北大には学部から博士課程まで合計8年間お世話になりました。工学部に進み、大学院では電気化学の研究に明け暮れ、気づけば20代の大半を札幌で過ごしていたことになります。
8年もキャンパスにいると、すれ違う他学部の学生に対して「たぶんあの学部だな」と勝手にプロファイリングしてしまいます。根拠はなく完全に直感ですが、8年分の偏見にはそれなりの重みがあると自分では思っているんですよね。実際、結構当たりますし。
この記事では、全12学部・40以上の学科・コースに対する印象を独断と偏見で一気に語ります。 完全に個人的な意見ですので、関係者の方々には先に謝っておきます。ごめんなさい。
かめそれでは早速始めましょう!
文学部
暇そうで、本の虫で、歴史に詳しい。ものすごく穏やかな表情で総合図書館の片隅に陣取って哲学談義を繰り広げているイメージがあります。平和です。
クラーク会館の前でよくアカペラサークルがハーモニーを奏でていますが、あれはたぶん文学部生。文学の音がします。北大の学祭になると工学部では普段見慣れないほど多くの女性が現れるのですが、あの供給源はおそらく文学部。少しでいいから工学部にも供給してほしい。
卒論のテーマがやたらとピンポイントで、指導教員以外に誰が読むのか分からないものが飛び出してきます。でも本人はめちゃくちゃ楽しそうに書いているんですよね。好きなことをとことん突き詰められるのは素直にうらやましい。生まれ変わったら文学部に行きたい。 誰も知らないマイナーな国の古代史を、クラーク先生の銅像に乗って黙々と研究したいです。
教育学部
毎日グループワークをしています。たぶん先生になるんだろうなと思いきや、教育業界の現状を一番近くで見てしまうせいで、むしろ先生になる気が失せている学生もいるかもしれません。
チェックシャツにメガネの理系学生に、洋服の選び方を講義してほしい。私も受けたい。ついでに寝癖の直し方も教えてほしい。コミュニケーション能力は全学部で一番高いと思っていて、初対面の人間の緊張をほぐすのがとにかくうまいんですよね。前世は先生だった人が通う学部。知らんけど。
法学部
論破が好きで、日常会話ですら無意識に論理の穴を突いてくるので怖いです。一緒に飲みに行ったら、居酒屋のメニュー表記に対して景品表示法の観点からツッコミを入れてくる。楽しく飲ませてほしい、酔いがさめちゃうから。
単位を取るのが大変で、ずっと勉強しています。 総合図書館を徘徊中、自習室の机に法律系の本が積まれているのをよく見かけました。理系学生なんかよりよっぽど勉強していますし、少なくとも自分よりは確実に頑張っている。法律暗記でAIに負けないよう頑張ってほしいところです。
経済学部
経済学科
楽です。ゼミで推薦をもらって有名企業にスッと就職していきます。総合図書館を徘徊していても、自習室の机で経済学の教科書を見たことがありません。たぶん経済学科生は資格の勉強をしていて、おそらく日商簿記をやっている。二年次あたりに簿記一級を取って、在学中に公認会計士まで手を伸ばしているのでは。
経済学者が未来予測を的中させた場面を見たことがないので、もうちょっと頑張ってほしいですね。株価の予測が当たるなら経済学部の教授はみんな億万長者になっているはずですが、そうはなっていない。学問としてはたぶん奥が深いのでしょうけれど、外から見ると「結局当たらないじゃん」と思ってしまいます。ごめんなさい。
経営学科
毎日グループワークをしていて、SWOT分析が得意です。友達になったら自分のことを勝手にフレームワークで分析されて落ち着かない。
経営者になりたい人が好きそうな本を読むのが好きな人が行く学科、というイメージでしょうか。よく言えば意識が高い、悪く言えば意識高い系。一人あたりの起業セミナー参加回数は北大で一番多いはずですし、名刺を持ち歩いています。経営学を学ぶより自分でスモールビジネスを立ち上げて実際に経営した方が勉強になるんじゃないかと思いますが、言わないでおきます。言われなくても、多分やっている、よね。
