが、論文の題目を記すだけではなく論文の種類についても記載が必要なのだそうです。私の場合はM2なので、タイトルの上(横でもOKです!!)には『修士論文』と書く必要がありました。
業績優秀者返還免除申請書例(令和4年度版)に緑色の字で「修士論文って書いてね」とちゃんと書いてあったにもかかわらず、題目を記して気が抜けていたのか、うっかり読み落としてしまっていました。この記事をお読みの賢明な読者さんはちゃんと『修士論文』、もしくは『博士論文』と忘れず記載して下さい。
なお、業績の種類の横に記す資料番号は”(1)A①”でOKです。特に優れた業績一覧(北海道大学Ver.)には”学位論文が特に優れている”人が記す評価番号となっていますが、我々は優れているか否かを気にすることなく”(1)A①”と書いて良いみたいです。
また、学位論文の業績を証明する書類は論文発表会前に提出したアブストラクト(要旨)です。要旨をA4サイズで三部印刷し、左上をクリップで留めて事務へ提出してください。
研究論文:Excelのセル枠は広げてOK。著者名やタイトルは略さず表記


次に研究論文出版業績を記す欄についてです。
教務課へ「どうすればいいですかね?」とメール[証拠画像]で確認してみた所、業績が多すぎて枠に収まりきらない場合はセルの縦幅を拡大してOKとのことでした。縦幅を拡大すると、印刷の際に業績欄が2ページ目に分割されてしまいました。コレについても問題はなく、著者名や雑誌名など記載すべき情報を省略しないことが重要なのだそうです。
次に、査読付き論文を示す”○”や資料番号(1B②-ホニャラララ)に関しては、図中に示すように”1.”や”2.”など論文数の横へ記すようにしてください。窓口のお姉さん曰く、論文番号と○or資料番号の位置が少しずれても問題ないから、なるべく近い所に書いて欲しいとのことでした。
投稿論文の業績を証明するのは論文の1ページ目が相応しいでしょう。1ページ目になら著者名や題目、雑誌名や発行日がおおよそ記載されておりますので、1ページ目を三部印刷して持って行くようにしてください。
学会での発表:Excelのセル枠は拡大してOK。学会発表数(“1.”や”2.”)の横に資料番号を記す


学会発表欄の書き方については論文出版とほぼ同じ。発表者名や発表題目などを略さず記し、正式名称を書くようにしてください。教務課のお姉さん曰く、業績を全て記すためにExcelの縦枠を拡大しても構わないそうです。ココでも”1.”や”2.”など学会発表数の横に資料番号を付し、申請書の再提出を回避して頂きたいです。
また、仮にどこかの学会で受賞した場合、受賞を示す資料番号『(1)B③』は”受賞した学会発表の横”に記すようにしてください。
学会での発表業績を証明するのは、学会の発表プログラムとなります。なお、プログラムに主催者等が印字されていない場合、学会公式サイトにアクセスし、学会名と主催者名が共に載った資料を別途用意しなくてはなりません。
私、講演を行った学会のプログラムをこれまで保存していませんでしたから、このたび申請書を作成する際にプログラムをかき集めなくてはなりませんした。そして、M1の9月に出た国際学会のプログラムをどうしても入手することができず、業績欄へ国際学会での講演を一つ記載できませんでした。
奨学金返済免除申請に来年度以降臨む方は発表学会のプログラムを保存しておいてください。書類を保存していなかったせいで業績証明できなかったら超絶勿体ないですからね…
博士進学者向けの話
学振DC1やフェローシップ内定は返済免除実績にカウントされない?!


申請書に”日本学術振興会がうんたらかんたら”と書いてあるので、



学振DC1に内定したのも業績に書けるかな?
と期待しておりました。しかし、書類提出前に事前に教務課へ確認してみた所、「残念ながらDC1内定は申請書に書けません」と告げられてしまいました[証拠写真]。
というのも、学振DC1は【博士課程の業績】となるらしく、修士課程在籍中の実績にはカウントされないみたいなのです。DC1と同様、博士進学者対象のフェローシップ内定も本申請書に記載できませんので、M2の博士進学者各位は十分注意して申請書を作成してください。
学振DCを業績に書けるのは、
- 博士課程在籍中の奨学生さんが
- 学振DC2に内定し
- JASSOの第一種奨学金の受給を辞退した
この場合に限られるそうです。修士課程在学中の皆さんは申請書に学振DC1内定を書かないように気を付けて下さいね。
『(3)A』”博士論文研究基礎力審査に合格した”はのちに事務が確認して業績換算してくれる
奨学金返済免除実績として博士課程入学試験合格もカウントされます。特に優れた業績一覧にも『博士論文研究基礎力審査に合格した』という業績になる旨が書かれています。
しかし、申請書のどこにも院試合格を記す欄が見当たりませんでした。そこで教務課へ「どこへ書いたらいいですかね?」とメールで問い合わせてみた所、「のちに事務の方で確認するので申請者さんは書かなくてOKですよ」と言われました[証拠写真]。
また、授業科目の成績についても事務が対応してくれるので業績証明書類の用意は不要です。事務の方には頭が上がりません。本当に感謝しなくちゃいけませんね。
その他


RA(7)A①やTA(7)A②の業績については発令書 (労働通知書)で証明が可能です。これ等はコピーでOKです。原本は必要ありません。
一方で、科研費を用いた研究については証明書で業績証明となります。証明書に関しては押印のある原本が必要となります (註:原本&コピー二部が必要です)。
そして、スポーツやボランティアの業績を記す欄は、専攻分野に関連したもの”のみ”記載する事が出来ます。私、ダメもとで申請書に
- スポーツ:大学院で培われた材料学の知識を存分に発揮してシューズ選びに徹底的にこだわり、第5回沖縄100Kウルトラマラソン 100kmの部で29歳以下2位に入賞した。
- ボランティア:北海道大学の『全人教育』で培われた慈愛の心を遺憾なく発揮し、修士課程在学中に13回もの成分献血を行うことで北海道の医療を全力で支えた。
と記載してみたのですが、窓口のお姉さんに「コレって専攻に関係ないですよね…?」と言われて一瞬で却下されちゃいました。
余計な事を書いたら窓口でものすごく恥ずかしい思いをします(めちゃくちゃ気まずかったです笑)。真面目な奨学生さん各位はくれぐれも注意してくださいね💡


最後に:締め切り直前は窓口が大変込み合います!
JASSO第一種奨学金の返済免除申請書作成に当たり注意すべき点は以上になります。みなさんの申請書作成時の参考になれば幸いです。
なお、申請書の提出期限が迫るにつれて提出者の数も増えていくため、締め切り直前は窓口が大変込み合うことが予想されます。ですので、時間に余裕を持って行動し、なるべく早めに提出を済ませておくのが宜しいのではないかと思います。


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