北大と国研で研究している化学系大学院生かめ (D2) です。修士在籍中にJASSOから第一種奨学金を借り、返還額の半額免除を勝ち取りました。奨学金受給によって生活の質が高まり、大満足の大学院生活を送れたと思います。受給申請は少々面倒でしたが、頑張って申請しておいて本当に良かったです。
この記事では、修士在籍中にJASSO第一種奨学金を受給するメリットを5つご紹介します。奨学金受給を迷っている学生さんにピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
それでは早速始めましょう!
生活にまつわるお金の不安がなくなる
修士課程からもらえる第一種奨学金の受給額は月々8.8万円。一年間なら100万円以上、二年間なら200万円以上の大金になります。これだけ多額のお金が振り込まれたら生活で困窮することはまずありません。毎日栄養のあるご飯を食べられ、破れていない服を着られ、研究室生活においてみすぼらしい思いをする場面は皆無でしょう。極端な節約生活をしなくて済むおかげで心にゆとりが生じます。心の余裕は日々の笑顔に、そして研究の進捗へと繋がるはず。落ち着いて学生生活を営めるようになる点が何よりのメリット。私自身、貧乏だった学部時代はたんぱく源に鶏むね肉しか食べられなかったけれども、奨学金のおかげで修士課程からは鶏もも肉や豚肉の購入が視野に入ってきました。
奨学金はいざという時の保険にもなります。急に大金が入用になったとき、手を付けていない奨学金を使って急場をしのぐことだって可能。私の場合、親族の葬式参列時に役立ちました。北海道から本州の斎場へと向かうにあたって、割高な直前料金の航空券を躊躇なく購入できたのです。その他、自分が病気で病院へ通う時には奨学金で医療費を賄えるでしょう。奨学金をもらっておけば生活防衛資金になるし、貰っておいて決して損はありません。
交通費を立替払いする際に重宝する
修士課程で最も多額のお金が飛んでいく場面は就活。インターンや本選考の面接へと出席するたび、下宿から会社までの往復交通費がバンバン飛んでいきます。私の住んでいる北海道から本州の会社へと向かう場合なら余計に高くつく。ちょっとした出張でも飛行機移動になるから、札幌と東京を往復するだけで3万円以上も溶けてしまいます。学会発表へ向かう時も交通費が高くつきます。国際学会の場合、数十万円規模の出費になるかもしれません。私の所属研究室では昨年、何名かがスウェーデンの国際学会に参加しました。札幌⇔関西⇔フランクフルト⇔ヨーテボリの移動で合計27万円かかったようです。
近年、オンラインツール普及の影響で移動回数が減りました。今までは一次面接や二次面接を対面で行っていたような会社も、最終面接以外は画面越しでの面接に変わっていったのです。学会でもオンライン発表が普及しました。国際学会へさえ自宅から発表できる世の中に。しかし、移動が完全にゼロとなったわけではありません。多額の交通費や宿泊費が必要となる場面は少なからず残っています。就活や学会へ参加する場合、交通費や宿泊費を立替払いとなる場合が大半。いくら後でお金を返してもらえるとはいえ、立替える分のお金を持っておかねばならないのに違いはありません。
交通費の立替払い時に重宝するのがJASSO奨学金。年間100万円、2年で200万円ものお金が手元にあれば立替払い時に懐事情を心配せずとも構いません。立替後、会社や大学からお金が振り込まれるまでの間、窮乏することもないでしょう。就活と学会のダブルパンチを同時に食らったとしても殆どノーダメージ。修士学生の大半は貯金額にさほど余裕がないかと存じます。立て替えたくてもお金を支払えない…という悲しい事態を回避するため、奨学金を積極的に活用してください。
返還免除なら100~200万円もらえる
修士課程で受給できるJASSO第一種奨学金には返還免除制度が設けられています。研究や学業成績などでたまるポイントを合算し、同専攻内の上位3割以内に入れば、返還が半額or全額免除になるのです。半額免除なら100万円、全額免除なら200万円をそのまま懐に入れられます。自分の場合は半額免除。返還が100万円免除になりました。
仮に返還が100万円免除になる場合、1年間で50万円、1か月換算で4万円程度もらえることに。研究を頑張っているだけで月4万円も貰えるのです。アルバイトで月4万円稼ごうと思ったら大変ですよ。何十時間働かなきゃいけないか分かりません。アルバイトで研究室を早退する場合、先生はあまり良い顔をしないかもしれません。恵まれたお立場にいる先生方には昨今の学生の窮乏を理解できないのです。奨学金返還免除を目指して研究を熱心に頑張れば先生方からのウケは良いでしょう。「君、熱心に頑張っているねぇ^ ^」とホクホク笑顔で話しかけてくれるかも。
お金を貰え、しかも研究室内での居心地まで良くなってくるのが返還免除制度。こんな神制度、使わない手はないでしょう。
大学院在学中から投資を始められる
研究が順調で返還免除が確実な方は、奨学金を資金に投資を始められます。NISA制度を活用した個別株投資やインデックス積立投資、一発逆転を狙ってFXや仮想通貨に手を出すのもアリ。手堅く純金投資なども良いでしょう。手元にあるお金を眠らせたまま放っておくのは勿体ないですからね。私の場合、M1の7月あたりから積立投資を始めました。投資額は月3.3万円。半額免除になるのを見越し、会社員になる前に投資をスタート。留学資金を作るためD1の9月に全額売却するまでの間、のべ100万円以上投資しました。含み益は15万円超。NISA制度の枠内で投資していたおかげで利益は全て自分の懐に入りました。
投資は始めるのが早ければ早いほど良いです。後に受け取れられる利益が複利の力で大きくなってきます。会社員になってから始めるよりも大学院在籍中から始めておく方が儲けが大きいでしょう。投資経験の長さは不況時の狼狽売りを防ぎ、市場を静観できる賢い投資家への近道となるに違いありません。投資も学修のうちの一つ。奨学金の使用用途として相応しいものだと感じます。
就職直後or博士課程進学直後の生活資金になる
修士課程を出て就職すれば、会社からお給料を貰えます。念願の初任給をGET。嬉しいですね。顔がほころびます。悲しいかな、初任給は4月か5月の月末に振り込まれるのです。出勤初日に貰えるわけじゃない。ある程度の期間を置いて振り込まれます。初任給が振り込まれるまでの間、我々は手元にあるお金で生活をやりくりする必要が。お金がなければ食事を食べられない。ヘタしたら初月から電気代やガス代の支払いが滞り、生活インフラを止められてしまいかねません。博士課程へと進学する場合も事態は就職する場合とほとんど同じ。学振DC1やフェローシップの給与が振り込まれるのは5月下旬を待たねばならないのです。
修士在籍中に受給した奨学金を温存しておけば、修士課程を出てからしばらくの間、生活をやりくりする資金に使えます。初任給を貰えるまでは奨学金で命をつなぎとめられるのです。奨学金の返還免除額は卒業翌年度の7月頃に決定。返還開始は10月頃からスタート。奨学金関連のイベントが始まる頃には会社から給料を貰えているでしょう。給料を貰えるようになるまでの間は奨学金で何とかしのぎましょう。
借りて損はしない。今すぐに申請を!
JASSO第一種奨学金の返還は無利子。受給した額をそっくりそのままお返しするだけで事足りるのです。こんなに恵まれた借金は他にありません。マイカーローンなら年利2~3%。住宅ローンでも年利1%はしますから。借りても絶対に損をしないのが第一種奨学金。受給しない手はありません。もしもまだ受給していらっしゃらない方は今すぐにでも申請してみて下さい。
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