理学部
数学科
大学にはあまり通っていません。大学に行きたがる数学徒はいないんですよ。ひとりでゴリゴリ、図書館の隅っこで演習書を解いている。図書館で数学系の本を手に取るとやたらと使い込まれた形跡が残っていて、ページの角が折れまくっています。あんなに難しいことを勉強できるなんて素直に尊敬しますね。
自分が本格的に数学をやったらたぶん3日で病みます。証明を生成AIに頼んでみても、AIが出してきた回答の意味が理解できずにまた病む。なぜかやたらと総合理系からの移行点が低いですが、教養科目の勉強なんかにリソースを割きたくなくて手を抜いたんだろうと思っています。
物理学科
おそらく彼らもあまり学校には行きたくないのですが、数学科と違って学生実験があるので単位のために出席しなければなりません。量子力学が得意で、頭の中に四次元空間を描けます。すごい人は十次元までいける。自分を変人だと気づいていない、真の変人の割合が北大で最も高いのではないでしょうか。
自分もドラマのガリレオに憧れて物理学科が気になっていた頃がありましたが、総合理系時代に物理の専門書を開いて悟りました。1ページ目で白旗を上げたんです。物理学科生は素直にリスペクトしています。
化学科
とにかく実験が忙しくて、腱鞘炎で手首をしょっちゅうさすっています。上下巻で何キロもあるアトキンス物理化学を背負わされて肩凝りが酷いうえに、工学部機械系よりチェックシャツの着用率が高い。
朝のセコマでホットシェフを買っている理学部生は化学科生です。実験レポートの量がえげつなくて金曜の夜もレポートを書いていますから、遊ぶ暇がありません。それでも化学が好きで続けているのだから、好きの力は強いですよね。
生物科学科
動物好きの優しい人が集まっています。よく北大農場に行って牛をじっと眺めていますし、部屋じゅうに動物のぬいぐるみが飾ってある。LINEのアイコンはたぶん動物の写真で、肩にインコを乗せて通学しています。
馬術部と野鳥研究会に生物科学科生がやたら多いんですよね。研究とプライベートの境目が消滅していて、趣味がそのまま卒論のテーマになっている。そのうち「ダーウィンが来た!」にも出てくるのでは。
地球惑星科学科
フィールドワーク先から化石を持って帰ってきて、部屋が化石と鉱物で埋まり地層が形成されています。ワイルドな方が多く体力も求められる。宇宙が好きな方が多いです。というか、宇宙人が多い。話していると急に「46億年前の地球はね」とか言い出すんですよ。ビッグバンのときに生まれたんでしょうか。
大学まで地学を専門に学べる機会は限られているはずなのに、どうやって大学レベルまで仕上げてきたのか分からない。すごいです。
医学部
医学科
賢い。普通に見えますが、喋り出したら普通ではありません。早口すぎてちょっと何を言っているのか分からないし、頭の回転が速すぎて口がついていけずによく空振りしている。勉強はもちろんスポーツもバイトも教養もハイスペックで、たまに人間としての設計ミスを疑いたくなります。学生の質がここだけ一段違う。
男子は札幌の全女子大から虎視眈々と狙われています。女子は性格がキツい。一年生のとき学生実験で同じ班になり、機嫌を損ねて舌打ちされたことがあるんですよね。本当に怖いので勘弁してほしいです。
保健学科
看護学専攻
優しくて、困ったら何でも助けてくれます。ChatGPT 4oより全肯定してくれるし、どんな無茶でも「大丈夫だよ」と言ってくれる。あの包容力は天性のものなのか、教育の賜物なのか。意外と男子も多くて、みんないい人です。慈愛に満ち溢れている。
