【不合格体験記2016】現役時代に京都大学農学部にA判定から6点差で落ちた一部始終

目次

試験2日目

起床~試験開始

試験二日目はアラームの爆音で目を覚ましました。時計は5時55分を指していた、デジタル表示の5:55:55を見て「郷でーす!」とスーパースターの物真似。私のラッキーナンバーは5。前日の最悪の寝起きとはうって変わり、5連続の5を見て最高の気分でベッドから跳ね起きました。前日やらかした失敗はもう取り消せません。しかし、勝負は未だ決していないのです。たとえ0.1%、いや0.001%でも合格の可能性があるならそこに懸けたい。京大に対する四年間の想いをこのまま一方通行で終わらせるのは嫌だ。京大へ一矢報いるために全力を尽くす。このままタダで引き下がってたまるものか!自分に失うものは何もない。試験終了と同時に果てるつもりで死闘を繰り広げる決意を固めました。

布団を整えてシャワーを浴び、寝癖を直して服を着用。、「絶対合格してやるんだ…!」と心の中で念じながら、下階の朝食ブッフェ会場へ。前日は周囲の受験生のオーラについ怯んでしまいました。今朝はそのオーラを突き破って強い気持ちを保っていられました。食べ物の味を全く感じなかった昨日とは全く異なり、野菜やお米が実においしく感じられました。今日は肩の力が抜けていい調子。何かいいことがありそうだな。

部屋に戻って荷物をまとめ、チェックアウトを済ませて戦場へ。目の前にそびえ立つ京都駅を眺めて「今日は笑って広島に帰れるといいな」とぼんやり考えた。試験会場の開場とほぼ同時刻に農学部等へと到着。階段を昇って戦場へ。今日は勝つ。負けて帰るわけにはいかない。持参したシステム英単語と京大英語25か年をパラパラと流し読みして、頭を英語モードへと転換。口パクで英文を黙読して脳と血の巡りを活性化させておきました。

3教科目はポイントゲッターの英語。英語には国語と同じぐらいの自信がある。ココで良い流れを作って最後の理科に弾みをつけよう。

3教科目:英語

問題冊子を開くとたちまち度肝を抜かれてしまいました。京大恒例の和文英訳が、なんと自由英作文になっていたのです(註:自由英作文導入初年度でした)。おまけに自由英作のテーマが分からない。『積読』についての意見を求められるも、そもそも積読というワードの意味が分かりません。積読なんて人生で初めて聞きました。なに、積読って…?知らんがな。こりゃどうにもならんわ。、

勝負を投げ出すわけにはいきません。とりあえず、回答できそうな英文和訳から順に進めていきました。中三の頃から沢山トレーニングを”積”んできたおかげか、英文和訳問題をかなりスピーディーに処理できました。事前に考えていた時間配分の8割程度の時間でフィニッシュ。度肝を抜かれた英作文へと多めに時間を残せたのです。

私のおぼろげな記憶では、2016京大英語の英作文には以下の設問が⇩

  1. 積読とは何か、外国人に分かりやすく説明する問題
  2. 積読に関する受験生の意見を問う問題

前述の通り、そもそも”積読”という言葉を聞いたことがありません。言葉の定義について聞かれたって「こっちが聞きたいわ笑」ぐらいにしか書けない。積読をどう思うかって?…知らんよ。貴方こそどう思う?白紙で出すのだけは回避したい。あーでもない, こーでもないと10分ぐらい迷ったのち、”積読”という言葉の意味を自分で定義することに。めちゃくちゃな内容でも何か書いて出せば、採点官の先生に面白がられて1点ぐらいは貰えるかもしれません。淡い期待を抱いて答案用紙にびっしりと英文を書いて修了。

試験の手応えは悪くありません。自由英作文の結果次第では自己ベストの6割越えも期待できそう。

英語は200点中115点の出来でした。

昼休み

昨日と同様、北部キャンパス内を散歩しながら食事を摂ろうと思っていました。席を立とうと思った次の瞬間、LINEに京大工学部を受けていた高校の知り合いから『時計台前で話しよう!』との連絡が。誰かと話せば良い気分転換になりそう。理科へ弾みをつけるために「いいよ!」と返信して待ち合わせ。クスノキの下で待っていると、待ち合わせ相手の彼がやって来ました。試験の出来を聞いてみた所、彼も自分とだいだい同じような感じ。国語と英語の手応えは最高。数学では仲良く大撃沈。合否は理科次第という認識で一致。「お互い頑張ろうな!」とエール交換。他にたわいもない話をしたのち、それぞれの試験会場へおもむろに戻りました。

最終科目の理科は長丁場。3分で完成するペヤングカップ焼きそばを60杯も作成できるほどの長期戦。試験問題のボリュームも満点。180分間最後までエンジン全開で駆け抜けなければ全問解き切るのでさえ難しいです。カフェイン入りのエナジージェルを一本摂取して頭を覚醒状態に。手持ちの問題集を流し読みして頭を理科モードへと最適化。京大生になれるか否かは理科の出来次第で決まる。頑張ろう。死力を尽くそう。倒れてもいい。絶対に勝つ。

最終科目:理科

理科では6割を取ろうと考えていました。物理・化学ともに6割を取って200点中120点以上を取ろうと目論んでいた。私の胸算用では二次試験で340点前後取れば受かる計算。二次試験を受けた手応えはこのような感じ⇩

  • 国語:5割前後?(50点)
  • 数学:3割あるかな…(60点)
  • 英語:5割~6割の間??(115点)

理科で6割、つまり120点前後取れれば勝てると踏んでいたのです。合格が目前に迫り、気分が高揚してきました。ミスを抑えられれば合格できる。注意深く、かつ大胆に攻めよう。

物理に着手。心穏やかに問題を解き進められました。ただ、どうもこの年の物理が難しかったらしい。大問3つとも半分ぐらい解き進めたあたりで解き進められず行き詰ってしまった。気分転換として化学に取り掛かりました。計算問題や構造決定をスイスイと解き進められ、どうにか8割ほど解答できました。試験時間はまだ30分ほど残っています。一点でも多くかき集めるために物理の残りの問題に挑戦。

物理/化学の出来はそれぞれ3~4割/7~8割ぐらいかなといった感じ。合計で6割に届くか届かないかのライン。合否も五分五分かもしれません。前日までの絶望的な状況を鑑みると、”よくぞここまで巻き返してこられたなぁ”と、少しだけ自分が誇らしくなりました。自分の合格を祈念しつつ試験官に答案用紙をお預けして試験会場を後に。

理科は合計で120点前後の成績でした。 (註:正確な数字を覚えていないのでアバウトな表現としております)

広島へ帰還

疲労困憊で出町柳から京都駅へ。新幹線のチケットを購入。広島・博多方面のホームへ。新幹線は受験生で非常に混雑していました。ケチって自由席券を買った私は新幹線内の出入り口付近で立って新大阪まで移動。椅子に座り、一息つくと、解放感で頭がフワフワしてきました。気が抜けたせいか、眠気が一気に襲ってきて、再び目が覚めた時には広島の隣駅まで迫っていました。

あぁ、終わった。やれることはやったかな。神様、お願い。合格させて。もう一年だなんて耐えられないから…

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