北大と国研で研究している化学系大学院生かめ (D2) です。高三の11月に京大実戦模試で京大農学部A判定を獲得後、本番で見事に滑りました。
東大や京大など超難関大入試において、A判定獲得者が落ちるのは珍しいことではありません。A判定を取った人は受かりやすい傾向にあるものの、必ずしも全員が合格を掴み取っているわけではないのです。E判定からの大逆転合格の裏にはA判定からの大逆転不合格者の山が。私のように涙をのむことになるA判定獲得者が毎年現れます。
この記事では、超難関大学の受験でA判定獲得者が落ちてしまう理由を解説します。
- A判定に気をよくしている人
- C判定以下の判定からの逆転合格を目指している人
こうした方々にピッタリな内容です。特に、A判定を取って気を緩めている方にはぜひ最後までご覧いただければと思います。
それでは早速始めていきましょう
超難関大は問題が難しい。A判定獲得者でもなかなか解けない
超難関大学の入試問題は、色々な意味で解くのが本当に難しいです。
問題の難易度は激難。教科書片手にいくら考えたって解答の道筋さえ立てられない問題も。京大の数学は誘導問題がありません。自らの頭で解答の突破口を見つけて正解へと至る粘り強さが求められます。受験前に相当な鍛錬が必要です。いくら努力したからといって、必ず解けるかといったらそんな甘くもありません。
問題のボリュームは破滅的。東大も京大も理科の問題があまりにも多いです。計算処理マシーンと化し、手が腱鞘炎になるほど絶え間なく動かし続ける必要が。じっくり考えこむ時間的余裕はありません。最初から最後までフルスロットルで解き続け、なるべく多く点を拾い集めねばならないのです。どの問題を捨てるか、解き切るか、途中まで解くかの取捨選択も重要。見極めを誤れば時間を無駄にしたり、取れるはずだった部分点を易々と取りこぼしてしまうのです。
超難関大へ合格するには、高難度でボリュームの多い入試問題を解き、五~六割程度の点数を取らねばなりません。入試問題のあまりのタフさから、獲得できる点数は高かったり低かったりと波が生じてしまいます。総合点は特に数学の出来に左右される傾向が。数学でドンピシャにハマれば合格ラインを簡単に越えられるけれども、出来があまりに酷いとボーダーラインの突破も危うくなるでしょう。いくらA判定獲得者といえども、本番でやらかせばあっけなく落ちてしまいます。悪いことに、問題が難しければ難しいほどやらかす確率が高まる傾向が。会場の雰囲気にのまれて緊張すると、計算ミスしたり、問題文が頭に入らなくてまともに解答できなくなってしまったりします。私の場合、京大二次の理系数学で計算ミスを連発して三割しか取れずに落ちてしまいました。
A判定からの大逆転不合格は、問題が難しいがゆえに引き起こされる悲劇。難しい問題でも解き切る力があれば良かったものの、現役生時代の私にはそこまでの学力がありませんでした
A判定を取ると油断する。受験直前に勉強をサボりたくなってしまう
これは若人の性なのでしょうか、A判定を取るとつい油断してしまいます。A判定の合格確率は80%以上。「これから少し手を抜いたとしても余裕で合格できるんじゃないか」と調子に乗って勘違いしてしまいがち。A判定は慢心を生みます。慢心は学力向上の勢いを削ぎ、80%以上あった合格確率をみるみるうちに下げてしまうのです。模試の判定はあくまで模試を受けた時点における合格可能性。受験当日に合格を掴み取れる確率との相関性はありません。
現役受験生の学力の伸び幅が最も大きいのは受験直前期。実戦演習を通じ、これまで頭の中へ詰め込んできた知識が有機的にリンクしてきて、自在に駆使できるようになってきます。受験直前期にサボってしまうと、直前期のひと伸びに期待できません。潜在能力を開花させられず中途半端な学力で受験を迎えてあっけなく不合格になってしまうでしょう。超難関大の受験生たちは地域ナンバーワン校のトップ層。彼らの有する潜在能力は計り知れません。年明けから直前期にかけて学力を飛躍的に伸ばしてきます。私みたいに慢心しているA判定ホルダーを横からごぼう抜きしていくのです。
A判定を取って勉強のペースが落ちた場合、問題の解き方を忘れてしまうこともあります。問題の解き方は手が覚えている。問題を見て手を動かす訓練を怠ると、手にしみついていた感覚的なものが抜け落ちて問題を解けなくなるのです。私自身、京大二次試験の数学でこの経験をしました。問題の考え方や解き方は何となく分かるのだけれども、実際に解こうとしたら手がちっとも動きません。直前まで手を休めず勉強していればちゃんと手が動きます。手を止めてしまった怠惰な人間は本番で手を動かせず、不合格という悲しい末路をたどることに。
A判定はマグレだったのかも。C判定から追い上げてくる人の方が強い
超難関大入試の問題は難しいよ、という話をしました。問題が難しければ難しいほど、平均点は下がり、ボーダーラインもそれ相応に下がります。仕組みは模試でも変わりません。全統模試よりも京大オープンの方が平均点は低いでしょう。難しい問題が並ぶ模試において、ひと科目でも成績が突き抜ければ総合判定が爆上がりします。仮に数学で全問完答したら、その他の科目が偏差値30台でもB判定以上は固いはず。そこまで極端なケースでなくとも、よく出来た科目が二つあれば判定は簡単にB以上に。運が良ければA判定、あるいは冊子掲載までいくかもしれません。
超難関大入試の鬼門は数学。数学は計算ミスや問題との相性に左右される要素があまりに大きすぎて点数がブレます。英語や理科 (社会科) は努力次第で点数を安定させられる。こと数学に限っては、残念ながら努力ではどうにもなりません。大学別模試で偏差値が65あったとしても本番でゼロ完に終わりかねない世界線。数学のおかげでA判定を取った方々は、その判定をマグレだと思っておいた方が良いです。数学以外の出来が悪いのにA判定を取ったら、そのA判定にはC判定ぐらいの価値しかないと心得ましょう。実質C判定なのにA判定で喜んでいたらどうなるかは先述の通り。
マグレでA判定を取って怠けた人よりも、C判定から怒涛の勢いで追い上げてくる人の方が強い。受験の成績は受験日当日の学力で決まります。追い上げて伸びてきた学生の方がA判定獲得者より高学力な場合が往々にしてあるのです。我々A判定獲得者が受かるには、A判定をとっても油断せずひたむきに勉強し続けねばなりません。受験生時代の私へ致命的に欠けていたのは慢心に気を付ける姿勢でした。A判定を取った京大実戦受験後に勉強ペースを上げていたら受かっていたはず。ペースを落としてものの見事に受験で失敗した自分はただのバカ。
この記事をご覧になっている受験生の方は、本命校の受験当日まで決して油断しないようにしてください。A判定で落ちた私を反面教師とし、合格と輝かしいキャンパスライフを掴み取って下さるようお願い申し上げます。
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