実習が始まると生活が一変して、レポートに追われて目の下にクマを作っています。あの優しさを保ったまま激務をこなしているのを見ると、メンタルが一番強いのは実は看護学専攻の学生なのかもしれません。
放射線技術科学専攻
健康診断のバスの中で暮らしています。怒らせたら気軽にX線を浴びせてくるし、自分で自分のレントゲンを撮って骨の状態をチェックしている。飲み会で「ちょっと手首見せて」と言われたら骨密度の話が始まります。視力がいい。
検査技術科学専攻
正直に言うと、調べて初めて存在を知りました。申し訳ない。たぶん血液検査や超音波検査など、病院で受ける各種検査のスペシャリストです。
血液型を聞くと性格診断ではなく血球の特徴を語り始めますし、健康診断の結果を見せたら数値の異常を一瞬で見抜いてくれます。知らなくていいことまで教えてくれる。
理学療法学専攻
保健学科の中で一番体育会系です。身体のことなら何でも知っていて、飲み会で肩こりの相談をしたらその場で施術が始まります。化学科生と組めばいいのに。交わした約束は絶対に守る義理堅い方が多い印象ですね。
作業療法学専攻
理学療法学専攻の雰囲気をちょっとマイルドにして看護学専攻に寄せた感じでしょうか。人類全体の福祉に思いを馳せていて、自己犠牲の精神を持つ視座の高い方が多いです。普段は穏やかで面倒見がいいのですが、飲み会でぐいぐい飲ませたら大爆発するタイプ。
歯学部
とにかく歯が白い。 人と喋るとき相手の歯しか見ていませんし、人間を顔ではなく歯並びで記憶しています。
これまで抜けてきた自分の歯を全部ポケットに入れて携帯しているし、毎週歯医者に行ってデンタルフロスをしている。家に歯磨きチューブを30本常備し、歯の調子に応じて歯ブラシを使い分けているそうです。
薬学部
薬科学科
実は薬学科だと思って入った方が多いらしく、ほぼ全員が大学院に進んでクスリの研究をしています。就職はすこぶる良い。
親戚の集まりで「薬剤師になれるんでしょ?」と毎回聞かれていて、もう説明するのも面倒になって「まあそんな感じです」と流しているそうです。
薬学科
とにかく覚えることが多い。薬科学科に対して「お前らとは違うから」と思っているものの、意外と仲は良好です。国試のプレッシャーと隣り合わせで精神力が鍛えられている。
趣味はドラッグストア通い。ツルハドラッグで薬を手に取り、裏返し、成分表示を熟読しています。風邪をひくと自分で風邪薬を調合するし、東洋医学派と西洋医学派で分かれていて、東洋派は意地でも病院に行きません。
工学部
応用理工系学科
応用物理工学コース
理物(りぶつ)に行くほど振り切れてはいない、理性と社交性の持ち主が多い印象です。ナノとか超伝導とか量子とかやっていますが、本人以外は何をやっているか分からない。実は本人もあまりよく分かっていない。結局誰も何も分かっていません。 研究棟がきれいで羨ましい。
応用化学コース
理化(りばけ)に行くほど振り切れてはいない、理性と社交性の持ち主が多い印象です。理化とほとんど同じ教科書を使っていて、忙しさも同じぐらい。
有機化学でノーベル賞を取りたくて入る学生が多いのですが、学生実験の有機化学が大変すぎて無機分野の研究室が人気になるんですよね。初志貫徹してほしい。
応用マテリアル工学コース
金属と材料に詳しく、みなそれぞれ好きな金属があります。鉄派と非鉄派で永遠に争っている。 包丁の切れ味にうるさい。就職はメーカーが強くてつぶしが効きますし、三年後期に全休があるので暇です。私はこのコース出身です^ ^
情報エレクトロニクス学科
情報理工学コース
いま一番キテるコース。 移行点は年々上がっていて、まさに時代の寵児です。講義中もずっとパソコンを開いて生成AIを回していますし、ChatGPTかGeminiに月3万円課金している。全員、AIの進化に内心ビビっている。
