北大博士課程を早期修了した化学系大学院生かめ(D2)です。来年度から地元の民間企業で技術開発職に従事します。
私が博士課程進学を考え始めたのは学部四年生の後期。博士進学を決意したのはM1の9月でした。D進に関して一年近く悩んでいたわけです。本気で迷いました。就職するか、進学するか、どちらを選べばいいのだろうかと。結局選んだのは「進学」の道。博士課程を一年短縮して二年間で駆け抜けました。
この記事では、博士課程進学で迷っていた時期に自分の脳内で繰り広げられていた会話を再現しました。博士課程へ進学するかどうかでお悩みの方にピッタリな内容です。ぜひ最後までご覧ください。

それでは早速始めましょう!
どのような人生を歩みたいのか



進学するか就職するかで迷っているの?



そうなんよねぇ。ホンマ難しいわ
どっちにしようか全然決まらんし…



就職か進学かの問題はさておき、自分はどんな人生を送りたいの? 博士課程は人生全体の目標に対する「手段」であるべきじゃない? 手段から考える前に、人生の目的を考えてみたらスッキリするんじゃないかにゃん



確かにね
人生の目標みたいな立派なものはない。でも、”こんな人生を送りたいな”という漠然としたものならあるわ



教えて教えて!
どんなもの?



みんなと一緒の人生は嫌なんや。誰でも紡げそうな物語ではなく、自分だけのスペシャルな人生を創りたい



それは、どうして?



人生は一回性。過ぎ去った時間は二度と返ってこない。死んだらどうなるのかも分からない。生まれ変わりがあるかも定かではない。一度きりの人生を平凡なもので終わらせるのは耐えられない。無茶苦茶でもいい。痛い目に遭ってもいい。最短経路から外れに外れて大蛇行してしまっても構わん。何でもいいからオリジナルな人生を歩みたい。自分だけしか足跡のない道を歩み、自らが精いっぱい生き抜いた証をこの地球上へ残したい



「特別」にこだわりがあるってことにゃん?



そうにゃん



実は高二のころ、交通事故に遭ったことがある。自転車に乗っているとき、バイクと接触して、地面に激しく打ちつけられた。幸い両者とも命に別状はなかった。でも、怖かったな。バイクとぶつかる直前は死ぬかと思った。走馬灯が見えたもんね。ああ、ホンマに死ぬんやって。死にかけて、死なずに生きていられた



あの頃からかな、「いつ死んでもいいように悔いのない人生を歩みたい」と思い始めたのは。人並みの人生じゃきっと後悔する。特別な人生がいい。スペシャルな生き方ならいつ死んでも悔いはないでしょ



にゃー…
就職でも進学でもオリジナルな人生を創れそうだよね。修士就職なら、色々な会社で勤めていく過程で自分オリジナルなキャリアをデザインできそう。博士進学なら、研究はもちろん、修了後のキャリアでもオリジナリティーを出せる



結局、どっちもオリジナルな道を歩めそうなんだよね
修士人材の方が人数が多い。けれども、修士だからといって必ずしも平凡な一生で終わるとは限らない。博士号を取っても企業就職してしまえば修士と同じ。オリジナリティーの出し方で頭を使うことになるはず。だから難しい。どちらにするか、どちらを選べばより独創的な人生を創れるか



にゃー…
博士号が必要なのか、不要なのか



手段を目的化してはいけないのは分かっている。「オリジナルな人生を歩む」という目的を達成するには数多の手段がある。自分の前にある主な選択肢が『修士就職』と『博士進学』ってだけ。他にも良い手段があるならそれでいい。選択肢の幅をあまりに広げすぎても選ぶに選べない



とりあえずはこの二択から選んでみようかなってことかにゃ?



そうにゃん
選択肢を増やすために生きているわけじゃない。何かを経験するために生きているのでもない。何がしかの道を選び、結果を残して充足感を得るために生きているはず



にゃー…
そうしたら、少し角度を変えて考えてみよ。博士号は必要? あったら嬉しい?



あったら嬉しいかな。だって、博士号を持っている人ってそんなに多くないでしょ?



