北大大学院修士課程入学試験(8月)の面接で問われた内容

この記事は、2020年8月に受験した北海道大学大学院某専攻入学試験における面接のダイジェスト版です。自身の記憶のみを頼りに作成したので、内容に若干の誤りが含まれているかもしれない点はどうかご了承ください。

目次

入室~志望動機などありふれた質問

かめ

失礼します。受験番号○○のかめです。本日はどうぞよろしくお願いします

面接官さん

よろしくお願いします。では、そこに置いてある消毒液で手を消毒してから椅子にお座り下さい

かめ

はい (あ~、めっちゃ緊張するなぁ。何を聞かれるか分からんからビクビクするなぁ…)

(返事してから消毒液で軽く消毒し、椅子の隣まで行き一礼した後着席)

面接官さん

それでは面接を始めます。まずは志望動機から聞こうかねぇ

かめ

はい。私が北大大学院の〇〇専攻を志望した理由は、学部時代に学んだ知識をさらに深め、大学院の研究において論理的思考力と粘り強さを身につけ、社会に有用な人材になりたいと思ったからです。学部時代に北大の〇〇コースで勉強し、大学院でも〇〇系の勉強をしたいと思いましたので、受験先には〇〇専攻を選びました

面接官さん

ふ~ん。まっ、志望理由はそんな所かねぇ~。それじゃあ、修士を出た後はどうするの?

かめ

はい、大学院修士課程卒業後は一般企業に就職しようと思っています

面接官さん

ドクターには行くつもりはないの?

かめ

そうですね、今は企業への就職を第一に考えています
(註:まさかドクターへ行くことになるなど、B4の私には知る由もありませんでした)

面接官さん

じゃあ、さっき企業に就職したいって言ってたけど、就きたい職種は考えてる?

かめ

はい、職種は研究職に就きたいと思っています。私は大学院でリチウム電池に関する研究を行う予定です。そこでの研究生活で培った知識や経験を活かすべく、就職先は電池製造に携われる企業に行きたいと願っています

面接官さん

そうかい、分かった。ところで、昨日の筆記試験の出来はどうだった?

かめ

実は私、筆記試験を免除になっておりまして、昨日の試験は受けていないのです

面接官さん

あっ、そうなの?

かめ

左様でございます。ただ、筆記試験を受験した友人から問題を借り、昨日の午前中に行われた問題に関しては自分の力で実際に解いてみました

面接官さん

体感的にはどれぐらい取れてたかな?

かめ

解答がないので正確な割合は述べられませんが、およそ7~8割は得点できたと思います。どうしても分からなかった問題は教科書を読んだり友人に質問したりして理解を深めました

面接官さん

それだけ点数が取れるんだったら、免除じゃなくてもよかったかもねぇ~笑 (ニヤニヤ)

かめ

いえ、免除で良かったと思います笑
(あんなクソ難しい問題、解ける気がせんわ笑。頼むから「今解いてみて」とか言わないでくれよ…?)

面接官さん

もし筆記免除じゃなかったら、ちゃんと合格できてたかな?

かめ

はい、合格できていたと思います!筆記試験が免除だと分かる前までは全範囲の復習をざっとやっていたので、もし院試を受けることになっていたとしてもちゃんと点数は取れていたはずです
(こうでも言っておかないと「じゃあ今から問題出してみるね」とか言って急に筆記試験が始まるもんなぁ…)

面接官さん

ふ~ん。じゃあね、もし不合格になったらどうするの?

かめ

そんなのアンタらの知ったこっちゃないやろ笑 仮に不合格になったならば、地元に帰って就職しようと思います

面接官さん

こんな時期に募集をかけている企業はあるのかな?

かめ

はい。私は小さい頃から高校生まで乗馬をやっておりまして、その時お世話になった先生と今でも時々連絡を取り合っております。ですので、もし不合格になったならば、当時の乗馬の師匠に連絡して「こうこうこういう事情があるので雇って頂けないでしょうか?」と頼んでみるつもりです

面接官さん

分っかりました~
では、他の先生方から質問はありませんか?

深堀りする質問

面接官B

では私から。
あなたはさっき、「大学院に受かったらリチウム電池の研究をやるけれども、もし落ちたら地元に帰って乗馬の仕事をやる」ってさっき言ったよね?かたやアカデミック、かたや肉体労働。これって論理的に考えておかしいんじゃない?あなたは大学院で論理的思考力を身につけたいって言ってたから、この私にどうしてそのような進路を選ぼうと思ったのか、論理的に説明してくれますか?

かめ

(なんでこんなキレ気味に聞いてくるんや、怖いやんか… でも、何か言い返さないと落ちちゃうしなぁ… よし!)

かめ

私が大学院試験に落ちた場合に就職の道を歩むのは、”自分の力で生きていくため”です

面接官B

というと?

かめ

私は現在、親から送ってもらっている月々数万円の仕送りで生活しております。そして、大学院試験に仮に落ちてしまった場合、親は私に「以降仕送りしない」と以前告げられております。ですので、もし今年不合格になったならば、来年大学院試験に合格するまで私は学費と生活費等を全て自分の力で稼がねばならない事になります

面接官B

うん、それで?