Macに異様なこだわりを持っていて、スタバでMacBookを開きフラペチーノを飲み、ときどきこぼしています。甲高いタイピング音を響かせながら文明を切り拓いていく姿勢は嫌いじゃないです。
電気電子工学コース
半導体やデバイスを心から愛していて、自室にオシロスコープがあります。趣味は心電図のラプラス変換。とにかく地味ですが就職は異様に強い。
半導体ブームのおかげで最近は就職がさらに良くなっています。情報理工ばかり注目されがちですが、電気電子の人たちがいなかったらスマホもパソコンもただの板ですからね。もっと報われてほしい。本人たちは黙々と回路を組んでいて、その背中がカッコいいんですよ。
生体情報コース
おそらく指紋認証の研究をしています。工学部でもあり医療系でもあり、妙に女子比率が高い。なんかチャラチャラしています。工学部棟前の芝生で夏に毎週ジンパをしている。
工学部の授業も取るし医学部の建物にも出入りするので、時間割がカオスです。北大のキャンパスは広いですから、移動だけで体力を削られている。学科の中でも少数精鋭で、同期の顔と名前が全員一致しているコース全体の仲の良さが特徴でしょうか。
メディアネットワークコース
音声や画像やネットワーク技術を扱っています。情報理工学コースとの違いを聞かれると一言では難しいですが、通信やら画像圧縮やら、なくなったら世の中が止まる技術をやっている。
自宅のWi-Fiルーターを自分でチューニングしていて、友達の家でネットが遅いと頼まれてもいないのに原因を特定してくれます。頼りになる。ネットワーク障害のニュースを見て、他の人より3倍ぐらい焦っています。
電気制御システムコース
ロボットやモーターを制御していて、ロボコンに出ています。研究室にパーツが散乱していて、床を歩くとネジを踏む。MATLABの画面を一日中見つめている方々です。
機械知能工学科と領域が近いですが、あくまで電気側からのアプローチであって、そこにプライドがある。ものづくりが好きで、小さい頃からラジコンやプラモデルを組み立てていた方が多いんですよね。手先が器用です。
機械知能工学科
機械情報コース
ロボットやAIを機械の側から攻めていて、プログラミングも機械設計もできる守備範囲の広さが売りです。CADとPythonを同じ日に開いている。
メカ好き少年がそのまま大学生になった目をしていて、研究室紹介のスライドがロボットの写真だらけでもはやロボット図鑑。ミニ四駆に本気を出した経験がありますし、自宅でルンバを分解して改造している。ものを作る喜びを一番知っている人たちです。
機械システムコース
宇宙工学やエネルギー系をやっていて、将来の夢はJAXA職員です。四力(よんりき)と呼ばれる材料力学・熱力学・流体力学・機械力学を全部やらされて課題が重いのですが、宇宙への情熱で乗り切っている。
研究室の実験装置がとにかくデカい。自分の所属専攻の装置もそこそこ大きいと思っていましたが、ここには負けます。卒論発表のスケール感が映画の予告編。
環境社会工学科
社会基盤学コース
橋やダムや道路を設計するインフラの守護者です。北海道の広大な土地がそのまま教材で、実習では道内各地のインフラを見て回れる。楽しそうですよね。
冬に凍結した道路で転んだとき、普通の人は「痛い」と思いますが、この方たちは舗装材の選定について考えています。防災グッズを常備していて、街を歩くときは橋や高架を下から見上げている。
国土政策学コース
工学部にいながらまちづくりや政策を学んでいて、GISを使いこなしています。趣味はGoogle Earth鑑賞。
北海道の過疎問題を語れる工学部生です。飲み会でまちづくりの話を始めたら止まりません。地域への愛が深く、卒業後は全国の役所でインフラ整備に従事される方が多い印象ですね。
建築都市コース
工学部で一番おしゃれ。 チェックシャツ率が工学部で最も低いです。製図室にこもって模型を作っていて、コンビニで買うのはエナジードリンクとスティックのり。徹夜明けの顔すらアーティスティック。