日本の中では200人に一人の割合らしいにゃ



持っているだけでなかなかの希少価値があるよ。オリジナルな人生へ一歩近づけそうな気がする



働く上でのメリットはないのかにゃ?



あるにゃん
博士号を持っていたら海外で働ける。海外の研究機関で働くには博士号は不可欠。海外の企業へ応募する際、博士号があればよいポジションを得られる。国内企業で働くうえでもプラスに働く。研究職へ就きやすくなる。マネジメント層へ昇進しやすくなる。企業間の交渉で不利にならない。メリットだらけよ、そんなもん



ほな、博士進学か~



言うとりますけどねぇ~



逆に、博士号を取るデメリットってある?



あるんじゃないかな
博士号が要らない仕事には就きにくい。中小企業ではオーバースペック扱いされる。仮に書類選考を通過しても、採用面接で相手から敬遠される(じゃあなんで面接に呼ぶんや笑)。また、博士号持ちということで、入社してすぐ周囲から過度に期待される。仕事で結果を残せたら問題ない。万が一、結果を残せなかったときが悲惨かもね



メリットとデメリットを天秤に載せてみよ
どっちの方が大きそう?



圧倒的にメリットの方が大きいな
博士号を取るデメリットは、自分にとってあってないようなもの。中小企業へ行かなければいいだけの話。周囲からの期待も気にせず自分のペースで淡々と仕事すればいい。ワイワイギャーギャー言ってくる社内の人は、いずれ実力でねじ伏せてやる。結果を出せば周りは黙るよ。必要なのは結果、ただそれだけ



ほな、D進かぁ~



それがね、そう簡単に決められへんのよ
研究に不向きな性格



何をそんなに迷っているにゃん?



正直に言うね。自分、どうしても研究に向いているとは思われへんのよ



えっ? 絶対そんなことないやろ
B4の3月に英語論文を出したでしょ? 全国学会で講演賞をとったでしょ? 先生からも「研究に向いているかもねぇ」って言われたじゃん! ほなもう、研究向きよ。研究向きで決定!



B4で英語論文を出せたのは、運が良かったから。たまたま良い成果が出て、出版するのにふさわしい雑誌がたまたま特集号(通常よりもアクセプトされやすい号)を発刊するタイミングだったから論文を出せた



講演賞は? コレは偶然では取れないにゃん!



受賞に研究力うんぬんは関係ない。時間をかけて隙の無い研究をした。試行錯誤して高品質なスライドを作った。質疑応答の練習を繰り返して臨んだ。だから学会で賞をとれた。誰に賞を与えるかは、発表者の相対評価で決まる。参加者の中で上位の発表をした。だからといって研究向きとは限らないでしょ?



じゃあじゃあ! 先生からの評価はどうなの? 先生に「研究向きかもね」って言われたんでしょ? ほなもう、研究向きよ。さすがに、研究に向いていない人へ向いているって言わないでしょ



あの人なら言いかねないね笑
ひょっとしたら、自分がホンマに研究向きだから向いていると言ってくれたのかもしれない。一方で、私を博士進学者にしたいがためにテキトーに褒めておだてた可能性もある。自分は後者の可能性が高いとみている。先生からの評価はアテにならない。研究適性は自分の感覚で判断しないと



じゃあ聞くけど、どうしてそこまで頑なに「研究に向いていない」って思うにゃん?



自分、めちゃくちゃ心配性なんよね。まだ起こってもいない悲劇が起こりうる可能性を考えて心配を募らせてしまう
研究生活は不確実性の塊。研究はうまくいくかどうか分からない。数年先の雇用も見通せない。研究費だっていつ枯渇するか予断を許さない。研究を続ける限りは波乱万丈な毎日を受け入れなきゃいけない。いつもいつもハラハラドキドキしていたら神経がもたないって



それは企業へ行っても同じじゃないかにゃ?
最近は大企業でもすぐ潰れる。人員整理も活発だにゃ。企業が存続するために従業員の雇用がたびたび脅かされる。研究者になるにせよ、企業でエンジニアになるにせよ、将来を心配しなきゃいけないのは同じじゃないかにゃ…



それでも企業の方が楽だと思う
アカデミアで博士学生や研究者になると、自分が手を止めたら研究がストップするでしょ? 自分が再起動するまで停止したままになる。企業は違う。自分が病気や休暇で不在にしていても他の社員がバックアップしてくれる。自分は居ても居なくても構わない。いわば歯車。代替可能なパーツ



企業へ行くと「オリジナルな人生」という目標から外れやしないかにゃん?



