【極限環境】研究所内のデスバレー『ドライルーム』で過ごす人あるある5選

こんにちは。札幌と筑波で研究に勤しむ現役北大院生のかめ (M2)です。

つくばの国立研究所にて次世代蓄電池材料の研究を行っています。

この記事では、私が研究時間の大半を過ごすドライルーム(Dry Room, 乾燥室)に関する5つのあるあるをご紹介します。

  • 電池材料開発の研究をしている方
  • 就職等で今後ドライルーム/クリーンルームにて活動する予定のある学生さん

こうした方々にピッタリな内容なので、ぜひ最後までご覧いただきたいと思っています。

なお、いきなり「ドライルーム」と言われても

後輩

何それ、おいしいの…?

と訳が分からないと思うのです。

そこで、この記事では、”ドライルームとは何か?”を説明する所から始めていこうと考えています。

かめ

それではさっそく始めましょう!

目次

ドライルームとは、めちゃくちゃ乾燥した部屋のこと

ドライルームとは非常に乾燥した作業スペースのことです。

H₂O (gas)が凝結してH₂O (liq)になる温度を露点といいますが、ドライルームでは露点が-50 ℃以下と非常に低い状態が保たれています。

なぜこのような施設が必要かというと、蓄電池材料の電極(リチウムやナトリウム)や有機電解液を変質させずに取り扱うためです。

リチウムは空気中の水分と反応して酸化リチウムLi₂Oや水酸化リチウムLiOHに変質してしまいやすく、大気中での取り扱いが不可能なので、ドライルーム内で実験することにより電極へのダメージを最小限に抑えつつ研究を進められるというわけなのです。

なお、ドライルームと似たような設備としてグローブボックスなるものも存在します。

私はドライルームとグローブボックスの両方を毎日使っているのですが、両者の違いをまとめた表を以下に示します↓

ドライルームグローブボックス
手足の自由度×
露点△ (-50 ℃)◎ (-60~90 ℃)
服装△ (つなぎ)〇 (何でも可)

手足の自由がある方がイライラしなくて済みますので、私はドライルームを主な実験フィールドとして位置付けております。

とはいえ、水分は圧倒的にグローブボックス内の方が少ないため、溶液調合だけはグローブボックス内で実行し、コインセルやその他実験セルの組み立てについてはドライルーム内で進めています。

小耳にはさんだ話では、ドライルームは部屋全体を低露点に保つため、年間で数千万~億単位(!!)の光熱費がかかるようです。

だから大学には通常存在せず、潤沢な予算のある企業や国研で主に利用できる施設のようです。

ドライルームについて解説した所で、次はお待ちかねのドライルームあるあるを5つご紹介します。

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