街を歩いていても建物が気になって足が止まるので、一緒に散歩すると全然前に進めません。工学部で唯一インスタが映えます。
環境工学コース
水や大気や廃棄物など環境問題に取り組む、工学部の良心です。エコバッグとマイボトルの携帯率は工学部ナンバーワンで、ペットボトルの水を買ったら「札幌の水道水で十分」と言ってくる。レジ袋を断る速度が異常に速い。
研究で下水処理場や焼却施設に通っているので、現場を見ている分だけ危機感がリアルです。飲み会でもプラスチック問題の話になりがちで、たまには別の話をしてほしいのですが、たぶんできない。それぐらい本気なんですよね。
資源循環システムコース
資源の採掘からリサイクルまで地球規模で資源を追いかけていて、研究室によってはアフリカや東南アジアの鉱山まで足を運んでいます。工学部にいながら冒険家みたいな生活をしていて、パスポートのスタンプ欄がやたらと華やかです。
農学部
生物資源科学科
農学部で最も農学部っぽい学科です。昆虫や植物を愛していて部屋に標本コレクションがありますし、フィールドワークと趣味の境界線が消滅しているので、虫嫌いの人は初日で詰みます。
夏の北大構内でセミの抜け殻を嬉しそうに拾っていて、ポケットには虫眼鏡が入っている。生き物への愛情がまっすぐで、話を聞いていて気持ちがいいんですよね。
応用生命科学科
名前はカッコいいですが、ピペットを片手に地道な分子生物学の実験をしています。白衣を着ている時間が長く、実験の待ち時間にラボでカップ麺を食べている。ラボが第二の家。 そのうち住民票を移すはずです。
換気ドラフトの前で人生について考えていますし、培養の待ち時間が長いので待っている間にもう一個別の実験を回している。マルチタスク能力が抜群です。
生物機能化学科
農学部なのに化学をゴリゴリやっています。発酵や微生物に詳しく、自家製の味噌や漬物を作っていて、冷蔵庫の中がぬか床と培養中の菌で埋まっている。
飲み会で日本酒を注文すると醸造過程の解説が始まりますし、「それ乳酸菌の仕事だよ」とか日常会話で平気で言ってきます。自分の部屋で酒を醸していて、微生物と仲良く暮らしている。 楽しそうです。
森林科学科
北海道の森がまるごと研究室。 よく研究林に泊まり込んで調査に行っていて、大学生活というよりサバイバル生活です。体力お化けで、登山靴が普段履き。ザックにノコギリが入っています。
クマの出没情報に詳しいですし、木の種類を一目で見分けられてキノコの判別もつく。一緒に山に入ったら生存率が爆上がりします。年輪を見て木の年齢を当てる特技も持っていて、北海道の森の守護神と呼ぶにふさわしい存在ですね。
畜産科学科
牛や豚や鶏と毎日向き合っていて、朝が早い。目覚ましが鳴る前に起きて鶏の目を覚ましに行っています。生き物相手なので休みの概念がなく、服に牧草の匂いが染みついている。
農場の牛を見てテンションが上がりますし、焼肉屋で「この肉は霜降りの入り方的にA4かな」と格付けしてくる。 プロの目で品定めされると肉が喉を通りません。ジンギスカンにも一家言あって、動物への愛情と食への知識がハイレベルで両立されています。
生物環境工学科
農業土木やトラクターを設計していて、農学部で一番工学寄りです。工学部の環境社会工学科と名前が似すぎていて毎年どこかで間違えられていますし、郵便物も間違って届いているらしい。
灌漑設備の設計から農業用ロボットの開発まで守備範囲が広く、北海道の畑のスケールに合わせた機械を作れる。「縁の下の力持ち」がこれほど似合う学科もないでしょう。
農業経済学科
農学部なのに経済学をやっていて、文理融合の極みです。理系の入試を突破したはずなのに日々扱うのは市場分析や農業政策で、教室にいる顔ぶれも使っている教科書も文系。SWOT分析が得意です。