部分的には外れるかもしれない。なんせ、自ら代替可能なパーツになろうってんだからね



けれども、仕事は創り出すことができる。自分にしか創りえないオリジナルなビジネスをデザインできるはず。あと、企業では、仕組化する以前の属人的なプロセスにも携われるんじゃない? ひとたび仕組化されてしまったら誰でもできる。仕組化される前の「仕組みを作る仕事」は選ばれしものしか扱えない。自分はそれをやりに行きたい



にゃー(なるほどぉ~)



心を落ち着けて楽しく仕事がしたい。自分の希望が叶えられるのは大学よりも企業。いち早く企業へ行けるのは修士就職。博士進学したら就職が三年もあとになっちゃうよね。てなわけで、進学には及び腰なんや。どうしてもすぐにはD進を決められへんわけよ
修士だけでは中途半端だが、博士は明らかに過剰負荷



ほな、修士就職にゃん



それがね、そういうわけでもないのよ



今度は何を迷っているの?



なんかね、修士だけだと中途半端やなぁって思っちゃうんよね



どういうことにゃん?



修士就職したらさ、B4からM2までの三年間しか研究室に居られへんわけやろ。三年といっても、三年間まるまる研究できるわけじゃない。最初の半年は基礎知識の習得でてんてこ舞い。B4後期からようやく実験できるようになる。もし本当に就職するのであれば、M1前期から就活を始めないと。業界研究。インターン参加申し込み。早期選考応募。面接対策。研究に集中できるのは内定をもらってから。その頃には大学院を出るまでもう一年もないよ



一年でできることなんてたかが知れてるにゃん、ってこと?



そう。たった一年ではまとまった研究成果は出せない。せっかく大学院まで行くなら、何かしらの成果を出して修了したい。修士までで終えたら不完全燃焼になりそう。就活のためじゃない、研究するために大学院まで行ったんだよ。研究させてよ。研究したいよ。自分が研究向きなわけじゃない。でも、研究へ打ち込ませてもらえぬまま大学院を離れるのは寂しすぎる



ほな、D進にゃん!



かといって、博士課程へ行くのも違う気がするんよねぇ…



D進にゃん! D進にゃん!



修士までだと中途半端。でも、博士へ行ったら過剰負荷。博士課程は負荷が大きすぎる。論文出版にまつわる要件。成果創出に伴うプレッシャー。プラス三年という時間の長さ。自分に博士課程を乗り越えられる自信がない



大丈夫にゃん! 絶対できるにゃん!



自分は大学受験浪人を経験した。受験浪人は一年で終わった。たった一年ですら辛かった。博士課程は浪人の三倍もの期間ある。三倍って、いったい何倍よ。博士課程の途中で潰れてメンタルを病む未来を容易に描けた。博士課程で潰れたら悲惨だよ。学位が取れずにキャリアが詰む。どこも雇ってくれない。そこからいったいどうやって生きていけっていうの?



にゃん…



まだ潰れてもいないのに潰れたときの心配をしすぎてもダメだよね。そんなことは分かっている。でも、心配せずにはいられない。石橋をたたいて叩き割って、自ら橋をかけ直すぐらいの用心深さで進みたい。本当に進学して大丈夫か。確信を持てるまではD進に踏みきれない
ラボ開設以来、博士進学者数ゼロ名の研究室で進学する恐怖



でもでも! 何とかなるんじゃない? みんな何とかしてきたんでしょ?



みんな?
”みんな”って、誰のこと?



研究室の先輩のことにゃん! 先輩のみんなは苦労して学位を取ってきた。先輩にできて自分にできないことはないにゃん! 自信もって。自分ならできる!



もう一回きくね。”みんな”って、誰のこと?



えっ? 研究室の先輩のことにゃん…
(なんか怖いにゃん…)



博士の先輩はね、いないんだよ



一人も?



そう、一人も



未だかつて誰も?



