【大学受験浪人体験記2016】京都大学農学部に落ちてから北海道大学総合理系へ合格するまでの一部始終

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浪人生活・夏

6月:全統記述模試。北大余裕のA判定も…

浪人時代、実は当初、京大ではなく北大を第一志望に掲げていました。現役時代にA判定で不合格を食らい、京大への再チャレンジに尻込みをしていたからです。『京都』というのは魔力を秘めた不思議な街。そんな街のナンバーワンな大学へは“選ばれし者”しか行けないのではないか?私はその”選ばれし者”じゃなさそうだから何度受けても跳ね返されるんじゃないか?と挑戦する気概を持てなかった。

そんな自分を奮い立たせたのが第一回・全統記述模試。マーク模試と同様、記述式の試験でも全科目好成績(偏差値65以上)を残すことができ、特に数学では偏差値75以上と苦手を完全に克服しました。これまで英語や化学、日本史といった文系寄りの暗記科目は割と得意だったのですが、数学や物理など思考系科目を比較的苦手としていました。考えている途中で(いま何を考えているんだっけ?)と迷子に陥ってしまい、訳が分からなくなりパニックに陥り計算ミスする仕組みでした。ところが浪人して基礎固めをやると、自分の思考プロセスが大変明瞭になってきました。物事を考える際にはスタート(考え始めた起点)とゴール(何を導けたらいいのか)を強く意識し、脇道に逸れないよう現在位置を頻繁に確認するクセが身に着いたのです。浪人時代の収穫の一つはGPSの如く『プロセスを鳥瞰する眼』を得られたこといま自分がどこにいるかを常に把握できれば思考作業を恐れずに済むと気付いた。

全統マーク&記述の成績をもとに、チューターさんと一対一で面談をしました。私のチューターさんは本当に優しい方で、“京大を目指したんだけど怖くて目指せない”という難しい悩みに一緒に向き合って下さりました。普通のチューターなら予備校の利益が第一ですから「京大目指しちゃえっ♪」とノリノリで勧めてくるはず。学生を京大に合格させれば予備校的にも宣伝になるし、自分が生徒を合格させた実績を得られるし、良いこと尽くめというわけです。ただ私のチューターさんはそうはせず、

チューターさん

安牌を狙って北大を目指す選択肢もアリ。でも少しでも京大へ行きたい気持ちがあるなら全力で応援するよ

と優しく言って下さりました。無理強いもせず怒りもしない。自分の意志を尊重してくれた点がめちゃくちゃ有難かった。

7月:夏期講習を受けに札幌へ。北大の雰囲気に魅了される

自分の気持ち的にはやはり京大を目指したかった。でも京大だけを見てほかの選択肢を考慮していなければ直前に進路変更してもつぶしが効かなくなる。それに加えいくら「北大を第一志望にした」といっても、北大へ行ったこともなければどんな大学なのかの知識もない入学後に学部・学科を選べる『総合入試制度』に惹かれただけで、同様の制度がある東大を目指す実力がないから北大にしたというだけでした。自分が行くことになるかもしれない北大のキャンパスをどうしても一度見てみたかった。北大を見れば(京大よりコッチの方がいい!)と気持ちを切り替えられるかもしれませんからね。そこでチューターさんに「河合塾札幌校の夏期講習を受けさせてもらえませんか?」と相談を持ち掛けてみました。札幌校は北大の目と鼻の先にあるので、北大対策の夏期講習を受けるついでに北大のキャンパスを訪問できて一石二鳥だろうと考えたのです。チューターさんもその案に「いいねぇ!」ともろ手を挙げて大賛成。すぐ札幌校の事務へ連絡を取って夏期講習の手配をして下さったのです。

夏期講習の第一ターム、7月中旬に広島から札幌へ向かいました。もちろん一人での渡航です。親に渡航費と滞在費だけ出してもらい、「しっかり見て来いよ!」と背中を押されて飛び立ちました。さすが札幌、夏なのにめちゃくちゃ涼しかった。湿気のないカラッとした暑さは本当に過ごしやすかったです。肝心の夏期講習についても大変充実した内容。北大の出題形式や対策の肝など札幌校でしか聞けない話をたくさん吸収できたのです。夏期講習は昼間にあったため、早朝に北大キャンパスを歩いてその雰囲気を味わいました。構内は緑が非常に豊か。大都会の中心に位置しているとは思えないほど喧騒とは無縁の静寂な場所。青々と茂る芝生の上は寝転ぶと清々しい気持ちになる。

かめ

こんな所で勉強出来たら面白いだろうな…

とポジティヴな印象を抱いて帰りました。

8月:自習95% & 夏期講習5%。全統模試と京大模試

札幌へ滞在してみて、基本的には京大を目指すことに決めました。夏と秋の京大模試の結果が悪ければ北大へ進路変更するプラン。不合格を喫した京大へ立ち向かうのには大きな勇気を要しました。ですが心は再戦を望んでいたのか、体の底からやる気が沸き上がってきてハートがどんどん熱くなった。夏休みはとても前向きな気持ちでひたすらガリガリ勉強に没頭。一日10時間以上は勉強していたでしょうか?自習に時間を割きたかったので夏期講習の受講は控えめに。メインには自習を据えてセルフマネジメントしていました。夏休みは基礎固めから問題演習への転換の時間に。4月から8月までの勉強内容を完璧に抑えられているか確認しつつ、そこで培ったベースを実戦力に変えるべく問題集や過去問で演習をスタート。

夏休みも模試のオンパレード。マーク試験が終わった1, 2週間後にすぐ記述模試がを受けました。マーク試験は793/900 (88.1%)、記述試験も第一回と同じぐらいの成績で北大は余裕のA判定。相変わらず嬉しさはないものの、“今までの勉強指針が間違っていない“と確認できて少し胸をなでおろせました。月末には京大オープン模試を受験。京大オープンは殺人的なタイムスケジュールで有名な試験。実際の二次試験では二日間にわたって行われる4科目の試験を一日でやってしまう鬼畜なテスト。最終科目は理科なのですが、その試験時間はなんと3時間!国語90分→数学150分→英語120分ときて理科180分ですから、今思えば (受験生を殺しにかかっているだろ笑)としか感じられないほど残忍なスケジュールですね。その京大オープンで概ね自分の力を発揮でき、手応え的にもかなり良いものを掴めました。ただ数学だけがどうしてもできない。京大の数学って小問がなく、自分で回答の道筋を立てなければなりませんから、論理展開力の弱い自分にとって相変わらず難敵だった訳です。

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