「農学部です、でも経済やってます」と補足するまでがワンセット。「じゃあ何で農学部に入ったの?」は聞かれすぎて聞き飽きているそうです。文系就活のためにスーツを着すぎてスーツがよく似合う顔になる。農業の現場と経済の両方が分かる、実は一番バランスのいい人たちかもしれません。
獣医学部
動物のお医者さん。圧倒的なブランド力です。漫画「動物のお医者さん」の舞台が北大だったおかげで、あの漫画が志望動機の方が毎年多数いらっしゃいます。
6年制で忙しく、実習では生き物の直腸検査もやる。白衣にゴム長靴で工学部では絶対にしない格好でキャンパスを歩いていて、犬を連れて歩けます。馬に乗って通学する人もいる(いない)。
帯広畜産大学との共同課程なので帯広にも通わなければなりません。札幌ー帯広間は特急で2時間半だから、移動だけで1日が終わります。偏差値は医学科に次いで高く、根本的に賢い。ペットを飼っている友達から「ちょっと見てくれない?」と無料で頼まれがちですが、ちゃんと動物病院にお金を払って行ってほしいですね。
水産学部
海洋生物科学科
海の生き物好きな方々が函館に集います。3年次から函館キャンパスに移るので札幌の人間関係が一旦リセットされて、さみしい。
週末は水族館に行きますし、友達と水族館に行けば解説が止まらなくなる。回転寿司ではネタを見て和名と学名を両方言います。 スーパーの鮮魚コーナーでは産地と鮮度を瞬時に判定してくれるので、一緒に買い物に行くとハズレの魚を引きません。頼りになります。
海洋資源科学科
海の資源を持続的にどう使うかを考えていて、練習船で実習に出ます。カッコいい。カッコいいのですが、毎年船酔いする方が現れる。実は酔い止め薬の銘柄に詳しいです。
回転寿司に行くと漁獲制限の話が始まります。楽しく寿司を食わせてほしいと思いつつも、北海道のイカ不漁やサンマの水揚げ減少を一番深刻に受け止めている方々ですから、海の未来を本気で心配しているんですよね。私も懸念しています。
増殖生命科学科
「増殖」というパワーワードが名前に入っていてインパクトがすごいですが、やっていることはサケやマスの人工孵化で、だいぶ平和です。
北海道の鮭文化を未来に繋いでくれている方々で、石狩鍋を食べるたびに心の中で「いつもありがとうございます」と言っています。稚魚が育っていく過程を毎日観察していると愛着が湧くそうですが、放流の日はちょっとさみしい。でも放流した稚魚がいつか石狩川を遡上してきて、美味しくいただける。諸行無常、南無南無。
資源機能化学科
化学をゴリゴリやっています。魚からDHAやEPAのような機能性物質を見つけ出して、サプリメントの裏に書いてある成分を研究している。もはや錬金術の世界ですね。魚嫌いの方にもDHAを届けてくれる、鮮魚売り場のおさかな天国を支える存在です。
おわりに
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。全12学部、40以上の学科・コースを一気に書き切りました。
改めて並べてみると、北大の懐の深さに驚きます。哲学を語る人がいれば、溶けた金属を流し込む人もいる。クマの出没情報に詳しい人がいれば、魚の学名をスラスラ言える人もいる。バラバラな人たちが同じキャンパスで同じ学食を食べている。北大は面白い場所です。
書いたことはすべて独断と偏見なので、「全然違うよ」という方はぜひ教えてください。あなたの感じた北大の姿を聞かせてもらえたら、書いた甲斐があるというものです。
北大を目指している高校生も、いま通っている学生も、卒業したOB・OGの方にも、この記事で北大のことがもっと好きになっていただけると嬉しいです。























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