そう。未だかつて誰も進学していない



にゃ!?
にゃにゃにゃにゃん!?



所属研究室は、開設から十年が経った。十年間で博士号取得者を一人も輩出していない。日本人も留学生もゼロ名。旧帝大理系専攻の研究室でこんなラボは珍しいよ。先輩なんて誰もいないんだよ。もし自分が博士進学したら、自分が研究室始まって以来初のD進者になる



それじゃあ、先輩の意見も聞けないにゃん



そう。周りからは何の情報も得られない。自分で決断するしかない。必要な情報は全て自分の手で収集していくしかない。学振DCの申請書だって一人で書くしかない。博士課程ではどのような学位審査があるのか知らんけど、全ての審査に自分なりのメソッドで体当たりするほかない



にゃん…



先輩の中にもD進を考えていた人はいると思うんだよね。検討に検討を重ね、博士進学目前まで迫った人も一人や二人じゃないはず。彼らにD進を思いとどまらせたものは何だったのか。先生の人格かもしれない。まだ我々には見せていないブラックな一面を垣間見た可能性がある。あるいは研究テーマの将来性? このテーマをあと三年やったって仕方がない。さっさと企業へ行った方がいいや。こうやって見切りを付けたのかもね



先生、いい人そうなのにね…



いい人そうに見える人ほど注意しなきゃ。中学校で習わなかった? 「良さそうに聞こえる話は鵜呑みにしちゃダメですよ」って



ぼく、
中学校に通ってないにゃん…



にゃん…
修了できる自信と、修了できぬかもしれない不安



ど、ど、どれだけブラックな環境でも、修了できる力があるなら大丈夫にゃん!



修了自体はできそうなんだよね。所属専攻の学生便覧を確認すると、学術論文を二報記せば修了要件をクリアできるらしい。自分はB4の3月に一報目を記した。二報目はいま(*M1前期)書いている。ちなみに三報目の実験計画も作った。M2のうちに博士論文提出要件はクリアできるはず



じゃあ、大丈夫にゃん!



何らかの事情で博士課程を早く修了したくなるかもしれない。一応、在学期間短縮要件も見ておいた



学術論文三報以上の出版で早期修了が認められるらしい。ギリギリ三報じゃ認められないだろうね。きっと四報の出版が求められるでしょ。四報目用のデータは、きっと博士課程の間にとれる。早期修了も可能なんじゃないかな。もし博士課程が辛くなったら、緊急脱出ルートとして飛び級も視野に入れておくつもり



ますます問題ないように聞こえてきたにゃん!



でもなぁ…



まだ何か不安があるの?



論文は出せるよ。今までだって出版できてきた。これからも出版していけるはず



問題なのは論文執筆以外の側面。自分は心配性だって書いたよね。何が悲劇が起こる前に悲劇的シナリオを描いて気をもんでしまう。何もしていなくてもメンタルが消耗する。博士課程は何かとんでもないことが日常的に起こりうる場所。理不尽なイベント。予想外のアクシデント。今まで起こりはしなかった悲劇が本当に身に降りかかる可能性がある



辛い出来事に見舞われたとき、果たして自分は耐えられるのだろうか、ってこと?



そう。全くもって耐えられる気がしない。辛さを乗り越えてやっていくビジョンを描くのが難しい



今までだって辛いのを乗り越えてきたにゃん! 高校時代の競技だってそう。大学受験浪人もそう。失恋もそう…



それは言うな。去年(B4の5月)フラれたばっかりで、まだ心の傷口がふさがりきっていないんや



ごめんにゃん…
いずれにしても、自分には幾度も辛さを克服してきた実績がある。きっと博士課程だって大丈夫にゃん。博士課程が辛いって決まっているわけじゃないし♪



だといいんだけどねぇ
乗り越えられる自信はないけど



修了できる自信と、修了できないかもしれない不安。正直言って、どっちの方が大きい?