かめ

奨学金を借りるという選択肢も当然あります。しかし、大学生の生活費を賄うには奨学金では到底足りず、十分な金額を稼ぐために毎日長時間のアルバイトをする必要があります。そうすると、研究に割く時間が足りなくなり、更にはもう一度大学院受験に挑戦するための勉強時間さえ確保できないという悪循環に陥ってしまいます。こういう状況になると、結局は全てが破綻してしまい、行きつく先は浮浪者・ホームレスという事になってしまうでしょう

かめ

一方、大学院試験に不合格になり、大学卒業後、直ちに乗馬クラブへ就職する場合だと、少なくとも”確実に”自分の力で生きていくことができます。私は小学4年生から高校3年生、そして浪人時代の計10年間馬術の世界に携わってきました。そして、広島県代表の選手として国民体育大会に4回出場し、優勝したこともありますので、乗馬スキルは一般的な指導者より上だと自負しております

かめ

乗馬クラブにはスタッフ専用の寮があり、生きていくのに必要最低限の給料程度ならば稼ぎ出すことができます。また、既に持っている乗馬スキルや騎乗資格を活かせば、多くのお客さんを指導することも可能でしょう。研究職への道が断たれるのは非常に辛い事です。しかし、自分一人の力で生きていくために、もし不合格になったならば乗馬クラブのインストラクターになろうと考えたのです。
長くなってしまい、すみませんでした

面接官B

…大変よく分かりました。ありがとう

かめ

(ふう、疲れた… 乗り切れて良かった…)

面接官さん

他に質問のある先生はいらっしゃいますか?

面接官C

では質問します。大学院試験であなたは〇〇専攻を志望するとおっしゃいましたが、学部2年次、3年次と、今まで過ごしてきた〇〇コースを選んだ理由は何だったんでしょう?

かめ

はい。私が〇〇コースを選んだのは、私の父の影響が大きいです。私の父は東京大学の△△科を卒業しまして、大学卒業後は大手素材メーカーに就職しました。そして私は「金属はいいぞ~、面白いぞ~、楽しいぞ~」という話を聞かされて洗脳、いや失礼、育ってきました(一同、笑う)。父が”面白い”というものなら、私も興味を持てるのではないかと思いました。そこで、北大へ総合入試理系で入学し、1年過ごした後に自分でも進路をよく考えてみて、最終的に〇〇コースを選択しました

面接官C

それで、○○コースを選んだ感想はいかがですか?

かめ

すごく良い選択をしたなと思いました。金属についていろいろ学んでみて、父が”面白い”と繰り返し言っていた理由が少しずつ分かってきました

面接官C

具体的に何が面白いと思いましたか?

かめ

身の回りの製品、例えば自動車や航空機には、アルミや鉄など色々な金属が使われています。そして、ただ単に金属を使うのではなく、合金にしたり靭性・剛性を高めたりと色々な加工を施して金属が利用されています。〇〇コースに配属される前、私は金属にいろいろな加工法があるなど全く知らず、叩くか伸ばすかそれぐらいしかないのだと勝手に思っていました。実際には色々な工夫を施して金属が使われていると知れたことはすごく嬉しかったですし、身の回りにある材料の正体がおぼろげながら分かってきた事は面白いなと素直に思いました

かめ

また、○○コースに入ったおかげで現在の研究テーマと出会えました。コレも何かの縁かと思いますので、与えられたテーマは少なくとも修士二年次まできちんとやり抜きたいと思っています

面接官C

うんうん、分かりました。ありがとう

かめ

(今度の先生は優しかったな。ひと息つけてホッとしたわ…)

面接官さん

ほかに何かある方?

面接官D

では私から。
かめさんは乗馬以外にもマラソンや読書といった趣味を持っているという事で、すごく色々な活動をしているなぁといった印象なんですけれども、そういった趣味は今後の研究生活でどのように活きてくると考えていますか?

かめ

はい。まず、乗馬に関してですが、乗馬では不測の事態を乗り切る力が身に付きました。馬が相手ですので言葉が通じず、馬自身も意志を持つ動物ですから1秒後に何をするか全く予想がつきません。ですので常に騎手は緊張状態で馬と接する必要があり、また馬が自分の合図に従わないことも多々ありますから、(どうして上手くいかなかったんだろう)と常に自問自答する事で様々なピンチを乗り切ってきました。今後行う実験でも、予想しなかった結果が出てくる事や実験方針に行き詰まることなどがあると思います。そういう時に、乗馬で培った不測の事態を乗り切る力が大いに役立ってくるのではないかと考えています

かめ

また、マラソンでは体力と粘り強さが身に付きました。実験は一日がかりの大仕事になる事もあるでしょうし、先ほど述べたような行き詰る時もきっとあると思います。こうした難題に直面した時、マラソンで養った体力や粘り強さ、歯を食いしばって意地でも諦めないメンタルの強さが真価を発揮してくると思います。乗馬やマラソンを真剣にやってきた事は、今後の実験生活で必ずや活きてくると信じております

面接官D

分かりました。研究頑張ってください。

かめ

はい^^
(まさか指導教員から質問されるとは思ってなかったわ。ちょっと油断してたな…)

面接官さん

ほかに質問のある先生はいらっしゃいますか?E先生はどうですか?

面接官E

(ないよ)

面接官さん

ないようでしたら面接はこれで以上になります。ありがとうございました

かめ

こちらこそありがとうございました

椅子を立って一礼し、部屋の入口まで歩いて行き、面接官たちの方を向いて

かめ

ありがとうございました

といったのち再度お辞儀をして戦線を離脱しました。

面接時間は約10分。こんなに冷や汗をかいたのは人生で初めての経験でした。

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