修了できる自信の方が大きいかな。修了はできる。ただし、心身ともに健康なまま学位を取れるとは思えない



そんなもんにゃん。
何かを得るには、何かを失わねばならない。博士号が欲しければ、何か大小を捧げる必要がある。どっかの偉い哲学者が言っていたにゃん



代償が健康なら安いもん、か
若者の健康はすぐ回復するしな。多少体がおかしくなっても問題ないか。消耗しても生きていけるように体を鍛えておかなきゃな



にゃん!
(がんばって…!)
進学して味わう辛さと、進学しないで押し寄せる後悔



さっき、博士課程が辛いとは限らないって言ってたじゃん? 辛いと思うで



どうしてにゃん?



ネット住人のみんなが言ってた。どのブログを見ても辛い、辛いって漏らしていた。
そうそうこの間な、タイムマシンに乗ってん。三年後の札幌デンドライトを見てみたんや



何て書いてた?



「辛すぎる。あんなところ、目の前に一億円積まれても絶対行かへん」って書いてあった笑



爆笑



あの人(*筆者)、博士課程があまりに辛すぎて一年短縮修了したらしいぞ。普通、辛かったら四年以上かかると思うんやけど。あの人は辛い期間を早く終わらせたくて、逆に1.5倍速でさっさと終わらせたらしい。学生便覧には、論文を三報書けば早期修了できると書いてある。なのに、指導教員から「五報書かな飛び級させてやらんぞ」と言われたみたい。どんだけブラックやねん、この研究室。ブラックホールよりブラックやわ、マジで



大爆笑



結局、自分は博士課程へ行くみたいや。辛いと知ったうえで行くのは何か嫌やなぁ。お化け屋敷へ飛び込むようなもんやろ。自ら進んで心身を削られに行く。いったい自分はいつからドMになったんやろか。むしろS気質だったはずなのに



まぁ、きっと辛いんやろなぁ。
進学するのは辛いかもしれへん。進学しなかったらどう? 辛くない?



おそらく、あとでめっちゃ後悔すると思うわ。企業に入って仕事に慣れてきた頃、「もし進学していたらどうだったんだろう…」と思い煩う未来を描ける



就職したあとで悩んでも仕方がない。会社員になったからには働くしかない。会社員博士制度もあるにはある。会社員をやりながら博士課程へ通うなんて離れ技が自分にできる気がしない。博士課程へ行くなら企業を辞めるしかない。本当に辞められる? 博士課程一本に絞る勇気はある? 家庭はどうするの?



彼女もいないうちからそんな心配をしなくても笑



うるさいなぁ
丸焼きにして食うたろかコラ



ごめんにゃん…
(たべないでっ!)



進学したら辛さを味わう。進学しなければ後悔を味わう。D進したくてもできない辛さもあるかな。辛さvs.後悔&辛さ。さて、どちらの方が大きいだろうか



進学しなかったときの方が何となくしんどそうにゃん



自分もそう思うにゃん
さっきの丸焼きの刑は取消しにゃん



にゃん (*≧∀≦*)



進学しない方が悲しい人生になる気がする。進学して後悔するよりも、進学せずに後でやるせなさを味わう方が大変だよ



過去に受験浪人時代に同じような場面に遭遇した。現役時代に落ちた大学へリベンジする意思にフタをして本当に後悔した。同じ失敗は繰り返したくない。進学するチャンスを逃したくはない。博士課程という強大な敵を倒す。失敗したっていい。跡形もなく散っても構わない。チャレンジはしたい。いや、しなきゃダメでしょ



にゃん!
結局、行くのか、行かないのか



そろそろ決断の時が来たにゃん



そうやね。そろそろ決めなきゃね



あなたが池に落としたのは、『修士就職』ですか、それとも『博士進学』ですか?



私が落としたのは『単位』です



すみません、真面目にやってもらってもいいですか?



ごめんなさい
私が落としたのは、『博士進学』です



ファイナルアンサー?



ファイナルアンサー



Final Answer?



Final Answer



最終答案?



最終答案



¿Respuesta final?



Respuesta final



Son cevap?



Son cevap



正直者のあなたには、博士課程の受験票を差し上げます



やったー!
…ってならんよ。お金ちょうだい、お金



ないです



じゃあ、金の斧ちょうだい
いま、ゴールドの相場が爆上がりしとる。もらったらすぐ換金しに行くわ



ないです



それじゃあ…



ないです



にゃん…
このようにして博士進学を決めました。
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